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俺のゴールデンウィーク

ゴールデンウィーク2日目・・・


「こらっ!いい加減起きろー!」

「うわっ!!」


朝、気持ちよく寝ていたはずなのだが急に大声とともに布団もおもいっきりめくられ俺はたたき起こされた


「やっと、起きたよ・・・。渚ちゃんが言ってた通り空君って朝苦手なんだね」


俺の前にはもうすでに服に着替えている円香居た。


「はは、ごめんごめん。」

「全くお姉ちゃんといい空君といい、ほんと~に世話がかかるんだから」


先輩も朝起きるの苦手なんだ。いいこと聞けたかも。


「まぁでも空君の寝顔見れたから私にとっては役得かな♪」

「え、役得って・・・」

「とりあえず空君早く着替えて下に来てね。もう朝食できてるから」


そう言うと円香は部屋から出て行きパタパタと階段を下りていった。

そして俺もさっさと着替えをしてから下へと行った。


リビングへ行ってみると皆はもう起きていてテーブルには朝食がすでに置かれていた。


「おっそいぞ、空!俺は昨日から何も食ってないから腹が減ってるんだ!」

「それはお前のせいだろ・・・。まぁ待たせてごめん」

「さ~てと空君も来たことだし食べましょうか~。それじゃあ皆さん一緒にいただきま~す」

「「いただきまーす」」


皆で一斉に食べる挨拶をした途端に相馬はガツガツと一気に食べ始めた。よほどあいつはお腹が空いていたんだろう。


「ところで今日は出かけるんだよね?」

飯を食べている途中に俺は皆に今日出かけるところのことを聞いてみた。


「やっぱりボウリングでしょ!」

「私は~、公園でも行ってみんなとゆっくりお弁当でも食べたいな~」

「私は水族館かな」

「朝倉先輩と一緒に買い物したいです!」

「動物園とかいいかも」

「フフ、私は朝倉とならどこでもいいわ」


渚は遊園地、姉さんは公園、円香は水族館、美琴は買い物、茜先輩は動物園、水無月は俺任せ

円香とは一緒に前水族館行ったのにまた、行きたいのか・・・。水無月は水無月で俺任せというよりあいつと一緒に居るとろくでもないことが起きそうだし。


というより今日行く場所はっきり決まってないんじゃん!



