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第一話:真夜中3時

今回から本編に入ります。

合格発表の日の夜。いや、次の日と言った方が正しいだろう。外は暗いが目が覚めてしまった。時計は午前3時ちょうどを指していた。


何か違和感を感じた。俺は自分の部屋で寝ている。だから、ここはもちろん俺の部屋だ。それなのに、何かが違う。

ベットから出て違和感に気付き、ふと机の上を見る。机の上はきれいに整頓されていた。いや、それがおかしい。俺の机の上は教科書やプリントが雑に積まれている。片付けなど諦めたはずだった。たまに見かねた母さんが学校に行ってる間に勝手に片付けてる事があるが、少なくとも昨日の夜は"いつも"のままだったはずだ。

何かに焦りはじめる俺は、一冊の本に気づいた。最近ドラマ化されたミステリーだったが、俺はやっと理解した。俺は文庫本なんて絶対に読まない。つまりここは俺の部屋ではない。俺の部屋に似たどこかだ。


落ち着かないまま部屋を出た。理由は分からない。それでも、何かに呼ばれたかのように部屋を出た。家自体はうちと同じだ。それなのになぜ。訳の分からない状況を整理しながら一階へ降りる。そこはうちのリビングだった。いや、決定的に違う一ヶ所を除きうちのリビングだった。



そこには、水を飲んでいる"俺"がいた。




二人の"俺”は互いに向きあったまま動けないでいた。もう一人の"俺"もコップを持ったままこちらを見て驚いている。


「だ、誰だっ!お、お前はっ…!」


俺はやっと出た声で当然の質問をした。


「ぼ、僕は、"相崎翔"だ‼」


俺と同じ顔のやつもやっと声が出せたように俺と同じ声で答える。


「君こそ、一体、誰なんだ…」


俺と同じ名前を名乗ったに男に逆に質問される。


「お、俺が"相崎翔”だっ!」


俺と同じ名前で同じ顔で同じ声で…いや待てよ…?


「ここはどこなんだ!あの部屋はお前の部屋なのか?」


その質問をした時、もう一人の”俺"の表情が変わった。しかし、状況は悪いらしい。


「僕も分からない!でも、あの部屋は僕の部屋でもない!机の横の本棚の中にあった漫画は僕のではなかった…!逆に君の部屋ではないのか…?」


状況を把握するため冷静になろうとした。その時なぜかこの状況で妙に何かがひっかかる。


「俺の部屋でもない。 机の上に小説が置いてあったが、俺は小説は読まないからな。」

「じゃあ、いったい…」


あちらも冷静になりはじめたらしい。その時、妙な違和感にやっと気づく。


「お前、"僕"なのか…?」

「君こそ、”俺”…?」


妙な違和感にお互い気付き、緊張感が少しだけ解けた気がする。それでもこの状況を把握できない。

その時だった。



「おーーい。いるんでしょ。ちょっと鍵開けてくれなーい?」


玄関の扉を叩く音と共に、この状況に似合わない声が聞こえてきた。


今回も読んで頂きありがとうございます!

次話も投稿予定なのでよければ読んで下さい!


ちなみにですが、序章に登場した2人はちゃんと登場しますが、まだ先になりそうです…

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