サンタクロース
最近忙しくて投稿できませんでした。これからも頻度が落ちると思いますがやめないのでよろしくお願いします!
2度目のクリスマスが近づいてくる。町は白く染まっていた。
気づけばこの一年はあっという間だったと思う。
色んな初めてを体験した私は少しだけ大人になった気になっていた。
「みんな。サンタさんにお願いするものは決まったかい?」
シスターが赤い靴下を持ってやってくる。
「シスターそれは??」
「ああ、そうだね。テレサはクリスマスの夜に来たから知らないね。これに欲しいものを紙に書いていれておくんだよ。」
シスターは靴下を渡しながらそういった。
靴下を受けとるとみんなは紙に欲しいものを書き始めた。
私はほしいものが決まっていなかった。
「うーん…」
「テレサちゃんどうしたの?まだ決まってないの??」
ミレルヴァちゃんはもうすでに紙を入れた靴下を持っている。
「ミレルヴァちゃんはなんて書いたの?」
「…と…の靴」
もじもじしながらミレルヴァちゃんが話す。
「ん?」
「トーマスとお揃いの靴だって…」
つい笑顔になってしまう。本当に仲がいいんですね。本当に微笑ましいです。
さて私のプレゼントをどうしましょう…
決まらないまま夜になってしまった。
「うーん…どうしよう..」
時計は10時をさす。
「テレサ、もうそろそろ決めてくれないとサンタさん困っちゃうから…」
シスターがそういう。確かにギリギリで言われても困っちゃうなと思うのだった。
「…それでいいのかい?」
「うん。」
私はサンタさんにお願いすることを決め紙に書き靴下に入れた。
12時になる。鈴の音が聞こえ、それが近づいてくるのがわかる。サンタさんにもう一度会いたい。そう思って起きていたのに急に眠気に襲われた。
「もう皆寝たね。あ、シスターお出迎えか。ありがとう」
サンタクロースが教会の前までやって来ると扉が開く。
「その鈴便利だね。子供だけ寝かせるなんて、私にもひとつ欲しいぐらいだよ。これあの子達の欲しいものだよ。」
「子供のためのサンタさんだからね。シスターにそういわれても物はあげられないよ。えーと、靴が2つと図鑑と…これは?」
サンタクロースはテレサが書いた紙を見ると言葉を詰まらせる。
「私もそれでいいのかって言ったんだけどね…。どうだい?できそうかい?」
「できなくはないかな…。とりあえず他の3人のプレゼントはこれな。」
「悪いね…。じゃ、またねサンタ。」
そういうとサンタクロースは夜の空に飛んでいった。
「わぁ!プレゼント届いてる!!」
「本当だ!欲しかった靴だ!え?なんでミレルヴァも同じやつなんだ??」
「い、色が違うでしょ!!偶然よ!」
どう見ても偶然じゃないけどそう言い切るミレルヴァちゃんは必死です。
「これはいい図鑑だ。あれ?テレサちゃんのプレゼントは?」
図鑑を抱えて微笑むトレントくんが私に質問してきます
「私は物じゃないから!」
私にプレゼントはありません。でもなにも頼んでない訳じゃないですよ?きっとサンタさんなら叶えてくれます。本当はサンタさんに会いたかったですけど…
「こ、これは…誰が…」
「あなた…これ」
ボロボロの家に住んでいる夫婦が起きると部屋にたくさんの美味しそうなご飯と温かそうな毛布がありました。
そして1枚の手紙が添えてありました。
お父さん、お母さんへ
お久しぶりです。
元気ですか?私は元気です。
今、私はあのおじさんの家には暮らしていません。
でも楽しい友達と一緒に仲良く過ごしています。
話したいこといっぱいあるけど今はこれだけで。
テレサ
二人は手紙を何度も読み、ありがとう。ごめんなさい。と泣きながら言うのでした。
「テレサは優しすぎるな…」
日が昇り始めた空を飛びながらサンタクロースは家に帰るのでした。
これで一章も完結です。二章もお楽しみに❗