表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/23

第8話

今は階段を上がったところ。突入のメールをした後すぐに貸金屋店舗内から声が聞こえた。

「あとは一人で出来るから、おまえあっち手伝って楽しんでこい」

「えっ、いいんですか?じゃあ行ってきます」

ここに居ては見つかってしまうのでとりあえず階段を数段降りて様子を伺う。すると扉が開いて1人の男が奥の空き店舗へ向かう。中に入ったのを確認して状況を整理しなおす。

(空き店舗には恐らく5〜6人、工務店は今は不明、貸金屋には1人。貸金屋から片付けた方がいいな。)

また報告する。「変更。貸金屋に男1人。先に片付ける」と。



まず客の振りして様子を伺うことにする。何かあれば斬ればいいだろう。

「すいません」

「あ、はい。すいません。もう営業終了してまして…」

「そうなんですか……」

と言いながら部屋の様子を観察する。広さは大体コンビニぐらいか。事務所として普通の大きさだろう。扉を入って直ぐにカウンターがあり事務所内に客が入らないように仕切られている形になっている。高さは1m弱ってところか。その向こうはデスクが沢山ある。ヤクザが経営しているにしてはしっかりしている印象だ。1人いる男も40代のがっしりした体格だが威圧する感じの無い普通の男に感じた。その男がこちらに歩いて来た。

「何かお困りですか?」

「え〜っ…と、その……」

と言いにくそうにしていると

「お金…ですか?」

と聞いてきた。俺は黙って頷く。すると

「わかりました。こちらへどうぞ」

と奥の仕切られている部屋に案内される。恐らくお客さんと個人的な話をする時に使う部屋だろう。これでカウンターを越えることは出来た。後はこの男を片付けるだけだ。

「さて…と、失礼ですが、お歳は?」

「13歳です」

「法律で未成年にはお金を貸せないことになっているんです。ご両親はこのことご存知ですか?」

「いいえ」

「そうですか。言えない理由が?」

「はい…」

「わかりました。条件が厳しくなってもいいですか?」

「はい…」

「法律違反なので秘密に出来ますか?」

「はい…」

「では書類を取って来るので少々お待ちください」

と立ち上がって後ろを向いたところで俺が動く。背中のナップサックから日本刀を鞘ごと抜き後頭部を殴る。男は膝から崩れ落ち意識を失う。動かないように両手両足を縛り猿轡をする。トイレの個室に引き擦って行きそこで頸動脈を切ってやる。吹き出ない程度に加減すると体を伝って便器内に血が滴るようになり発見が遅れしかも静かに死んでいく。面倒臭いが、誰にも気付かれないように殺していく必要があるので仕方がない。トイレから出ようとノブに手をかけたとき、貸金屋店舗の扉が勢いよく開く音がした。そしてこちらに走ってくる。空き店舗にいた男がトイレに来たようだ。俺は入口ドアの裏側に隠れ日本刀を鞘ごと構える。するとドアが勢いよく開きこちらを見る事なく小便器へと男は向かった。便器の前へ辿り着く前に後頭部を殴る。20歳ぐらいだろうか、ガタイのいい兄ちゃんは殴るだけでは倒れることも意識を失うこともなかった。

「っつ…、てめぇ、何者だ?」

倒れると思っていたので焦ったが、日本刀を抜き一瞬で首を切り落とす。血が吹き上がり天井も床も血だらけになってしまった。これで、急ぐ必要が生じた。この男がここのトイレを使ったことから空き店舗内にいる男達もここを使うだろう。そうなれば敵がいることがバレてしまう。急いで空き店舗に向かうことにした。

貸金屋を出て奥に向かう。空き店舗からは相変わらず怒声と殴る蹴る音が聞こえる。中がどうなってるかわからないので少し開けて覗いてみる。バレたらすぐ斬れるように日本刀は抜いておく。扉を少し開けると、入口から中が見えないようにカーテンで仕切られていた。見つからないように中に入る。そしてカーテンの隙間から中を覗く。中は貸金屋と同じくらいの広さだが、置いてある物が少ないので広く感じる。壁はコンクリート打ちっぱなしで冷たい印象。窓は遮光カーテンらしき黒いカーテンが掛けられていた。そして真ん中辺りで男が1人蹲りぐったりしている。その周りに6人の男。さらにその奥にベッドがあり撮影機材がありベッドの上でレイプが行われている様子を撮影していた。

