第46回妖怪会議
「では、第46回妖怪会議を始めたいと思います。本日の議事録担当は、あかなめくん。司会進行は私、かんぎ小僧が行わさせて頂きます。では、本日の議題はこちらの投書からです。え~。○×市在住。58才。男性。匿名希望さんから頂きました。」
゛前略
始めまして。
昨今の妖怪ブーム楽しく拝見させて頂いております。
しかし、私は思うのです。
近頃の妖怪の皆さんは、媚びていると。
大変失礼ながら、妖怪としての質が低下しているのではないですか?。
媚びることでそれを補おうとするのであれば、情けない限りの低落です。
私は皆さんに、もっと毅然とした妖怪らしさを発揮しいただきたいのです。
ぜひ清く、正しく、おどろおどろしい妖怪道を全うして頂きたいと思います。
では、皆様お体にはくれぐれもお気をつけ下さいませ。
桜の季節にて かしこ゛
「という、お手紙を頂きました。皆さん如何ですか?」
「えー!なんだよそれ。」
「ワシラこびておるかのぅ?」
「媚びるのは魚もらう時ぐれーだぜ。」
「ワシは平等に小豆を洗っておるぞ」
「皆さーん!静粛にー!発言は挙手して、指名された後にお願いします。」
「ちっ。かんぎのヤローがえらそーに。」
「牛鬼さん!何ですか!」
「止めなよ。別に魚とりあってるわけじゃないんだからぁ~。」
「ハイっ!」
「・・・天邪鬼さんどうぞ。」
「ボクは、媚びることは、悪くないと思うんだよね。ホラ、相手を気持ち良くさせて、好きになってもらうのって・・・大切な事じゃない。ボクたちにスポットが当たれば。フフフ。もっとモテると思うんだよね。ほら、ボクって博愛主義者だからぁ~」
「はい!もう結構です。(あかなめくん略していいからね)ゴホン。では、他に意見のある方は・・・。はい、かまいたちさん。」
「仮に程度が下がっていたとして、実際に何か対策はあるんですか?」
「この投書を深刻に受け止めた上で、妖怪査問会にかけました。結果、妖怪選抜試験を行って意識向上に努めよ、というご指示を頂きました。」
「何だとーっ。」
「ふざけるなーっ」
「試験も何にも無いんじゃなかったのかよーっ!」
「だいたい何処から投書が来たんだす!ヤラセじゃ無いのか?ごわす。」
「油すましのジージは、熊本だっけ?コンビニに妖怪ポスト置いてない?今はカウンターに置くものが多くて、隅っこに追いやられてるけどね。」
「皆さん!静粛に!
神聖なる妖怪会議です。お静かにお願いします。」
「オレは試験なんかうけねーからな。」
「ボクも主義に反するよ。」
「フ・・・。あかなめくん。皆さんの発言はきちんと議事録に記載下さいね。ぬらりひょんさん、朧車さん、火車さん、からす天狗さんにもお渡ししないといけないので。」
「イヤ~ン。からす天狗様には、私がお渡ししに行きたいわぁ~。」
「査問会のメンバーが了解済みなのか・・・」
「勿論です。こ・れ・は、査問会で決定した事案だとお伝えしたはずです。その上で、ご不満のある方は挙手をお願いします。」
「「・・・」」
「いないのですか?牛鬼さん、天邪鬼さん大丈夫ですか?」
「イヤ、別に決まった話なら・・・」
「ボクだって、そんなに頭が固い男じゃないからね。」
「では、妖怪選抜テストが開催されます。日時、場所については追って連絡差し上げます。尚、成績優秀者の方は、査問会の方からお言葉を頂けるかもしれませんよ。皆さん、日々鍛練して、妖怪パワーを見せつけて下さいね。本日の会議はこれで閉会になります。この後の親睦会に参加される方は、タヌキ通りの赤提灯、おたふくに集合して下さい。では、解散!」
「ふーっ。おたふく行くー?」
「行くべ。彼処のおでんは旨いからの~。」
「シミシミの大根がウマウマ。」
「蛸足も柔らかくてウマイ。」
「大かむろも引きこもってばかりじゃねーか。付き合えよ。」
「久しぶりに会っても顔はデカイね~」
「ワレも参加しようかの」
「蛇骨ばぁさん食べなさそー。」
「私は試験で高得点とって、からす天狗様にぎゅーってしてもらうの。」
「猫股の嬢ちゃん、頑張れよ。」
「景気付けに皆で飲んで、妖怪試験突破するぞー!」
「「「「「オーッ!」」」」」




