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拝啓サンタクロース様  作者: イソジン
第一章・一年目
6/11

白のお返し

ホワイトデーの話です

3月14日。今日は季節外れの雪でした。雪が降るとあの夜を思い出します。あれから3ヶ月近くも経ってるなんて全然信じられませんね…


「こりゃ積もりそうだね。」シスターは外を見ながらコーヒーをのみ、そんなことを言っていました。


「ふふふん♪ふ~ん♪」鼻歌が廊下から聞こえ振り向くとホウキを持って床を掃きながら楽しそうにしているミレルヴァちゃんがいました。

「ミレルヴァちゃんどうしたの?掃除そんなに楽しいの??」

「違うよ!だって今日ホワイトデーじゃない!お返しが楽しみなのよ!」

さてホワイトデーとはなんなのでしょうか…


いつものように得意気にミレルヴァちゃんは説明してくれました。ざっくりいうとバレンタインのお返しの日だそうです。

「お返しをもらえるなんて知らなかったぁ。皆返してくれるものなの??」

「そうだよ!それが礼儀ってものよ!!」ミレルヴァちゃんは大きな声で言いました。その声に合わせてガタンと音がしました。


「痛ててて…大声出すんじゃねーよ。ホワイトデーくらい言われなくても用意してるわ!」どうやらトーマスくんが物陰に隠れていたようです。でもなんで隠れてたんでしょ?


「はい。ミレルヴァ、お返しだよ。ありがたく貰うんだな!」トーマスくんは赤い袋をミレルヴァちゃんに渡しました。


「熊のぬいぐるみ!トーマスのくせにセンスがいいじゃない。」袋のなかには熊のぬいぐるみが入っていました。それを見たミレルヴァちゃんはすごく嬉しそうです。それを見たトーマスくんも嬉しそうです。やっぱり好き?なんですかね。


「だろ?俺とトレントで選んだんだ!」なるほど二人で選んだんですね。

「あ…そうなんだ。」ミレルヴァちゃんは急に元気がなくなりました。大丈夫でしょうか?


「はい、テレサ。お返しだよ」今度はポケットから小さい袋を出しました。


「わ…、雪が降ってる…すごい」袋のなかには赤い服のおじいちゃんとトナカイが入っていてひっくり返すと中で雪が降ってるみたいに見えます。確かスノードーム?でしたっけ。


「ありがとうトーマスくん。でもこの人だれ??」

「だれってサンタクロースだろ。好きって言ってたじゃんか」

サンタさん?これが?私はビックリしました。誤解は解かないといけません。

「サンタさんはこんなおじいちゃんじゃないです!」

「じゃ、どんなだっていうんだよ?みたことあるの??」

「みたことあるにきま…」

みたことあるにきまってるでしょと言おうとしたときシスターが走って来て私の口を押さえました。


「声が大きいわテレサ、ちょっとお話があるからこっちにおいで。それとトーマス、さっさと外に行ってトレントの仕事手伝ってあげなさい。」

「はーい」

そういうとシスターは私を部屋までつれていきました。


「シスター、声大きくてごめんなさい…」とりあえず謝らなくてわ…

「声は良いわ。そうじゃなくてね。サンタさんにあったことを言ってはいけないんだよ。」

「な、なんでですか。」なんでダメなんでしょうか。

「皆が会いたくなってしまうだろ。彼にあったことは内緒にしなきゃいけないんだ。わかったねテレサ。」私は首を縦に振るとシスターは笑い、私の頭を撫でました。


部屋からでると玄関から声が聞こえました。

「お嬢ちゃーん。」この声どこかで聞いたことがあります。

「あ、お花屋さんのお兄さん!どうしたんですか??」

「これをお返しにって思ってね。チョコ2つももらっちゃったしな。」そういうとお兄さんは花束と服をくれました。お花はいい匂いがして服はとても可愛いです。でも2つもチョコあげましたっけ?多分いい間違えですね。

「ありがとうございます。でもこんなにもらっていいんですか??」チョコ1個に大袈裟な気がします。

「いいんだ。大事なお客さんだからね。これからもうちに買い物に来てくれよ。お嬢ちゃん」そういうとお兄さんはそそくさと帰っていきました。でもなんで私の住んでいる場所がわかったのでしょうか?


花束を持って部屋に帰るとシスターが驚いた顔でこちらをみます。

「その花束はどうしたんだい?」

「さっき町のお花屋さんのお兄さんがきてお返しだって、くれたんだ!」私はさっきあったことをシスターにそのまま言いました。

「なんだって??あいつ…やりすぎだよ。バレても知らないからね…」シスターは私の話を聞くと頭をかきました。何か小さい声で言っていましたがよく聞こえませんでした。


そのあと私はお花を花瓶に飾りました。



そういえばサンタさんはお返しくれないのかな…会えると思ったのにな…









近いうちにシスターとサンタさんの関係が…

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