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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
アフターストーリー
107/124

#107:運命

サブタイトルをdestinyにしようとしたけど、辞めました。

本文の最後の二行消したら、打ち切りみたいな流れになりそうだなと少し思いましたね……

あ、来週も普通に登校する予定です。

「渉ー!」

「ぐはっ!?」


 俺が玄関の扉を開けると、光沙先輩と目が合った。その瞬間、彼女は俺に抱き着いてきていた。彼女の柔らかい部分が押し付けられるほど、きつく抱きしめられたので少し苦しい。



「ちょっと光沙、落ち着きなよ。渉君が苦しそうにしているから一回離してあげて?」

「あわわ。ご、ごめんね?」


 しかし、そんな俺の表情を察してか、愛結先輩が光沙先輩に離れるように言った。すると、彼女は俺が苦しそうにしていたことに気づいたのか、慌てた離れた。そして、俺のことを不安そうな目で見てきた。


「ごめんね、渉君。許して許して」

「光沙。少し落ち着いてよ」

「どうかしたんですか?」

「あー。えっとだね……」


 俺が攫われて、組織の中枢にて拘束されていたという影響は様々な所に影響を生み出していたそうだ。例えば、学校。組織のスパイなんかが、容易にもぐりこめてしまうような状況であったことに対する責任問題とか。そういった表立った問題は、柚香が解決してくれたんだけど、他にも存在している。


 俺が戻ってきてから皆だいぶ安定してきて、桜とかは特に何も感じていなさそうだけど、精神の面でも大変だったらしい。主に楓あたりが。とは言え、楓は以前より少し……いや、かなり俺に対して過保護になっただけで影響はさほどない。ただ、実は光沙先輩が一番精神的に参ってしまっているらしい。


 俺を助けに来る際は、俺をさらったやつらに対する怒りがあったことによって、楓のように落ち込んだりはしていなかったらしい。彼女は一連の騒動で、俺が女性恐怖症になったりとか女性を拒絶素つようになったらどうしようと考えているらしい。


 勿論、愛結先輩がそんなことないと説得してくれたようなんだけどあまり効果はなかったらしい。


「大丈夫ですよ、光沙先輩。別に貴方が、攫ったわけではないですから。僕が光沙先輩のことを嫌いになったりするわけじゃないですから」

「わ、渉~」

「あっ」

「……しょうがないですね」


 感極まったのか今度は涙を流しながら、俺に抱きついてきた。愛結先輩が、少し心配した様子で俺のことを見てきた。彼女を突き放そうとしているわけではないし、力も先ほどよりは入っていないので、彼女の抱擁を受け入れた。……まぁ、家の前だから少し恥ずかしいんだけど。




 光沙先輩を落ち着かせた後、俺たちは車に乗り込んだ。二人が俺とデートしたいという場所に向かうまで、光沙先輩は俺の手を握って肩を寄せてきた。愛結先輩はそんな光景を見て微笑むと、彼女も俺の反対側の手と肩を使って、光沙先輩と同じようにしてきた。


「極楽だよー。ここは天国だね、愛結ちゃん」

「ふふっ、そうだね。愛しの渉君と、親友の光沙と一緒にいられるんだから……極楽だね」


 前世の俺からしてみれば……いや、こっちの世界で過ごしてきた俺でもこの状況は幸せなものだ。光沙先輩と愛結先輩という美人に抱きつかれて、好きだとか一緒に入れて幸せと言ってくれているのだから、幸せじゃないはずがない。


 最近、運命のようなものを感じるときがある。例えば、楓と俺が二人そろって死んだときに、二人とも記憶を持って同じ家に転生したこと。そして、転生先の世界に偶然、気多くを持った桜がいたこと。


 そしてこの世界で、五月と由衣。そして光沙先輩と愛結先輩。碧や千佳姉さん。柚香や真里菜。彼女たちと出会って、付き合うことになったのは運命何だろう。もしこの運命を引き寄せてくれた存在がいるんだとしたら、感謝の言葉くらい述べてみたいな。そんなことを考えて、俺は空をぼーっと見上げた。


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