「なぁ、朝倉。俺のこと忘れてないか?」

「あ、すまん。忘れてた」

「おい、はっきり言うなよ!」

「ごめん、ごめん。で、相馬はどこに行きたいんだよ?」

「ふっふっふっ、良くぞ聞いてくれたな空。俺が行きたい場所はな、それは・・・」

「で、朝倉何処行くの?」


相馬が立ち上がって何処へ行くか発表しようとした時水無月が横から入ってきた


「おぃ、水無月俺の発表を聞け!」

「うるさいわね。あんたは少しだまってなさい」

「ひどい!」

そう言うと相馬はいじけるように後ろに下がっていった。

まぁ昨日あれだけのことしたんだしな。


「で、朝倉どこ行くの?」


「そう言われてもなぁ」


皆の行きたいところがバラバラだしというより俺は家でゆっくりとしたいんだが・・・。


「こら、空君優柔不断はダメだよ!」


優柔不断って言われてもこんなに意見があったらさすがに決められない。

俺は一体どうすればいいんだろか・・・

「フフ、やはり困ってるようね朝倉」

「そりゃ困るよ。こんだけ意見があったらまとめれないし・・・」

「そんな朝倉にいいところを教えてあげるわ」

「いいところ?」

「少し皆が言ってるカテゴリーと違うけど、この近くに新しくテーマパークができたらしいわよ」

「あ、工事中だったところか。もう完成したんだな」

「ええ。元々ゴールデンウィークに間に合わすように工事してたから。それにそこだと色々な遊ぶものがあっていいかもしれないわよ」


確かに水無月の考えは一理ある。このまま皆の意見をまとめようとしてもうまく結果が出ないままになってしまうかもしれない。

だったらたくさん遊べるものがあるテーマパークに行ってみてもいいかもしれない



「よし、だったら皆で新しくできたテーマパークに行こうよ」

「さんせー!」

「じゃあ私はお弁当作らないと・・・」

「瑞穂先輩、食べるところがちゃんとあるのでいらないと思いますけど・・・」

「ん~水族館にもう一度行きたかったけど、テーマパークも面白そうだからいいかな」

「先輩と遊びに行けるならどこでもいいです!」

「なんとか決まってよかった・・・」


「フフ、朝倉私にひとつ貸しができたわね」

水無月が言ったことは聞かなかったことにして俺たちは朝食をさっさと食べた後テーマパークへ行く準備をして30分後には家を出た。


テーマパークは電車を使って20分ぐらいのところだ。

昨日あまり寝付けなかったこともあり俺は少しの間だけ眠りに入った。




だけど20分とは早いものでいつの間にか電車は目的の駅についたようだ。

眠りから覚めた俺はボーッとしてたけど円香に急かされるように電車から下りた


「もうっ!空君寝てばっかりなんだから!」


「ごめん。でも昨日はあんまり寝付けなかったんだよ・・・」


「全く〜。テーマパークではしっかりしてよね!」

「わかってる。気を付けるよ・・・」


微妙にむくれている円香に返事をしたが俺はひとつ気になることがあった。


「あのさ、円香。ひとつ聞いていいかな?」


「ん、何かな?」

「いや、いつまで手握ってるのかなと思って・・・」


電車を急かされて降りたときから円香は俺の手を握ったままだった。


「え〜だって、空君がまた寝ちゃうかもしれないじゃない」


