第2話
みなさんはじめまして。モノローグと1話では前書きを書く余裕が無かったので3話目にして初めて書きます。まず、慣れない執筆に苦労し、初めての投稿で使い方に苦労しました。作者のみなさん凄いですね。自分には向いていないのかも…と改めて思いましたf^_^;とりあえず、みなさんの暇潰しにでもなればいいと思ってます。よろしくお願いします。
おじさんの家は広かった。門には「鹿児組」と書かれた札があり玄関に行くまで広い庭を歩いた。ふと庭にある離れ家から声が聞こえてきた。
「おまえこれで何度目だと思ってんだ!」
「すいません!もう1度させて下さい!!」
「バカか!組長はもうおまえなんか処分しろって言ってんだ!チャンスなんか無ぇよ!」
何故か興味を惹かれて、おじさんの傍を離れ小走りで離れ家に行った。窓越しではあるがそこで見たのは、5人から暴行を受ける1人の男だった。既に顔中痣と血だらけ。それを見た瞬間俺は頭が真っ白になったが、後から来たおじさんに
「浩志くん、…内緒だからね。さて、おじさんは彼に話があってこの中に入るけど、浩志くんは家に先に行っててくれるかな?」
と言われた。真っ白になった頭が一気に醒めた俺はこう答えていた。
「俺も行く」
と。
おじさんは驚いたが、普段は使わない“俺”と言ったのでしばし考え手を取り中へ入って行った。
「おつかれさまです!」
中にいた5人の男達は頭を下げ声を張り上げた。顔を上げて俺の姿を見るなり1番偉いであろう人が
「どうしたんですか?こんなとこに子供を連れてくるなんて組長らしくないですね。」
「こいつなかなかやるかもしれんぞ。そこにいるヘタレよりかは全然な」
「組長が目をかける子供って恐ろしいですよ」
と笑う。
俺はそんな会話も耳に入らず血だらけで蹲っている男を見つめる。何だか身体が熱くなりじっとしていられなくなってくる。次第に手と足に力が入ってきて男に飛び掛かろうとする衝動と闘うようになっていた。その時おじさんから言われた。
「浩志くん、彼はね、一昨日200万円が入った売り上げ金を盗まれてね。おじさん困ってるんだよ。以前も50万円程盗まれたんだよ。どうしたらいい?」
俺はこう言った。
「殺しちゃえばいいんだよ。ついでに犯人も」
その場にいる大人6人は一瞬驚き次第に笑いながら
「組長の言う通り、やるかもしれませんね」
と言い出した。蹲る男は明らかにうろたえていた。男は
「すいませんでした!もうしません!!命だけは…」
と何度も頭を下げ何度も言っていた。
俺はその時思った疑問を口に出した。
「もうしない、ということはどういうこと?盗んだこと?」
その場にいる全員が驚いていた。
「てめぇ、どういうことだ!?」
「お前もグルなんだな?可能性は考えていたがやはりそうか」
「あ…いや……違うんです…これは…その……」
おじさんは
「仲間を吐かせろ」
と言うと俺に向かって
「浩志くん、ありがとう。よく言ってくれたね。何かご褒美あげよう。何でも好きな物言ってごらん」
と言ってきた。向こうではリンチしながら仲間を吐かせている5人がいる。俺は言った。
「あの男を殺したい」
「…ほ、ホントかい?やめた方がいいよ」
「あの男はおじさんのお金を盗むような奴なんでしょ?死んだらいいんだよ。俺の手で殺してやる」
興奮状態でそう言った俺を見ながらおじさんはすごく考えていたが、やれやれという風に壁にかけてある日本刀を手に取り鞘から抜き俺に渡してきた。
「ちょっと待ってな」
おじさんはそう言うと、リンチと尋問を繰り返している男達に近付いて行った。何やら話をしていたがやがて終えてこちらに歩いて来た。
「浩志、覚悟はいいか?おまえは今から人殺しをするんだぞ?やめるなら今だぞ?」
「聞くまでもない」
と俺は答える。刀を握る手に力が入って、男から離れていたが刀を振り上げていた。それを見ておじさんは
「しょうがない。充穂には内緒にし……」
全部言い切る前に俺は動いた。男まで5メートルはあったが一気に間合いを詰め刀を振り下ろした。男の左肩辺りから右脇腹辺りまで刀が一閃。男は一瞬の出来事で驚き目を見開いていたが、やがて自分の体が切られたことに気付く。その時には体が2分していた。おじさんを含む組関係者6人は呆気にとられ呆然と立ち尽くしていた。返り血を浴び日本刀をもつ小学生。非現実的な光景に大人達は言葉を失った。やがて正気を取り戻した者は死体の片付けを始めた。俺はおじさんに連れられ家のお風呂で返り血を洗い流した。興奮も冷めて頭が冷静になってきても後悔も罪悪感も無かった。あったのは、達成感とまたしたいという欲求だけだった。日本刀で人をバッサリ切るのには訓練がいるが自分は出来た、5メートルもの距離を一気に詰めることが出来た、それに躊躇なく殺せたことに満足しお風呂を出た。お風呂を出ると、おじさんと先の部屋にいた偉いであろう男が話をしていた。
「思ってた以上だな」
「えぇ、あんなの見たことないですよ」
「子供がバッサリ切りすてるかね」
「組長が目を付ける人間は毎度凄いですが、今回別格じゃないですか」
「あれは使える。頼んだぞ」
「わかりました」
おじさん達は会話を終えると俺に近付いて来た。
「浩志くん、さっきは驚いたよ。おじさん達は仲間だからいつでもうちにおいで。彼は溝口といってここで2番目に偉いから彼に何でも言いなさい」
と言いどこかへ行ってしまった。溝口と紹介された彼は
「よろしく、浩志くん。何でも遠慮なく言ってね。あ、そうそう、これ組長からのプレゼント。」
と言い1台の携帯電話を渡してきた。
「これでいつでも連絡できるからね」
鹿児組組長と若頭は俺を使える計算でいただろう。しかし自分達が抱える子供がとんでもない怪物であることはまだ気付いていない。そしていずれ手に負えなくなる。だがそうなるのはまだ何年も後のこと。
自分で読み返してみて、…ヒドイと思いました。本気で投稿を考えましたよ。上手くなっていくのかなぁ…………(-.-;)