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第14話

ソファーの影に隠れている充穂さんと光希ちゃんに「隠れているように」と目で合図し頷くのを確認してから部屋を出ようとした。すると階段を上がってくる足音が。しかも2つ。そのうち1つはよたよた歩かされている感じだ。俺は日本刀を抜き構え上がってくるのを待った。

現れたのは拳銃を頭に突き付けられた山下さんとその後ろにいる川野さんだった。山下さんは、手を後ろで縛られ、腹部を撃たれた様で血が滲みポタポタと滴っていた。しかも口にはタオルが巻かれ話せない状態だった。一方川野さんは、山下さんを上手く盾にし俺が斬りかかりにくい状態にしていた。しかも拳銃を頭に突き付けている。俺にとっては山下さんを助けるならすぐには動けないが、山下さんも斬っていいなら何でもない状態ということができるだろう。


「これからどうするんです?人質を取ったところでどうこう出来る状況でもないでしょう?まさかドラマみたいに真相を話してくれるわけでもないでしょうし」

「お、俺は田口さんに言われてしているだけだ。 何も悪くない!」

山下さんはモゴモゴ何か言おうとしているがタオルが巻かれているので伝わらない。なので俺は日本刀を振り山下さんの口に巻かれているタオルを切り落とした。

「さ、桜くん、あ、ありがとう。川野、何か弱味を握られているのか!?なぜあれ程嫌っていた田口のいいなりになるんだ!」

「……先週、署長から田口の周りを調べろと言われて山下さんと一緒に調べていました。幾つか片岡組との関わりが分かってきた時、署内で田口に呼び止められ何を探っているか聞かれました」

「くそっ!!なぜそんなに早くバレるんだ!?」

「俺は、シラを切り通そうとしました。けど1枚の写真を見せられそれが無理なことを思い知らされました。写真には、自宅で怯え泣いている妻と数人のガラの悪い男達が写っていました…。必死で田口を問い詰めましたがヤツは、大人しく言うことを聞け、と…」

「なぜすぐに俺に言わない!クソッ!田口、許さん!」


「話はわかりました。じゃあ今すぐ動くべきです。俺は、署に行って田口に奥さんがどこか聞いてきます。川野さん、片岡組の佐々木という男知ってますか?」

「あぁ、知っている。君が片岡組を襲撃した時に殺さなかったヤツだな?」

「そうです。もしかしたらそいつが何か知っているかもしれません。そいつお願いします。あと、田口から何か言われてませんか?例えば定時連絡とか」

「あ!こっちが片付いたら連絡しろと言われてました」

「じゃあ今から電話してください。自分以外は全員死んだこと、そして自分も負傷して動けないことを伝えるんです。出来れば負傷の演技で、何とか連絡したがもうすぐ死ぬかも、と田口に思わせてください」

「じ、自信はないけど……なんとか、やってみるよ………」

「お願いします。とりあえず山下さんを病院に連れて行ってからですけどね」

「山下さんすいません!ほんとすいません!!すぐ病院に行きます」

「あぁ、頼む…。あ、桜くん、同僚に車を手配したんだ。それに下にいる男達を積むといい。処分は任せるよ。で、それに乗って署に向かいなさい。…あぁ、何か安心したら意識が……」


川野さんは急いで病院へと向かった。俺は、山下さんが手配した車の到着を待つ間に充穂さんと光希ちゃんに家から出ないように伝え、車が到着すると男達を積みまず海へ向かった。




山下さんが手配した車はワンボックカーだったが10人の男達を積んだらいっぱいになった。早く下ろして処分し警察署に向かわなければならないので急ぐ。運転しているのは山下さんの同僚で野崎冴子さん。黒髪が綺麗でよく似合う和風美女だ。冴子さんに近くの港に行ってもらい、とある倉庫に男達を放り込む。この倉庫は、地元漁港が管理している空き倉庫で鹿児組が使っていたものだ。とりあえず男達を入れ警察署に向かう。



警察署に着いたちょうどその時川野さんも到着したところだった。しかし2人ともここにいてはいけない人間なので警察署に入るのに冴子さんに手伝ってもらった。1階の女子トイレの窓を開けてもらい入る計画になっている。窓が開くまで署内の間取りを川野さんから教えてもらい頭に叩き込む。


10分程待つと窓が空き中に入ることが出来た。打ち合わせ通り川野さんはパソコンで佐々木について調べ、俺と冴子さんで署内捜索と田口尋問と処刑に向かった。

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