#1:告白
新作です。
初の恋愛物です。
上手く書けるかは分かりませんが頑張って書きます
俺の名前は 白川 渉。何処にでもいるような、目立たないごく普通の高校生だ。今日もいつもと変わらない1日が始まる。
「おはよう、渉」
「お、おはよう」
家を出ると黒く長い髪が特徴的で、10人中9人が振り返るであろう美少女がいた。彼女の名前は 一条 楓。学校のアイドルや女神と呼ばれ、よく告白されている。そして、俺も彼女のことが好きだ。そう思いながら楓の方を見ていると、楓が声を震わせながら言った。
「放課後、大事な話があるの」
大事な話って何だろうか?まさか、誰かと付き合ったとかか。だとしたら嫌だな。でも告白もしていないし、文句を言える立場でないのは分かっている。それでも、俺は諦めたくない。関係が壊れる可能性だってある、けれど何も出来ずに終わるのだけは嫌だ!
「俺も大事な話がある」
そしていつものように授業が終わった。しかし、いつも以上に授業が身に入らなかった。俺と楓それぞれ大事な話がある。そんな状況で集中なんて出来るわけがなかった。楓はクラスメイトたちと話していたので、俺は先に約束した屋上に向かった。
「お待たせ」
10分ぐらい経った後、屋上の扉が開く音がした。そこには楓が立っていた。楓は心なしかいつもより不安そうな表情をしている。
「えっとね、渉。大事なことって言うのはね」
「待って、俺が先に言ってもいい?」
彼氏が出来たという報告ならばその後には告白しづらくなってしまう。だから絶対に先に言わないといけない。そう思って俺は先に言うと宣言したのだが、楓も先に言いたいと言ってきたのだ。
結局お互いが譲らなかった為、同時に言うことになった。
「行くよ、せーのっ」
「楓、好きだ!付き合ってくれ」
「渉、好きです。付き合ってください」
え?好きって、ええ?!楓は驚いた顔をしていた。しばらくの硬直の後、楓と同じタイミングで吹き出してしまった。
「渉の驚いた顔、面白かったわよ」
「楓の驚いた顔だって」
「改めて、俺と付き合ってくれるか?」
「うん!」
楓はそう言うと俺の胸に飛び込んできた。俺も腕を回して抱きしめる。俺たちは学校の屋上でキスをした。そして、俺たちは特に何かをするわけでもなく寄り添っていた。
「じゃあ、帰ろっか!」
楓に手を引かれながら屋上を去った。登校するときは楓と手を繋いで来ることも時々あったのだが、これはそのどれよりも緊張した。指と指を絡める、所謂恋人つなぎと言うやつだ。俺も出来る日が来るなんて思ってなかった。
そのあと、学校にまだ残っていた生徒たちに質問攻めにあったりして、俺たちが校舎を出た時、既にあたりが少し暗くなっていた。
「見て、綺麗な星」
楓が目を輝かせながら見ていた。こんな幸せがずっと続けばいいなと思った。楓も同じことを思っていてくれたらいいなと1人で考えていた。
「こんな日が一生続けばいいね」
楓が俺の方を見て、俺が考えていることと同じことを言った。その笑みは今まで見てきた楓の中で1番可愛いと思った。
しかし、幸せな時間は突然終わりを告げた。それは俺たちが横断歩道を渡っていた時だ。突然トラックがもの凄いスピードで走ってきた。その時の俺たちは浮かれすぎていた反動か動くことが出来なかった。そして俺たちはそのままトラックに轢かれた。
俺と楓は倒れた。轢かれてもなお、俺たちは手を離さなかったそうなのだが、そんなことは俺たちには知る由もなかった。
あれ、生きているのか?俺は楓とトラックに轢かれて、死んだと思っていたのに。
「良かった、目覚めたんですね!今お母さまを呼んでくるので動かずに待っていてください」
目を開けると、俺のことを覗き込んでいた女性がそう言った。話の内容と服装からして医者なんだろうか?
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