表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
rare parson 〜同一人物〜  作者: 虹レモン
1/1

不思議な夢と白猫のおつげ

☆*・゜・*:.。.*.。.:*・☆*・゜・*:.。.*.


閲覧頂きありがとうございます(*´˘`*)


小学生の頃から温めていた小説で、

ずっと何か形に残したいと思い、

今回初めて投稿してみました。


つたない文章ですが楽しんで頂けたら嬉しいです〜。




✩.*˚今のところの登場人物 ✩.*˚


月宮 栗美


中学一年生。 孤児院に姉と住む。

王道な、冴えないけれどやる時はやる、主人公です。

自分に自信が持てず、

天才美女のお姉さんがいて、おっちょこちょいな自分と姉の差にコンプレックスを抱いています。



月宮あんり


栗美のお姉さん、唯一の家族。

才色兼備の天才美女で、なんでも出来る高校1年生

今はわけあって、寝たきり状態に。


白猫


突然栗美の夢に現れた白い猫

謎のメッセージを残す


おばさん


栗美達が住む孤児院の先生

言いたいことはズバズバ言う性格



キャラ追加予定

✩.*˚✩.*˚✩.*˚✩.*˚✩.*˚✩.*˚✩.*˚✩.*˚


これからも定期的に更新する予定ですのでよろしくお願いします。


☆*・゜・*:.。.*.。.:*・☆*・゜・*:.。.*.


☆*・゜・*:.。.*.。.:*・☆*・゜・*:.。.*.。.:*




気づけばそこは白の世界


右を向いても左を向いても

上も下もどこまでも続く白い壁


私はその白い世界に

たった1人で立ち尽くしていた


なんでこんな所にいるんだろう

ふと呟いてみる


声が辺りに反響して、

空間にボワボワと響く。

ただそれだけ、声は白い壁に吸い込まれて消えていくだけ。


誰も何も返してくれない、

私は不安になった。

このまま、誰も来ることがなく、この白い世界に取り残されてしまったらどうしよう、と。


キュッと震える手を握って

焦る心を落ち着かせながら私はもう一度叫ぶ、


ねぇ、誰かいないの!?


その時


遠くから、リンッと鈴の音が聞こえた


身を翻し、音のする方にめをむける


微かに遠くで、何かがキラキラ光っている


必死に目をくらませながらそれを見つめる


光は段々大きくなりながら、こちらにゆっくり近づいてくる


誰か来てくれたんだ!


私は無我夢中で光に寄って走っていった


が、それはただの丸い光。


人じゃない…


落胆する私を他所に

その光はゆっくりと、ぐにゃぐにゃと形を変えて、

丸い形になったかと思えば四角く、四角くなったかと思えば三角に、

やがては生き物のように動き出し、


そしてーー


「やあ、」


それは最終的に真っ白な猫へと姿を変えていた。


一瞬で起きたその出来事に、

私は状況を飲み込めず、目をぱちくりさせてその猫を凝視する。


眩しすぎるくらいの真っ白な毛並みと、透き通るような青い目。

首には真っ赤なチョーカーに、銀の鈴が着いている。

その白猫は白い空間に飲み込まれることなくしっかりと確かに存在していた。


「やあ、って言ったの、聞こえなかったの?」


当たり前のように私に話しかける


「き、聞こえてますけど…」


猫が喋った!!

世にも不思議な存在にいきなり話しかけられ、びくつきながらも

私は消え入りそうな声で応えた。


本当のところ、この白い空間に1人で残されるのが嫌だったのだ。

とにかく、誰でもいいから一緒にいたかった。


「そう、良かった。やっと気づいてくれたのね。」


そんな私を面白そうに見つめながら白猫はつぶやく。


気づいてくれた…?


なんのことだろうと首を捻る


「あんまり説明してる時間が無いの、もうすぐあなたの夢も覚めるでしょうから。」


早口でまくしたてられるも、

ますます意味がわからない


夢?これは夢なの?


