喜べ。お前に名誉をくれてやる。
過去のゼノヴィとジノヴィのお話です。
Zeta会員であれはキャラの元へどうぞ。
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話は繋がってないのでどちらからでも大丈夫です。
この話はゼノヴィとジノヴィにこんな事があったんだな…程度です。少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
ゼノヴィとジノヴィは深い森の中に暮らす一族、エクリプス家に産まれた。
エクリプス家は古くから続く由緒正しい家系で、一族の者たちは皆優れた能力を持っている。その中でもゼノヴィとジノヴィは稀有な能力"念話"を持ち、お互いにそっくりな双子として産まれた。
一族の当主やその一派には、双子は厄を呼び込む忌み子だ、呪われているなどと言われ酷い扱いを受け爪弾きにされた。しかし、ゼノヴィとジノヴィは気にすることはなかった。
ゼノヴィは生まれつき冷静沈着で頭脳明晰だった。彼は常に家族の中で最高の座を占めようと努力し、実際にそうなった。
ジノヴィは反対に感情豊かで直感的だった。彼はゼノヴィほど野心はなかったが、一族の中で重要な役割を果たした。
二人は見た目は一緒だがそれぞれ優れている部分が違い、互いに補完し合う良い関係だったのだ。
そんなある日、エクリプス家で惨劇が起こる。
深夜、偶然にも二人同時に目覚める。二人の部屋は別にあったが、こんな奇妙な事は一度もなかった。
ゼノヴィ『ジノ、起きたか?』
ジノヴィ『うん、今起きたところ。何かあったの?』
ゼノヴィ『どうやらこの屋敷に誰かが侵入したようだ。』
ジノヴィ『えっ?泥棒かな?』
ゼノヴィ『おそらくな。とりあえず確認しよう。』
二人は慎重に部屋を出ると廊下で落ち合う。すると突然、暗闇から一筋の光が走ると、ゼノヴィの肩に刃物が突き刺さり、ジノヴィは驚愕し叫ぶ。
ゼノヴィ「くっ...」
ジノヴィ「ゼノっ!」
襲撃者はさらに追撃を加えようとした瞬間、ジノヴィが素早く体当たりし阻止する。二人はもみ合いながら床に倒れた。すると襲撃者の仮面にヒビが入り、素顔が露わになる。
襲撃者「うっ...」
それは他でもないエクリプス家の長男、彼らの兄だった。
兄の正体を知ったゼノヴィとジノヴィは驚きを隠せなかった。しかし、ゼノヴィが素早く体を起こして兄の手首を掴む。
ゼノヴィ「兄さん、一体なぜこんなことを…」
兄「この化け物どもめ!よくも俺の手首を掴めるな?」
兄はゼノヴィを激しく突き飛ばす。
兄「お前らさえ消せば大丈夫なんだ…俺たちエクリプス家は平穏だ…呪われた双子なんてエクリプス家にはいてはいけない…俺がエクリプス家を継ぐんだよ!お前らなんてこの世に存在してはいけないんだ!」
兄は狂ったように叫びながらゼノヴィに飛びかかったが、ジノヴィが割って入り兄の攻撃を受け止める。兄の短刀はジノヴィの腹部を深く刺した。
ジノヴィ「うっ…兄さん…一体どうしてこんなことができるんだよ?…僕たちは…家族じゃないか!」
兄「家族だからだよ!俺はエクリプス家の正当な後継者だ!お前らはただの異分子に過ぎないんだよ!」
兄は狂ったように笑いながら、ジノヴィにトドメを刺そうとした。しかし、ジノヴィは最後の力を振り絞って兄を押し返す。そしてゼノヴィに叫ぶ。
ジノヴィ「逃げろ、ゼノ!お前はまだ…生きられる!」
ゼノヴィは泣きながらジノヴィを見つめた。ジノヴィの言葉通り、自分が逃げれば兄は確実にジノヴィを殺すだろう。かといって自分が残れば兄は二人とも殺すだろう。どちらにせよ、ジノヴィには死しか待っていない。
ゼノヴィ「嫌だ...嫌だよ!俺がお前を置いて行けるわけないだろ!」
兄が急に立ち上がるとナイフを握り締めゼノヴィに向かい走りだす。そしてそのままゼノヴィの首に短刀を突き立てた。
ジノヴィ「ゼノっ!」
兄の目は狂気に満ちていた。彼はもはや理性を失い、目の前の獲物だけを狙う獣となっていた。兄は低い声で叫ぶ。
兄「異分子がっ!!」
彼の手に力が入り、刃先がさらに深く押し込まれた。
ゼノヴィ「あぐぅっ…」
その瞬間、ジノヴィは出血する腹を押さえながら兄の肩を掴み、最後の力を振り絞って叫ぶ。
