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葬る前の詩  作者: koumoto
17/17

まばたきするたびに

 まばたきするたびに世界は変わる

 詩が行間をまたいで飛躍するように

 フィルムが空白を孕みながら二十四コマを疾走するように


 まばたきするたびに世界は変わる

 さしはさまれた闇のあいだに

 地を這う被造物は粉々に崩れ

 水底の魚群は腐れ落ち

 空高く鳥たちは凍りつく

 仕掛けを使い果たした絡繰り舞台

 ちぎれた糸を

 一刹那で御手みてが結い直す

 まばたきのあいだに絶命した世界は

 つかの間の闇をくぐり抜けて生まれ変わる


 まばたきするたびに世界は変わる

 さし挿まれた闇のあいだに

 懊悩する被造物の記憶は薄れ

 こころはふためと見られなくなり

 魂の奥処は荒れ果てる

 花火をあげ尽くした吊り庭園

 しぼんだ草木を

 一刹那で御手が芽吹かせる

 まばたきのあいだに枯死した世界は

 つかの間の闇をくぐり抜けて生まれ変わる


 まばたきするたびに世界は変わる

 転瞬のあいだの

 その奇蹟

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