「とにかく、私の言うことをよく聞いてね、」


白猫の目が青く煌めいた


「これから、貴方は月宮栗美は

あなたのお姉さんを目覚めさせることになるわ」


えっ


突然自分の名前と姉の事を言い当てられ、私は目を見開いた


そう、私月宮栗美には3つ

年の離れた姉がいる。

そして、その姉はこの白猫が言う通り、3年前事故に巻き込まれ寝たきり状態なのだ。


でも、どうしてこの白猫がそんなことを知っているの…


「貴方のお姉さん、月宮あんり。

当然知ってるでしょう?自分の姉のことなんだから」


呆然とする私を他所に、白猫は淡々と言葉を続けた


「ずっと寝たきりのお姉さんのことよ。 お願い、目覚めさせて。

でないと大変なことになるわ」


た、大変なことって…


なに、と聞くまでに突然白猫から眩い光が溢れてきた


ま、眩しい…


咄嗟に手で目を覆うも、手のひらからこぼれ落ちそうなほどの光が溢れてくる


やがて、その光は何も見えなくなるくらい大きくなっていって…


必死に光を遮る中、意識が遠くなる中、微かに白猫の声が聞こえた


「大丈夫、あなたならきっと大丈夫、

私の… もきっと助けてくれるか…ら」


なに、なんて言ってるの?


待って!!あなた何者なの

なんでお姉ちゃんのことを知ってるの!!


聞きたいことは山ほどあるのにーー


何も聞けないまま、私は強大な光の中に埋もれて言ってーーーー





ジリりりりりりりりりりりりり!!!


突然耳をつんざくような音が聞こえ、

私は慌てて目を開いた


そして、そこにはーーー


まず最初に目に入ったのは、

年季の入った木製の天井と、電球と、小児院のおばさんの怒ったような、呆れたような表情。


あれ…


そう、ここは私の住む孤児院の部屋


やっぱりさっきのは、夢だったんだ


ぼーっと惚けていると、おばさんが

コホンっと大袈裟に咳払いをした


「あのね、月宮さん、今何時だと思ってるのよ」


えっと…


時計をちらっと見て、仰天する

7時半!! やばい、遅刻する…


慌ててベッドから飛び起きる私を横目に、おばさんはまた深くため息をつく。


「こんなにうるさく目覚ましが鳴っているから何事かと思えば、貴方まだ寝ていたのね。全く、もう中学生になるって言うのに何事ですか。」


始まった、おばさんのお説教。


私は聞こえないふりをして慌ただしく制服を手に取る


「本当に落ち着きのない子ね、

お姉さんがいないと何も出来ないのかしら。」


スカートを手に取り、ビクッと方を震わす


お姉さん… またか。


月宮あんりさんはとても優秀だったのに。なんでもそつなくこなせて、貴方みたいに私がわざわざお越しに行かなくてもちゃんと支度なさって学校に行っていましたよ。


やめて、それ以上何も言わないで


固まる私を見て、叔母さんはまたハーッとため息をつくと手をサッサっとふった。


「同じ姉妹なのになんでこうも違うのかしらね。」


知ってる、今までそうやって

どれだけ姉と比べられてきたか…。


制服の裾をぎゅっと握りしめる。


姉の月宮あんりはおばさんの言う通り、なんでもできる超優等生だった。

ルックスもよし、成績もよし、性格もよし、いわゆる 天才美少女。


それに比べて私は、冴えないし

これと言って得意なこともないし、

どんくさくて、地味で…


当然周りがそれを見て黙ってるわけがなくて。私はいつも姉と比べられてばかり、お姉さんはできるのに、なんでってね…


本当は、期待してたんだけどな

心のどこかで、中学生になったら、

何かが変わるのかもって


でも、私は……。


「ほら、ボーッとしてないで、

さっさと動く!」


顔の前で手を振られ、我に返る


そうだ、いけない。

だって今日は入学式。


まだ、中学は始まったばかりなんだから。


失敗は許されない。


パンパンッと頬を叩いて

新品の学生鞄を手に取りー


朝ごはん…食べてる時間なんてないよね


居間にあったビスケットを適当に2枚ばかり口に詰め込め、


「いっ、行ってきまふ…。」


いそいそと靴を履き、玄関をくぐり、


外で掃除をしている事務員さんに頭を下げ、急いで孤児院を後にした






〜つづく〜

☆*・゜・*:.。.*.。.:*・☆*・゜・*:.。.*.。.:*

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