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拝啓サンタクロース様  作者: イソジン
第一章・一年目
7/11

嘘の日

エイプリルフールの話です!

4月1日。今日はとっても暖かい日です。お布団が気持ちよくていつもより長く寝てしまいました。

「はぁー。よく寝た。今何時だろ」寝床には私しかいませんでした。

みんなもう起きているのでしょうか?だったらなんで起こしてくれなかったんでしょうか…嫌な予感がした私は寝床からでてみんながいつもいる部屋にいきました


「みんなおはよー。あれ、いない…」

誰もいません。今度は外に行くことにしました。

「トレントくーん、ミレルヴァちゃーん、トーマスくーん!」

大声で呼びますが返事がありません。

不安のなり涙が出てきました。

次に私は教会の本館にいきました。ここにはいつもシスターが仕事をしているはずです。


「シスター!みんながいないのーー!え…」

ドアを開けながらそう私は言いましたがそこにはシスターはいませんでした。

「だ、誰もいない…そうだ、私が起きるのが遅かったから…皆どっか行っちゃったんだ…」

私はまた捨てられたと思いました。足が震えて立てなくなり涙が止まらなくなりました。




「テーレサちゃん。テレサちゃんてば、起きて!」



目を開けるとそこにはミレルヴァちゃんがいました。私は思わずミレルヴァちゃんに抱きつきました。

「ちょっとテレサちゃんどうしたの?起きるの遅いから起こしに来たんだよ。」

周りを見るとまだ私は寝床にいました。

「あれ、さっき起きて…起きたら皆いなくて…」

「皆いるよ、それは夢だよテレサちゃん」

どうやら夢だったようです。


寝床からでるとご飯の並んだ席に皆座っていました。

「テレサ今日は起きるの遅かったな」

「目の下赤いけど、どうしたのテレサちゃん」

「早く席についてご飯だよ」

いつも通りの皆で安心しました。



「「「いただきます。」」」


ご飯を食べているとトーマスくんが急に変なことをいい始めました。

「この肉カエルの肉なんだぜ!」

「か、かえる?!」私は驚いてご飯を食べるのを止めてしまいました。

「そうだね。トーマス、これはカエルの肉だね。」トレントくんはトーマスくんの顔を見て笑った後そういいながら食べています。

「ちがうはこれはコウモリの肉よ?」

「こ、コウモリ???」

今度はミレルヴァちゃんです。食べた感じ豚だと思うのですが…

「違うよ。何てことを言うんだい。これは豚です」

シスターがそういいました。やっぱり豚ですよね

「あー、シスターなんで言っちゃうんだよ!テレサ騙せてたのに!」

「でもテレサの手が止まっちゃってたからね。食べてもらわなくちゃいけないから。いくらエイプリルフールでもダメだね。」

シスターがそういうと3人は残念そうにしています。


私にはなにがなんだかわかりません 。

「あのー、エイプリルフールって…?」

私は皆に聞いてみました。

「またまたー、それ嘘でしょーわかりやすすぎだよテレサー」いつも通り驚いてそんなこともわからないのかよってトーマスくんはいうと思ったんですが今日のは違うようです

「いや、トーマスもしかして本当にテレサちゃんはエイプリルフール知らないんじゃ…」トレントくんがじーっと私をみています

「本当に知らない…」

「嘘だろ…そんなこともわからないのかよ」いつものトーマスくんです。少しムカってしますが、ないとないで物足りないものですね。

シスターがエイプリルフールのことを教えてくれました。どうやら今日は嘘をついていい日だそうです。

「で。この地域にはエイプリルフールに嘘を言うとそれが起こらないとか嘘の逆が本当になるっていう話があってね。魔除けみたいなものでもあるの」

シスターは続けてそういいました。


じゃ、私も嘘を言ってみようかな


「皆のことなんか大嫌い!ずっと一緒にいたくない!」

「そうだね!私もずっと一緒にいたくない!」

「僕も!」「俺も!」

みんなが笑いながら後に続きます。これでずっと一緒にいれそうですね!

夢みたいにならないですみそうです。


シスターはそんな私たちをみて笑っていました。

「私も言おうかね…あなたにはもう二度と会いたくないわ。早く帰ってこないでね…」

「ん?シスターなにか言った??」シスターがなにかを言ったのですが聞こえませんでした。

「いいえ、なにもいってませんよ。いつまでもしゃべってないで早く食べなさい」

勘違いだったようです。


こうしてこわい夢から始まったエイプリルフールは楽しいものになりました。


あ、ひとつ嘘を言うのを忘れてました。



「サンタさんに会えませんように」




皆の嘘の逆が本当になればいいですね

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