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第3話

「鹿児組」で初めて人を殺した日以降度々訪れ殺人を楽しんだ。日本刀で殺すこともあれば拳銃で殺すこともあった。いつも「鹿児組」で殺しを楽しんでいたが、次第に心が麻痺しもっと違う形で殺しを楽しみたいと思うようになっていった。


そんなことを考え出した俺も中学生になり、勉強に部活に恋愛に忙しい毎日を送っていた。しかしそれと同時に殺しから遠ざかっていることに苛立ちも感じていた。

そんなある日、サッカー部の練習が終わり帰っていると、

「キャーーッ」

悲鳴が聞こえた。ただ事ではない雰囲気に急いで駆け付ける。すると暴走族風の若い男子4人が1人の女性に乱暴しようとしていた。2人は女性の両側に、もう2人は少し離れたところでバイクに跨がっていた。女性の両側にいる男達は

「お姉ちゃん、俺達とあそぼ♪」

「…嫌です…」

「またまたぁ。嫌がることしないって♪俺達優しいので有名なんだよ♪♪」

「そうそう。紳士だからね♪」

「…いや…帰して…助けて…」

とうとう女性はへたりこみ泣き出してしまった。


俺は状況を瞬時に理解し走り出した。部活で散々走らされた後なのに足の運びは軽く音も少なく猛スピードで4人に近づいていた。気付いていない男達の、まず1番近くにいた女性の右側の男に飛び蹴りを浴びせる。前のめりになり顔から着地する。続いて左側の男にその勢いのまま右ハイキックを顎に入れる。昏倒し倒れる。その時には少し離れたところにいた2人も気付き

「何だてめぇ!!」

とありがちな台詞を叫びながら2人平行して走ってくる。俺は女性を庇う位置に立ち、まず向かって右側の男の左キックを右にかわし軸足(右足)を払う。男は倒れ尻餅をつく格好になる。続いてもう一人を…と思ったが、そいつは間合いを取りナイフを取り出していた。しばらくすると他の2人も立ち上がり手にナイフを持っていた。顎に蹴りをもらった男は意識が朦朧としているようでまだ立ち上がってはいなかった。その時俺は思った。チャンス!だと。正当防衛の名の元で殺しを楽しめるのだ。武器は何も無かったが奪えばいい。思考が殺しモードに入ると自然と体が動いていた。まず最初に飛び蹴りを食らわした奴に向かった。一瞬で間合いを詰め右ボティを入れると相手はひざまづき鳴咽する。そいつからナイフを奪い首を横から刺してやる。夥しい血が流れ出し血の池を作る。口からはゴポゴポと血が流れ出て来る。始めは苦しみ悶えていた男も次第に目の焦点が合わなくなり動かなくなっていく。それを見た2人は腰を抜かしその場にへたり込んでしまった。狩る側と狩られる側がはっきりした瞬間だった。逃亡しないように軽く拘束し、「鹿児組」組長からもらった携帯で溝口さんに連絡をした。状況を説明し死体の片付けと生きてる3人を「鹿児組」に移送してもらうことをお願いした。電話を切った後、2分ほどでワンボックスカー2台が到着し、片付けと移送を手早く行ってくれたので余計な目撃者を作らずに済んだ。あとは女性である。


女性は、今は泣いてはいないがへたりこみ泣いている状態から変わっていなかった。ただ状況が飲み込めず呆然としていた。俺が近づくと驚き

「誰にも言わないから殺さないで」

と懇願してきた。俺が殺す気が無いことを説明し笑顔で手を差し延べると恐る恐る手を取り立ち上がった。この時初めてはっきり顔を見たが、俺と同じ中学生ぐらいで髪は長く艶のある黒髪で目鼻立ちのはっきりした美人さんだった。それがわかると急に緊張してきたが、バレないように努力した。不信感満載ではあったがとりあえず家まで無事送って行き別れを告げた。

女性、いや女の子を家に送った後俺は「鹿児組」の屋敷へと向かった。待ちに待った残り3人の処刑を行わなければならないのだ。守ってもらわなければ生きていけない赤ん坊の時に捨てられたからか、何故か女子供に暴力を振るう輩は許せないようになっていた。その怒りをあの3人に知らしめなければならない。屋敷までもう少し。逸る気持ちを押さえつつ全力で走って行く。

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