「さすがに歩きながらは寝ないよ・・・。それに皆に見られたらなに言われるかわからないし・・・」


他の皆は前を歩いていて今はまだ気づいてないけどその内絶対気づくだろう。

「え〜別にいいじゃん」


「駄目だって・・・」


円香がぶつぶつ言うなか俺は半ば無理矢理に円香と繋いでいる手を離した。


「ぶ〜、空君なんか冷たいよー」


「いや、普通だって。ほら皆に置いていかれるから早く行かないと」


まだ円香がぶつぶつと文句を言ってるので逃げるように皆のもとへと走っていった。



それからしばらく歩いていると目的地のテーマパークが見えてきた。

外見から見るとただの遊園地にしか見えないが行く前に見たパンフレットでは中で様々なことができるらしい。


「それにしても、よく水無月が最近テーマパークできたこと知ってたな」

「なにかおかしいかしら?」

「いやだってお前ってこういうの興味なさそうだし・・・」

「フフ・・・そうでもないわよ。それに新しい情報を仕入れるのは私にとっては当たり前のことだし」


本当にこいつについては一番謎だよな・・・。

そんなことを思っているとテーマパーク前に着いた。


「空君、入場料お姉ちゃんが出そうか?」

「大丈夫だよ、姉さん。僕だってお金あるから」

「そっかぁ。じゃあちゃんと入場券買うんだよ~」

「わかってるって」


正直皆の前で姉さんに過保護的な感じでされているのに恥ずかしさがあったのだがなんとか平静を保つことができた。

入場券を買うと受付の人に見せてテーマパークの中へと入っていった。


「うわぁ・・・すごーい!朝倉先輩見てください!いっぱい遊ぶところがありますよ!!」


中に入るとそこにはたくさんの乗り物や遊ぶ場所があり予想していたよりもずっと広かった。

そしてそれを見た美琴はいつも以上にはしゃいでいた。


「ほんとだね。まさかここまで広いとは思ってもなかったよ」

「先輩!まずは何処から行きますか!?私は先輩とならどこでもいいです!」

「そうは言われてもなぁ、これだけ行くところあったら迷ってしまうな・・・」

「んじゃあまた多数決とればいいんじゃねぇのか?今度は俺様も入れろよ」


確かに相馬の言うとおり多数決をとったほうが早く決まるんだけどまたここに来る前のようにごたごたしそうな気がして多数決をとるのは気が進まなかった


「フフ、お困りのようね朝倉」

「また何か思いついたのか水無月?」

「そうね。思いついたといえば否定できないわね」

「なんか回りくどい言い方だな・・・。で、どうやって決めればいいんだ?」

「まずグッパーをするわ」

「グーパーってあのジャンケンのグーとパー限定のやつか。それで?」

「それでグーパーで分かれて2チームにするわけよ。それでその2チーム別れて行動するってことよ」

「なるほど。それだったら色々と遊べるし口論もないし効率いいかもな」

「フフ、そうね。それでさすがにそのチームずっとそのままもアレだから午前中と午後約3時間ほどで交代ってのはどうかしら?」


3時間ほどで交代。結構時間とるな・・・。

今が9時半ってことは12時半か。そこから皆で昼食とってだいたい1時間。それで1時半から3時間で4時半。帰りは電車とかの時間もあるしここを少し早めに出ないといけないし、ちょうどいい感じの時間かもしれない。


