#104:五月とのイチャイチャ
「……と、言いたいところですが今日は時間がもうなくなってきちゃったのでここまでにしておきますね。渉君、授業の入り方は覚えていますか?」
「何となくわかっているから大丈夫」
「それなら大丈夫ですね。接続する準備だけ澄ましてしましょう」
五月に言われて、俺はオンラインの準備を始めた。
「それではみんなホームルーム始めます。白川君、お久しぶりですね」
「お、お久しぶりです」
俺はマイクをオンにして話す。カメラはどちらでも良いと言われたんだけど、クラスメイトの女子たちが顔を見たいとのことだったので、恩に出k利絵場してほしいとお願いされた。事前に柚香にも確認を取ったんだけど、それくらいならば全然問題がないとのことだったので、カメラはオンにすることにした。
オンラインの利点としては移動教室の際に移動する必要がないというところだろうか。それから自宅で受けるということもあってか、リラックスしながら受けることができる。
「渉君、渉君」
「どうした五月?」
「イチャイチャしましょうよー」
授業中はカメラはオフにしていいとのことだったので、オフにさせてもらっている。他のクラスメイト達は普通に受けているから、そもそも見れないとのことだったからね。そんななわけでか、五月がそれを利用して先ほどから体を滅茶苦茶密着させてくる。彼女の方をチラッと見ると、ニヤニヤしながら俺に顔を寄せてきた。
「いやーオンライン授業最高ですね、渉君」
「う、うん。まぁ良い点はいっぱいあるな」
「それじゃあ、私とこうやって二人きりでイチャイチャできるのもですか!?」
五月が自信満々といった様子で俺にそう言ってきた。転移してきた直後であれば、こんな美少女に迫られていたらもっとドキドキしていただろうし、五月も気絶していたことから見るに、お互いに耐性はなかった。ある程度耐性がついてきたから、呆れたように俺は返した。
「ほら、集中しろ」
「はーい」
五月は少し不貞腐れるようにそう言った。とは言っても、勿論五月のことは好きだし彼女の気持ちを無碍にすることはしたくない。まぁ、授業中は控えるようにしてもらうけどね。
「やっと午前中が終わりましたね!」
「お、おう。そうだな」
「5時間目は体育だから参加しなくていいんでしたよね?」
「確か、そう言ってたな」
オンラインで授業を受ける唯一といってもいい欠点は体育ができないことだろうか。走ることが出来なければ、球技をすることもできないからな。家でできるのは、卓球くらいだろうか?
そんなわけでお昼の時間を少し長めにとって、二人でのんびりすることに決めた。
「先ほどは授業中という言い訳で逃れられましたけど、今度は逃がしませんよ?」
五月は妖艶に微笑むと、俺の頬に手を当てて頬にキスをした。よく見ると、箸は一膳しか用意されていなかった。五月は俺の隣に座ると、早速おかずを取った。
「それじゃあ、渉君、あ、あーん」
五月は少し恥ずかしそうにしながらも、俺の口元まで箸を運んできた。一口食べると、彼女が今度は俺に箸を渡してきて、口を開けて、指をさした。たぶん自分にも同じことをしてほしいという意味だろう。俺も彼女の真似をするようにして、食べさせてあげた。
ちなみに箸を取られてもう一度食べさせられた後、再び俺に箸を戻してきた。また食べさせるように視線で合図してきた彼女だったが、俺は少し恥ずかしくなってきた。それに加えて、一口ずつ交互に食べさせ会っていたら、料理が覚めてしまいそうだったので、俺は一人で食べ始めた。
「ああー!渉君、食べさせあいっこは?」
「終わり。料理冷めちゃうぞ」
「えー、そんな」
残念そうにしていた五月だったが、どこからか箸を取り出してすぐに食べ始めていた。多分途中で俺が止めるの分かってたんだろうな。