第六章「東京」
マサキは綺麗にライトアップされている首都高にのって神奈川から出た。
東京は都会だから峠はない、と思われそうだが西の方に行くと閑散とした村のような町がある。
「この辺りなら。」
すぐに峠を見に行こうと思ったがまだ早いので仮眠することにする。
マサキは伸びをして、眠りについた。夜にそなえて。
携帯のアラーム音が車内に鳴り響く。
「あの山を見てみるか。」
怪獣という名の車を走らせて、峠へ向かった。
道は都内とは思えないほどに広く車線の中でも少しなら横に向けられそうだ。それにあの小さなホットハッチなら。
そんな中、ピカピカのスポーツカーと走り屋がむらがっているのを見つけた。
マサキは例の白虎について聞いてみることにした。
「こんばんは。神奈川から来たんですがこの辺に白いスイフトスポーツはいませんか?」
「スイフトスポーツなんていくらでもいんだろ」
「それが、Fドリをするんです。」
「え?そんなの見たことねぇよ。ここらは180sxやチェイサーばっかだからな。そうだよなお前ら?」
まわりの若者たちもうなずく。
「じゃぁほかを当たってみます」
そう言って別れを告げた。
「あ、ちょっと待ってよ。せっかくだしレースしよ。」
「ごめん。もし事故って壊したとしても直す余裕もないしレースはやめとくよ。」
なんだか申し訳ないが壊してしまったらRに申し訳ない。そう言って怪獣の心臓を起動させた。
すると1人が聞いた
「ていうかあんたどこに行くの?」
この質問は少し意外だった。
「とりあえず次は埼玉にでも。」
「なんか楽しそうだな。ついてってもいい?」
こいつ本気で言ってんのか?
「いいけど……平気なの?仕事とか学校とか……」
「そんなの行かなくていいよ。実は俺、セレブなんだ。」
えっ!?