「確かにいい考えだな。よし、それでいこう」

「フフ、これでまた貸しひとつね朝倉」

「皆とりあえず集まって聞いて欲しいことがあるんだけど・・・」


水無月が言ってたことは気にせず僕は今さっき水無月と話し合っていた内容を皆に伝えた


「うん、確かにそれはいい考えね。なんか水無月さんと朝倉君を褒めるのは嫌だけど・・・」

「いい考えですけど、もしジャンケンで負けて朝倉先輩と違うチームに行くのは嫌だなぁ」

「私はどっちでもいいけど空が変な気を起こさないか心配なんだけど・・・」

「私は楽しければいいんだけど空君と一緒にいれば楽しそうだな」

「空君にはお姉ちゃんがついていないといけないよね~」

「俺様はどっちにしてもパーラダーーイス!」


皆色々と言っていたがそこは気にせず早速グーパーをすることにした。


「それじゃ皆やるよ~。グーパーの・・・」


急に掛け声を出しやり始めたので皆焦ってそれぞれ手を出した。

そしてグーパーの結果は・・・


「えっと、グーが俺に渚、円香、姉さん。パーは相馬、水無月、美琴、茜先輩だよ」

「やったぁ!空君と一緒だー」

「ま、まぁよろしくね空」

「空君、私を楽しませてよね」

「こんなに美女たちとデートできるなんて俺様ハッピー!!」

「ふふ、残念ね・・・」

「朝倉先輩と一緒がよかったです・・・」

「朝倉君、円香のことよろしくね」


皆が口々に感想を言った後僕たちは時間も限られているので早速分かれたグループで行動をとり始め相馬達のグループとわかれた。


「ねぇねぇ空君お化け屋敷行こうよ!」

テーマパークの地図を見ていると円香がいかにもいきいきしているような顔で言ってきた。


「最初からお化け屋敷行くのか?普通もうちょっと後のほうじゃ・・・」

「えー!そんなことないよー。あ、もしかして空君怖いとか?」

「そんなわけないだろ!よし、じゃあ行こう」

「さすが空君!話が分かるねぇ」

「あ、でも確か姉さんって怖いのとか苦手じゃなかったっけ?」


昔おじさんと姉さんとでお化け屋敷入ったとき凄く泣いてたような・・・。


「そ、そんなことないよ!それに空君が居てくれてるからお姉ちゃん全然大丈夫だよ!」

「それならいいんだけど・・・。渚は大丈夫か?」

渚も確かこういう怖いの苦手だったような気がするんだけどな。

「うっ・・・。大丈夫に決まってるじゃない。平気だよ・・・」

一瞬渚が言葉をつまらせたような気がするが、本人が大丈夫と言ってるんだし心配ないだろう。



皆大丈夫ということなので最初に行くところはお化け屋敷ということで決定し俺たちは早足でお化け屋敷へむかっていった。

移動している途中、今さっきより渚と姉さんの口数が減っていたことに少しだけ気になった。





「ここか」

テーマパーク内は広いがどうやら僕たちが居たところからお化け屋敷までの距離はそう遠くなかったので1分もかからないぐらいでお化け屋敷へと到着した。

建物の色は黒1色であり暗いイメージで明らかにお化け屋敷といった外観であってお化け屋敷は他のところと比べると人はあまり並んでいなくすぐにでも入れる状態だった。

早速俺たちは他の人が並んでいる列の後ろに並ぶことにした。


「ふたりとも大丈夫か?さっきからあまり喋ってないような気がするけど」

「な、なに言ってるのよ、私なら全然平気だよ・・・」

「うん!お姉ちゃんだって問題ないよ」

「ふたりが大丈夫って言うならいいんだけど・・・」


やっぱり二人と話していると気になったが、そんなことを話している内に俺たちの順番が回ってきた。


「空君、いっくよー!」

「あぁ。ふたりとも無理はするなよ」

「だから私は大丈夫だってば」

「私だって空君が居るから心配ないよ~」





屋敷内に入ると外とは違いほとんど真っ暗な状態でなにやら気味の悪い音というか曲が鳴っていた


「うーん、ドキドキするね!」

