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幻想省活動記録  作者: 長野原
幻想リテラシー

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後日談

しろしろさん騒動から2日、山田と佐藤は今だに入院生活を送っていた。

山田は暇を持て余して佐藤にしりとりを仕掛ける



「しりとり」


「リスクマネジメント」


「と、トルコ」


「コアコンピタンス」


「…す、スイス」


「ステークホルダー」


「……だ、な、だ、濁点は?」


「無しでもいいよ」


「タンザニア」


「アウトソーシング」


「お前やってるだろ?」


「え?何が?」



山田はしりとりを止めて佐藤の方を向くと白々しい顔をしていた。



「さっきから全部ビジネス用語、意識高い系かよ、半分は聞いたこともねーし」


「え?僕は思いついた単語を言ってるだけだよ?」


「うぜぇー」



ずっと白々しい顔をしている佐藤に笑いながら悪態をつく山田



「それを言うならお前も、さらっと国縛りしてるでしょ」


「それはいいだろ別に、意識高いしりとりはもういいわ」



しりとりを止めると病室のドアがノックされ、二人が返事する前に年老いた二人の男女がなだれ込んで来た



「あんた!また大怪我して!もー、お母さんは心配ですよ!あら、山田くんこんにちは」


「やあ、山田くん」


「ちょ!母さん!父さん!」


「どうも、ご無沙汰です」



二人は佐藤の両親で、両親の登場に佐藤は焦ったような顔をし、山田は会釈をする。

母親の方は持ってきた見舞い品をテーブルに置き、父親は椅子を二つ用意して二人は座った



「聞いたぞ、しろしろさん?とか言う幻想生物から街を守ったそうだな、父さんは嬉しいぞ、よくやった」


「あなたはこの子に甘いのよ!こーんな大怪我して!どれだけ心配したか!ちょっと前までこーんなに小さかったのに!いつからそんなに無茶する子になったのかしら!」


「勘弁してくれ…」



両親に詰め寄られ、佐藤は頭を抱えて、横で山田はニヤニヤしていた



「いやー、息子さんは立派でしたよ!一般人を守って逃げずに戦う様は、まるで英雄ですよ!俺もすごく助けられて!おばさんもあまり責めないでやってください!彼がいなかったら俺は死んでました!」


「お前!黙ってろ!」



わざとらしく、面白がって佐藤を持ち上げる山田に佐藤は怒鳴りつける



「こら!あんたは!ごめんね山田くん、この子昔から恥ずかしがり屋さんだから、でもこんなに言ってくれる友達ができて母さん嬉しい!」


「少し気難しい子だが、仲良くしてやってくれてありがとう山田くん」


「俺が一緒にいたくているんですよ、ただおばさんこいつと俺は友達ではないです」


「え?」


「親友です!」



山田の発言に目を潤ませる二人と諦めてため息を吐き、窓の外から雲を眺める佐藤



「いい親友を持ったわね…山田くん、これからもこの子をよろしくね」


「はい!任せてください!息子さんと支え合っていきます!」



山田は佐藤の両親に愛想をよく接して、それに気をよくした両親は佐藤の子供の頃の話を話し始める。

山田は食い気味で話を聞き、佐藤は顔を赤くしながら必死で止めるが、全然止まらなかった。

しばらくして話が一段落つくと佐藤の母親は時計を見て立ち上がる



「あら!もうこんな時間!長居しすぎちゃったかしら、そろそろお暇するわ、これからデートなの」


「それは残念です、楽しんで来てください!」


「ありがとう山田くん!あ、ほらこれ持ってきたから塗っときなさいね、あんたも偶には帰ってきて顔見せなさい」



両親は立テーブルにオロミリオンを置き病室から出る為に扉に近づく



「あー正月には、ありがとう母さん」


「ちゃっちゃっと治しちゃいなさい!じゃあ山田くんまたね」


「体に気をつけてな」


「ありがとうございます、お二人も」



両親は去り、やたらとニヤニヤした山田とげっそりとした佐藤が残った



「お前は僕を弄んで楽しい?」


「めっちゃ楽しい、お?大丈夫か?モーフがなくて眠れるか?」


「ウザすぎる」



母親から聞き出した佐藤が幼少の頃モーフがなかったら眠れないと言うことを早速いじり始める山田に恨みの目線を向ける佐藤

佐藤は両親が置いていったオロミリオンを早速怪我に塗り始める



「いやー、にしてもいい両親だな」


「お前が愛想よく接するところを見る唯一の機会なんだけどね」



オロミリオンを塗り終わり山田に投げる佐藤、山田は受け取りながら軽く礼を言う



「あざ、マジでオロミリオン神だよな」



そういいながら塗り始めるとまた病室がノックされ今度は安倍が入ってくる



「会いにきたでー」


「どうも、暇なんすか?」



陽気に手を挙げる安倍に悪態をつく山田とそれを見て笑いながら椅子に座る安倍



「自分らの仲やん、時間作って会いにきたわー、ん?え?山田くん?それ?」



山田が持っているオロミリオンを見て笑みが崩れ、驚いた表情を浮かべる安倍



「オロミリオンやん!え?なんで?」


「あー、どうする?」


「別にいいんじゃない?」



山田は佐藤に聞くと、佐藤が答える



「僕の家、オロミリオン作ってるんですよ」


「は⁉︎あ、あー、そう言うことなん?」



一度驚愕したが何か知っていたのか腑に落ちた表情をする安倍



「通りで、佐藤くんの情報やけに少ない思ったわ、あの家系の子やったんや」


「うわ、さらっと俺らのこと調べてるわこの人」



オロミリオンはどんな怪我でも寝て1日経てば治っていると言う破格の性能をしている、その製法は生産している佐藤の家の秘匿技能だ。

価値にして億はくだらない、超高級な薬で、製法と家族の安全の為に佐藤家は秘密が多く、苗字もあえて最も一般的な苗字にしている



「山田くんの怪我が直ぐ治ってるのもおかしいと思ったんや、あー、腑に落ちたわ」


「まあ、秘密でお願いしますね」


「わかっとるわ」



星6ハンターの安倍でも秘密にされている為、このことを知っているのは幻想省のかなり上の立場の人と、山田のみだ



「これで俺ら明日には退院するんで、もう見舞いはいいっすよ」


「そうやね、ならご飯でも行こか?」


「謹んで遠慮します」


「奢るで?」


「俺ら金持ちなんで、つーかいつになったら東京に帰るんすか?」


「つれへんなー」



山田の雑すぎる対応に内心ヒヤヒヤする佐藤、しかし安倍は笑みを崩さず、少し嬉しそうにも見える、山田は絞り出すように呟く



「……仕事なら頼まれたら行きますよ」


「お!山田くんデレたか?」


「一応借りがあるんで」



しろしろさんの件で命を救われたことで、恩人と思っている所はあるため、山田は嫌々ながらそう言う



「そうですよ、我々に出来ることなら」


「なら、いつか頼らせてもらうわ、また一緒に仕事できる日を楽しみにしとるで、二人退院するんやったら、自分も東京帰るわ」


「うーす」


「また」



安倍はひらひらと手を振りながら病室を後にした



「つーか、あの人何しにきたんだ?」


「心配してくれてたんでしょ?ほら」



安倍の座っていた椅子にお菓子が置いてあり、佐藤はそれを山田に投げる



「いや、違うわ」



山田はそれを受け取りお菓子の箱に挟まっていた小さな紙を佐藤に見せる



「まだ、諦めてねーぞあのクソ陰陽師」



それは安倍の名刺で裏に


「いつでも待ってるで」  


と書いてあった


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