ジノヴィ「ダメだ!ゼノだけは…ゼノだけは助けてっ!!」
その瞬間、兄はジノヴィを振り返るとニヤリと笑う。そして、兄が手に持った短刀がゼノヴィの首を切り裂いた。
ゼノヴィ「ひぎぃっ」
ジノヴィ「ぁ…ゼ…ノ…」
血飛沫が舞い、ゼノヴィは床に倒れ込んだ。兄はそんなゼノヴィを見下ろしながら嘲笑う。
兄「ハッ、ついにやったぞ!あの忌み子の片割れを始末したんだ!」
ジノヴィ「お前っ!!!」
その時、ジノヴィが兄に飛びかかった。しかし、兄はジノヴィを簡単にあしらい、彼の腹部を再び刺す。
ジノヴィ「ぅぐっ!」
ジノヴィは悲痛な表情でゼノヴィを見つめたが、彼の目に映るゼノヴィは虚ろな顔で夥しい血を流し微動だにしていなかった。
ジノヴィ「ゼノ…ゼノっ」
ジノヴィの瞳には絶望と共に深い愛情が宿っていた。兄はそんなジノヴィを見て嘲笑う。
兄「何だ、これでもう終わりか?」
ジノヴィは血を吐きながらゼノヴィに手を伸ばす。
ジノヴィ「ダメだ…ゼノ…行かないで…」
ジノヴィは悲惨な表情でゼノヴィを見つめる。
兄はそんなジノヴィを嘲笑いながらトドメを刺そうとした。その時、この惨劇を眺めていた三体の触手が動き出す。後にゼノヴィとジノヴィを乗っ取る触手とテンタクルだ。
触手たちは瞬時に兄を制圧し、彼を粘液と数多の触手で包み込んでしまう。兄が何かを言いながら必死に踠いていたが、やがて静かになった。
テンタクル「ピィーッ!」
テンタクルは二度と話す事が出来なくなった人間を吐き出した。そして二体の触手はゼノヴィとジノヴィそれぞれに近づくと体の中に入っていく。
触手はゼノヴィとジノヴィに完全に融合し二人は目を開ける。ただし、乗っ取られる前とは違い、性格と人格は融合したせいで多少変わっていた。
ゼノヴィ「俺はゼノヴィだ。」
ジノヴィ「僕はジノヴィだよ。」
触手によって修復された彼らの肉体には、傷跡一つ残っていなかった。しかし、ゼノヴィとジノヴィの兄、そしてエクリプス家への憎しみだけが轟々と残っていた。こんな一族滅べばいい、と。
ゼノヴィとジノヴィは互いを見つめ合い頷く。彼らが取るべき道は明確だった。
「「エクリプス家を根絶やしにする。」」
決意を新たにしたゼノヴィとジノヴィは、すぐに行動を開始する。彼らが最初に向かったのは、エクリプス家の当主がいる場所だった。
当主「お前はだ」
強化されたゼノヴィの身体能力を活かし、一瞬にして当主の首を刎ねる。当主の首が転がり落ち、ゼノヴィは冷たい目でそれを見下ろしていた。
一方、ジノヴィは触手の能力を駆使してエクリプス家の財産を根こそぎ奪っていた。
ジノヴィ「こんなもの、全部必要ないよ。」
そうして彼らはエクリプス家を滅亡に追いやる。これまで彼らが受けた屈辱と苦痛、その全てを返すかのように徹底的に破壊した。そして残されたのはただの瓦礫と屍の山だけだった。
ゼノヴィとジノヴィは血に染まった手を取り合う。
「「満足だ。」」
その時、テンタクルがゼノヴィとジノヴィに語りかける。
テンタクル「ピィィッ!」
ゼノヴィ「わかってる、時期が来ている。」
ジノヴィ「そうだね、子を成そう。」
彼らは触手の子孫を残すために、一番適した愛し子を探し始める。そして力が一番高まるハロウィンの日、あなたは見つかってしまう…
…後書き書き忘れてた_:(´ཀ`」∠):_
読んで戴き誠にまことにありがとうございました。少しでも楽しんで戴けたなら幸いです。
キャラ作りしてるとその子達の話が広がるんですよ…。でもZeta様だと文字数足りないし、入れると馬鹿長くなるし、キャラ設定だ崩れるし、誰も読まないので此方のなろうを活用させて戴くことにしました。
これ怒られるのかな…削除とかされるのかな…何も起こらないように祈っとこ…|ω・)
ゼノヴィとジノヴィは残念ながらお亡くなりになってしまいましたね。でも二体の触手に記憶と体を乗っ取られ復讐は成された…的な…ね。人によっては嫌な気持ちになってしまうかと思いますが…許してちょ。
この話の後はZeta様で作ったキャラに続きますが、今後の話はあなた様の入力で進みますので少しでも楽しんで戴ければ幸いです。
では、この辺にて。またどこかで乁( ˙ω˙ 乁)