円香を見るに円香のドキドキはたぶん怖いというドキドキではなく楽しいというほうのドキドキなのだろう。



先を歩いていて特にまだ何も怖いものはないなと気を抜いているといきなりガシャーン!!と凄まじい音を立てて何かが床に落ちて砕けた。


「うわぁッ!」

「「きゃああああ!!」」


僕が驚いて声を漏らしてしまったがその声は姉さんと渚の屋敷内に響き渡るような悲鳴でかき消された。

そしてそれと同時に急に俺の両腕にまるでふくよかな餅のような感触が感じられてきた。


「あはは、なんか皿の割れるような音がしたね」

「笑いごとじゃないよー円香ちゃん怖くないの?」

「全然大丈夫だよ」

「凄いね~、円香ちゃん。さすが茜ちゃんの妹だよ~」

「姉さん、渚話してるところ悪いんだけどさ・・・」

「どうしたの空?」

「そろそろ離してくれないかな?動けないんだけど・・・」

「えっ・・・きゃああ!ちょっと何してるのよ!?」


渚は自分がしていたことに気づいてやっと離れてくれた。


「渚がびびって勝手に俺の腕に抱きついてきたんじゃないか」

「うっ・・・。べ、べつにびびってなんか・・・」

「というより、姉さんも離れてくれないかな?」

「え~このままでもいいでしょ~」


甘えるような声で姉さんは言ってきたが例え相手が姉さんだとしても今のこの状態では正直俺の理性が・・・。


「ね、姉さんこのままじゃあまともに歩けないし、勘弁してくれ・・・」

「え~!しょうがないなぁ」

姉さんはどうやら分かってくれたらしく渋々と腕から離れていった。


「いいなぁ、渚ちゃんに瑞穂先輩」

「何か言ったか、円香?」

「ううん、なんでもないよ。さて、次いこー!」


円香はそう言うと先へと歩いて行った。というかあいつは怖さという感情はないんだろうか・・・。



この後もお化け屋敷を進んで行っていると様々なもので怖がらされたがそれ以上に姉さんと渚は怖がっていた。

特に後ろから包帯男が追ってきた時はふたりとも凄い奇声をあげながら全速力で走っていた。

円香は円香で全く怖がっていないというか普通に笑っていて楽しんでいた。




外に出ると渚と姉さんが疲れたようにお化け屋敷の近くにあるベンチに座っていた。


「大丈夫かふたりとも?」

「へ、平気だよ・・・」

「お姉ちゃんも大丈夫だよ~・・・」


ふたりはまだ強がっていたが明らかに顔を見る限り大丈夫そうではない。


「ふたりともちょっと休んでなよ。皆の分の飲み物買ってくるからさ」

「じゃあ私も一緒に行くよ、一人で持つの大変だろうし」

「そうだな。頼むよ円香」


「ありがとう二人とも・・・」

「ごめんねぇ、空くん円香ちゃん・・・」


ぐったりとしているふたりをベンチに残して円香と一緒に近くの飲み物が売っている販売所へと買いに行った。






「それにしてもあのふたりあそこまで怖いの苦手なこと隠さなくてもいいのにな」

「やっぱり弱いところ見せたくないんじゃないの?特に朝倉君にはね」

「なんで特に俺なんだ?」

「さぁ、なんででしょうね~」


なぜか円香は教えてはくれなかった。でもまぁあの二人とは付き合い長いし弱いところぐらいはそれなりに分かってるからいいんだけど・・・。


この後販売所に着くとお化け屋敷以上に人が並んでいた。

俺たちは少し長い時間をかけて並んでやっと飲み物を変えたが予想以上に飲み物の値段が高くて痛い出費となってしまった・・・。




ジュースを持ってベンチへ戻ってみると姉さんと渚はどうやら今さっきよりはマシになっているようだった。


「ふたりともお待たせ。はい、これ」


俺は姉さんにオレンジジュースを渚にはいちごジュースを渡した。


「わーいオレンジジュースだー。ありがとうね空君円香ちゃん」

「いちご好きなの覚えてくれてたんだ。ふたりともありがとう」


ふたりは俺からジュースを受け取ると早速飲み始めた。結構飲んでいるけどそれほど喉がかわいていたのかな?

