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葬る前の詩  作者: koumoto
10/17

あなたはきっとその時に

 日々は凹凸おうとつを失い

 季節の目鼻も明らかではなく

 いまが何月かもわからない


 その時あなたは

 賢い猿のように

 井戸端に輝くうてなを見出だせるか


 景色は頑なに凍りつき

 言葉は感情を響かせず

 魂の在処もわからない


 その時あなたは

 鈍感な麒麟のように

 咲き誇る死病を繰り越せるか


 意味を失った呼吸

 宛て先のない鼓動

 労働としての食事

 沈黙を薄めただけの会話

 夢から三行半みくだりはんを突きつけられた眠り


 その時あなたは

 古い書物のように

 鳶色とびいろの視線を世界へと向ける

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