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戦いの果てに

領主の屋敷の敷地に入るや、俺とサラは屋敷に目掛けて全速力で突入していく


「あそこ!」


サラが弓を構えているナツミに気付く

ナツミの放った矢を俺はかろうじて回避することができた

そのまま建物の中に潜入する


この屋敷は結構広い

3階建てで部屋数は30はあるだろうか

階段は2ヵ所にある


この建物の中で有利なのは、遠距離の弓なのか、それとも近距離武器なのか

とにかく絶対に死角からの攻撃を受けるわけにはいかない

背後を含め、常に全方位に注意を向ける必要がある


3階の廊下に出たところ、驚くべきことにナツミは待ち構えていた

すかさず放ってくる矢を俺達は階段の降り口に隠れて回避する

ここで飛び出して一気に距離を詰めるべきか


「お前達もこんな武器を持っているんだろ?」


ふいにナツミが語り掛けてきた

以前のナツミとは明らかに口調が違う


「こんなチート武器を持って俺達を殺そうとしているんだもんな。目障りで仕方がねえよな」


俺に言わせれば、お前達だって十分にチートだ

ヴェスパーレの姿が脳裏に浮かぶ

しかもこいつからも殺人を楽しんでいる様子が伝わってくる

邪神が呼び出す魂はこんな奴ばかりだ


しかし、この状況で手榴弾を使ってきていないことを考えると、奴は自分の神器の使い方はわかっていないと考えていいだろう


とはいえ、この位置からナツミに近づくには5発以上の矢を回避する必要がある

覚悟を決めるしかないかもしれない


「サラ、まず俺が飛び出す。俺が廊下の窓側を、サラは部屋側から距離を詰めよう。奴は同時に二人を攻撃することはできない。狙われたほうは回避に専念、狙われなかったほうがナツミに詰め寄るんだ」


サラが頷くと、俺は一気に廊下に躍り出た

が、そこにナツミの姿は無かった

逃げたのか?

いや、それとも、向こう側の階段のところに隠れて待ち受けているのか?


俺とサラは恐る恐るナツミがいた位置に近づいていく

いつナツミが飛び出してきてもいいように身構える

そして、その階段の角に近づいた時、俺の視界の隅に予想外の光景が見えた

ナツミが背後にいる

後ろから回り込んできたのか!


サラはまだナツミに気づいていない

そのサラに目掛けてナツミは弓を放った


「サラ!」


俺はすかさずサラを庇った

その俺の背中側、右肩の近くに矢が命中する


ナツミは立て続けに矢を放ってきた

俺達は近くの部屋に飛び込む


「セイ!」


俺の傷を見て、サラの表情が強張っている

俺には2本の矢が刺さっていた

追加でもう1本もらっちまったようだ

その1本は身体の中心部分に深く刺さっていた


俺は廊下に小太刀を出し、その反射によってナツミの姿を確認する

奴は弓を構えたまま、さっきの場所から動いていない


俺はサラに語り掛けた


「大丈夫・・・だ・・・」


うまく声が出ない

次の瞬間、俺は口から血を吐いた

肺をやられたのか?

しかし俺は続けた


「サラ・・・、よく聞くんだ・・・・」


サラは心配そうな顔をしている


「俺が・・・合図をしたら・・・・奴に向かって・・・一気に詰め寄るんだ」


「・・・え?」


サラが一瞬驚いたような表情になる


「チャンスは・・・一度だけだ・・・・決して・・・ためらうな」


俺はそのまま続ける


「俺を信じろ・・・・信じて行くんだ・・・・お前が・・・奴を倒すんだ」


サラは静かに頷いた

それを見て、俺はサラに微笑みかけた


「今度こそは・・・お前を守ることが・・・できたんだな」


俺はそう言うと、表情を変えた


「今だ・・・・行け」


俺のその言葉を聞くと、サラは俺から手を放し、廊下に飛び出た

ナツミに向けて一気に距離を詰めていく

ナツミは弓をサラに向けた

サラは一度フェイントを入れたが、ナツミは的確にサラに狙いを定める


次の瞬間、ナツミの手から弓が消えた

ナツミは一瞬呆然となり、自分の両手を眺めた

そのナツミをサラの刀が貫く


「な・・ぜ・・・・・」


ナツミは何が起こったのかわからない様子だった

サラが刀を抜くとナツミはその場に倒れた


そのナツミをしばらくサラは見下ろしていた


そのまま数秒が経過しただろうか・・・


サラの手から刀が離れて落ちた

そしてサラはそのままその場に膝から崩れた

その目からは涙が溢れ出てきていた


そう、サラは弓が消えた理由に気が付いたんだ

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