まぁあれだけ叫べばわからなくもないが。


「はい、これ空君の」

「ありがとう円香」

円香から自分の分のジュースを受けとって俺も飲むことにした。


「それにしても空君って渚ちゃんと瑞穂先輩の事よくわかってるんだね」

「そりゃあ付き合いが長いからね」


渚とは幼馴染だし姉さんに至っては義理でも姉弟だし嫌でもふたりのことはわかる。


「なんかそういうのいいよねぇ。相手のことを全て知ってるってこと」

「全てを知ってるってわけじゃないけどね・・・」

「あ~ぁ私も空君と昔から出会えてたらよかったんだけどなぁ・・・」

「別に昔から出会わなくてもさ、今出会ったからいいじゃん」

「え、どういうこと?」

「これから思い出いっぱい作ったらいいってことだよ。今日みたいにね」

「そうだよ円香ちゃん。これからいっぱい作っていこー」

「うんうん、これから先まだまだ長いんだしね」

「みんな・・・。うん!ありがとう!」

「それにしても空たまにはいいこと言うんだね。ちょっと見直したよ!」

「うんうん、私もびっくりしたよ」


別に俺はいいこと言ったつもりはなかったんだけどな。というか見直したって今まで渚は俺の事どういう風に見ていたんだろう。


「そんなことよりそろそろ次行こう。時間もないしな」

「そうだね~。じゃあ次はどこ行く?」



この後俺たちは時間的にも少なくなってきたので並びの少ないアトラクションを廻りそして写真を撮った。

廻っている間は3人に振り回されていた気もしたが楽しかったので悪い気分ではなかった。


そしていつの間にか約束の時間も来ていたので集合場所へとむかっていった。

集合場所に着くとすでに皆が揃っていた。というか一人居ないような気がするんだが・・・。


「なぁ水無月、相馬はどうしたんだ?」

「さぁ、いつの間にか消えてたわ」

「消えてたって・・・。まぁいいか」

どうせあいつのことだしもしかしたらナンパとかしているのかもしれない


「先輩、先輩!そんなことよりグーパーしましょうよ!」

「そうだな、よし始めるとするか」


僕は皆に合図をして円になってもらいグーパーをすることにした


「「せぇの、グーパーの・・・」」


皆で掛け声を出してグーパーを始めた。

そしてグーパーの結果は・・・



「パーが俺に、水無月、渚、茜先輩。グーは姉さん、円香、美琴だよ」

「フフ、よろしくね朝倉」

「次も空と一緒かぁ」

「まさか、朝倉君と水無月さんと一緒だとはね」

「円香ちゃん美琴ちゃん、よろしくね~」

「空君、お姉ちゃんのことよろしく」

「うぅ、朝倉せんぱ~い・・・」


また渚が一緒に居るけど今回は水無月と茜先輩が心配だな・・・。

一体どうなることやら。


「それじゃあ皆また後で」

俺たちはここでまたしばらくグループごとにわかれて行動することになった。



「渚は一緒の行動だったからいいけど二人とも最初はどこいってたの?」

「ジェットコースターに行ったわよ」

「ええ。水無月さんと相沢さんのおかげで無駄に体力使ったけど・・・」


どうやら先輩は水無月と茜に振り廻されたようで相当体力使ったらしい。

それとこれは後で聞いた話だがどうやら先輩たちはジェットコースターを3回も乗ったらしい。



「朝倉君達はどこへ行ってたんですか?」

「俺たちはお化け屋敷とかに行ってましたよ。渚が相当怖がってて大変でしたよ」

「ちょっと空、だから私は怖がってなんか・・・」

「フフ、渚は怖いのが苦手なのね。いい情報手に入れたわ」

「彩音ちゃんまで~」

「まぁまぁ3人ともこんなところで時間をつぶしてももったいないですし、どこかのアトラクションへ行きましょう。今度はジェットコースターとお化け屋敷以外のところで」


「そうですね・・・。じゃあどうしようか?」

「フフ。アレなんてどうかしら?」

水無月はそう言い俺たちが居る後ろの方に指を指した。

水無月の指の先には巨大な観覧車が廻っていた。


「観覧車かぁでもあれって最後の方がいいんじゃないのか?」

「そうでもないわよ。あの観覧車人気だから待つのに軽く1時間以上はかかるわ。それに1周廻るのに30分はかかるから結構な時間になるわよ」

「それもそうだな、だったら観覧車行こうか。このテーマパークの一番のアトラクションだしな。渚も先輩もいいかな?」

「観覧車だったらなんとか」

「私はそれでいいですよ」

「よし!じゃあ決まりだな」


俺たちは早速観覧車の所へとむかうことにした。

そして観覧車の前まで行ってみるとそこにはかなりの列ができていた。


「うわぁ凄い人ね・・・」

「えぇ、これは結構な時間待たないといけないですね」

結構並んでいるが俺たちは並ぶことにした。これは思ってるより待たないといけないかもしれないな。



「本当に並んでますね・・・」

「そうですね、先輩大丈夫ですか?」

「なにがですか?」

「先輩結構疲れているように見えたので」

ジェットコースターにあれだけ乗ったら普通誰でも疲れるだろう。それにここで立ったまま待つとなると相当疲れるんじゃないだろうか?


