出会い
ちょっとくさい恋愛小説書いてみます!
拝啓サンタクロース様。
あなたに初めて出会ったのは、6年前の雪の降るクリスマスイブの夜でした。あの夜、親の借金のせいで売られ、見知らぬ男の人に買われました。
でも親のことは恨んではいませんでした。家にお金がないことも知っていましたし、少し我慢すれば美味しいご飯がもらえると思ったからです。
そんな時にあなたは現れました。。。
6年前のクリスマスイブ
「テレサ、おじさんの言うことを聞いてお利口にしてれば美味しいものが食べられるのよ。あなたの為なの。私たちを恨まないでちょうだいね」
お母さんは冷たく私に言いました。お母さんが嘘を言っているのは12歳の私にもすぐわかりました。なぜって?後ろに組まれたお母さんの手には家では見たことのないお金が何枚も握られていたからです。
「テレサちゃん。おじさんがこれからパパだからねぇ。」
小太りで私のお父さんより年を取ったおじさんは私の手を握りながら笑っていました。背中がゾクゾクとしてとても気持ちが悪く思えました。私は心のなかで幸せをお願いしました。
おじさんの家に向かっているとき、どこからか鈴の音が聞こえます。私は辺りを見渡しましたが誰もいませんでした。
「テレサちゃん。どうしたの?」おじさんが聞きます。どうもおじさんには聞こえないようです。
「何でもないです。」そう答えました。
おじさんの家が見える所まで来ました。そこには大きな家がありました。確かにお金はあるのでしょう。
「テレサちゃん。あそこがこれから君が住む家だよ。」
おじさんは私の顔を覗きこむとそう言いました。
家の前まで行くとそこには真っ赤な服を着て立っている人がいました。おじさんの知り合いなのでしょうか。じっとこちらを見ています。
するとその人はおもむろに口を開き話始めました。
「君がテレサかな?お願い事したら家で寝ていないと行けないじゃないか。」
おじさんは慌てた様子でその人に詰め寄ります。
「サ、サンタクロースの格好なんてしてどういうつもりだ!ここは僕の家だぞ!テレサちゃんは僕の子供だ!わかったらさっさとそこをどけ!」
サンタクロース?初めて聞いた名前です。
するとそのサンタクロースの格好をした人は首を傾げました。
「サンタクロースの格好するだろ。だって俺サンタクロースだよ?良い子にしてた子供に願われたものをあげるのが俺の仕事だ。テレサは幸せをお願いしたんだ。俺はそれを叶えなきゃいけない。あなたがどんなつもりか知らないが、あなたの所ではテレサは幸せになることはできない。」
サンタクロースはそういうと私をソリにのせました。赤い鼻をしたトナカイがソリを引き、ソリが浮かび上がります。小さくなっていくおじさんが何かを言っていますが聞こえません。
「テレサ、俺はサンタクロース。君を幸せにするためにやって来た。今から行くところのシスターや子供達はいい人ばっかりだ。安心して生活しなさい。」
私は状況が飲み込めずただただ頷いていました。
今思えばこのときです。12歳の幼い心ながらあなたに恋をしたのは。。。
短いですが少しずつ投稿します