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トウゲR  作者: 人間
3/7

第三章「暑くて寒い峠」


マサキは悟った。こいつは俺と勝負したがってる。傷をつけたくないマサキはこう言った。


「勝負はしねぇぞ」


塊のドライバーは嘲た


「逃げんのか?二十年くらい前の車じゃ俺には到底かなわねぇもんなァ!」


マサキは悔しかった。でも、ここで傷をつけたり、壊したりしてしまったら終わりだ。こらえるしかない。


また話しかけてきた。


「 羊の皮をかぶった狼なんて嘘だ。身も心も羊なんだな 」


マサキはその言葉に強い怒りを覚えた。


「年式なんて関係ない。新しいものにばかりくっつくお前には分からねぇだろうがァ」


「なんやとォ」


「仕方ない。バトルしてやる。ただしこのコーナーの先の直線でゼロヨンだ。」


塊のドライバーは笑っていう。


「峠なのにコーナーも使わねぇのか?」


「嫌ならいい。新しいなら勝てるんだろ?言葉に責任もてよ」


「チッ!仕方ねぇ」


2人はマシンをストレートに動かした。マサキは言った。


「俺が3回クラクションを鳴らしたらスタートな」


静寂が訪れる。


プー


静寂が破れ咆哮がこだまする。


プー


緊張感が漂い視界はいくらか悪くなったような気がする。


プー


ギュァァァァァアアアアアアアアアアア


秘められたパワーが開放された。


レッドゾーンまでひっぱり素早くシフトアップ。その繰り返しだ。単調だが楽ではない。


勝負はあっという間に終わった。


マサキの圧勝だ。


シビック乗りが言った

「お前速いなァ」


「4WDのRには負けるって分かってたんだろ?なんでこの勝負受けたんだ?」


負けた走り屋は言う。

「FFのシビック乗りの俺にはゼロヨンといわれて負けはわかった。でも逃げるのはダメだ。走り屋としても、人間としても。」


月に照らされた静かな峠にまた一つドラマが生まれた。


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