「奥さん、旦那死んじゃったみたいよ〜。これからは俺達と楽しもうね〜」

ぐったりしている男の妻が、旦那の借金故こんなことに巻き込まれているらしい。ベッドまで距離はあったが、一瞬で移動しレイプしている男の首を撥ね、ビデオを回してる男を胴体から真っ二つに切る。ついでにレイプを見物していた5人の男を次々と真っ二つにしていく。7人を14のパーツに分け終わった時、中央辺りにいた6人が気付いたが、一瞬で移動し12のパーツに分けてやった。借金男の様子を見ると、顔中腫れ血だらけになっている。一応生きてはいるが虫の息だ。そして女の様子を見に行く。レイプのショックもあるだろうが目は虚ろで放心状態。首を斬られた男の血を全身に浴びているので仕方がないが。声を掛けても反応は無いので後は鹿児組に任せる。

ここで現状を報告する。「貸金屋店舗トイレで2人始末。その後奥の空き店舗にて13人始末。男は虫の息。至急病院へ。男の妻らしき女がレイプされていたので保護。放心状態なので置いていく」

すぐ返信があった。「了解。今ビルの下。合流するか?」「今すぐ行く」返信をした後、日本刀の血と脂を拭って鞘に仕舞い背中のナップサックに入れる。そして外に向かう。とその時、

「助けて………」

と女の声がした。大きな声を出されては困るのですぐに傍に行く。

「大丈夫ですか?助けます。見つかるので声は静かに」

と人差し指を口元に持って行き、しーっ、というジェスチャーをする。女は頷く。強い女性だ。俺は鹿児組の溝口さんに電話をする。

「女性の意識がはっきりしました。2人よこしてください。工務店に気をつけて」

「わかった」


2分ほどして溝口さんと安生組若頭が来た。若頭が女性を介抱して、俺と溝口さんで工務店を制圧しに行くことになった。

工務店の扉に耳を当てるが物音一つしない。とりあえずノックをすることに。「トントン」ノックをしても反応はない。ノブを回し中に入ると、誰も居なかった。隠れている人がいないか探すと、奥の部屋に女性が2人怯えてこっちを見ていた。

「殺さないで…」

と目に涙を溜めながら呟く。俺は日本刀を鞘に収め女性に笑顔を向け質問する。

「この店には貴女達2人だけですか?」

「は、はい…」

「怯えなくていいですよ。僕たち5階に用事があるんです。3階と4階と5階について教えて貰えませんか?」

「3階は人材派遣会社の事務所だけです」

「どの部屋ですか?」

「手前の右側です」

「その他2つの部屋は使っていない?」

「いえ、たまに使ってるようですが何に使ってるかは……」

「4階は?」

「4階は全て空き店舗です。ただ…」

「ただ?」

「ただ、ポルノ撮影に使ったり拷問に使ったりしてるみたいです」

「あぁ〜、言いにくいこと言わせてすいません。あと今このビル内には何人ぐらいいる?」

「さぁ?3階はまだ仕事してるはずなので人はいると思います。5階は常に20人はいますよ」

「ありがとうございます。もう帰った方がいいですよ。あとこの事は内密に」

と言って2人を帰す。情報収集も出来たので空き店舗へ戻って男とその妻を外に連れ出す準備をする。男を溝口さん、女を若頭が背負い静かに1階に下り外の車に乗せる。車が出発し残されたのは俺と溝口さんと若頭と鹿児組4人。これからのことを相談して、俺以外は2階で待機し1階から上がってくる人間を仕留め、俺は1人で3階を制圧することに決まった。


2階で皆と別れ3階へ向かう。造りは2階と同じである。左側と奥が空き店舗、右側が人材派遣会社。

人材派遣会社の扉の前に立ち耳を当て中を探る。声も音もしない。すると、左側の空き店舗の扉が開き男が2人出て来た。最初に出て来たのは40代のいかにもヤクザって感じの男。続いて出て来たのは20歳そこそこの金髪で頭の悪そうな男だった。

「誰だ、お前?」

と40代の男が聞いてくる。

「あ。えと…」

再び貸金屋での出来事みたいに演技をしなければいけなくなる。

「お前、血の匂いがするな。何者!?」

といきなり拳銃を向けられる。若い方はあたふたしているだけで何も出来ないでいた。拳銃なんて怖くないが、撃たれてはバレてしまうので拳銃を何とかする。相手の懐に飛び込み両手で銃を上に捻る。すると右手から銃が外れ俺の手の中に。叫ばれては意味が無いので、まず若い方を拳銃で殴り気絶させる。そして40男の頭を両手で持ち思いっきり捻る。頚椎が折れ男は死んだ。だが、一連の音が聞こえたのか人材派遣会社から人が出て来た。次から次へと問題が起きる。暗殺って難しいと心の中で愚痴る自分がいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