「いえ、大丈夫です。私の事よりも心配なことがひとつあります」

「心配なこと?なんですか?」

「朝倉君と水無月さんがここで問題を起こさないかどうかということです」

「ちょっと待ってくださいよ!なんで俺まで!?」

「ここではあなた達を捕まえはしないけどちゃんと見てるから変な行動は起こさないように」

「フフ、私たちもこんなところで問題を起こそうとは思ってもいないわ」


明らかに先輩俺が言ってることスルーしてるし・・・。ていうか水無月私「たち」ってどういうことだよ。

茜先輩の目を気にしながらも俺はなんとか観覧車の待ち時間1時間以上を耐え抜いていた。

やっと観覧車に乗る番が俺たちにまわってきた。観覧車の中に入ると意外と4人入っても全然窮屈ではなかった。

ちなみに俺の横には渚が座って俺の前には茜先輩、水無月という並びで座っていった。


「やっと乗れたな・・・」

「そうだね、ここまで並ぶなんて思わなかったよ」

「それほどここが人気だということですね」

「そうね。これのために遠くから来る人も少なくはないって聞くわ」


観覧車は一定の速度でゆっくりと地上から離れて上がって行っていた。


「見てよ、空!凄い眺めいいよ」

渚に言われて外を見るといつの間にか結構な距離で上がって来ていた。

それにテーマパーク一面が見渡せることができた。


「本当だな。ここまでいい景色だとは」


「そうですね・・・。円香にも見せてあげたかったです」

茜先輩は外を見ながらつぶやいていた。意外っていうのもなんだが先輩って結構妹思いなんだな。


「朝倉知ってる?ここの伝説の事」

「伝説?なんだそれ?」


最近できたのにもう都市伝説みたいなものができたのだろうか?


「この観覧車に夜最終で乗った男女は恋人になるという伝説よ」


まぁだいたいは検討ついていたのだがやはりよくあるような伝説だな


「それって本当なの!彩音ちゃん!?」

「あくまで噂からできた伝説にすぎないわよ。フフ、渚気になるのかしら?」

「え、あ・・そういうことじゃなくって!私はただそういう噂が最近女の子たちの中で流行ってるのかなって気になっただけで。それだけだよ!」

「フフ、そういうことにしてあげるわ」


最近思うがこのふたりって結構いいコンビになってきたな。渚が一方的にいじられてるんだけど。


「先輩はこういう伝説とかって気にならないんですか?」

さっきから都市伝説の話に一切口を開かなかった先輩に俺は聞いてみた。


「私はあまりそういうことは信じないですから」

そう言うと先輩はすぐに外へと視線を戻した。

確かに先輩はこういうこと信じなさそうというか流行に疎いような感じがする。



「お、そろそろ頂上か?」

「凄い・・・。こんなに高いんだね」

「フフ、いい眺めね。長い列に並んだ甲斐があったわね」


「あれって瑞穂達じゃないですか?」

先輩たちが指差した先にはベンチに座っている姉さんたちが居た。

「それにしても姉さん相当疲れてそうだな・・・」

また円香に振りまわされて疲れたから休憩してるのかな?



「あの、朝倉君」

「どうしました?」

「こんなところで聞くことではないのですが瑞穂とは本当の姉弟ではないのですよね?」

「はい、義理ですけど。それがどうしたんですか?」

「いえ。大した事じゃないですけど本当の姉弟でもないのに二人は本当の姉弟以上に仲が良いのでそのことが気になりまして」

「そういえば、そうね。瑞穂先輩と朝倉って本当に仲がいいわね」

「私は昔からだから全然気にならないけど・・・」


やっぱり他から見たら俺と姉さん異常なまでに仲がいいように見えるのか・・・。

否定はできないんだけどな。


でも、正直今の姉さんと俺の姉弟関係はこのままでいいと思うし、姉さんから愛されてるというかもちろん姉弟としてだけどそういう姉さんの想いは純粋に嬉しい。


「確かにそこら辺の普通の姉弟とかよりは仲がいいのは事実ですけど。俺と姉さんにとってはこれが普通ですから。別に本当の姉弟とか義理の姉弟とかなんて気にしていません」

「そうですか。ふたりは本当に仲がいいんですね・・・。私も少しは見習わないといけないですね」

「先輩と円香も十分仲いいとは俺は思いますけど・・・」

「いえ、あの子は私を頼ったりしてくれることはあまりありませんから。朝倉君たちに比べたらまだまだです」


それはたぶん家での先輩がおっちょこちょいだから円香が気をまわしてるのだろう・・・。


「私もお兄ちゃんかお姉ちゃん欲しかったな~」

「フフ、渚は朝倉と兄妹みたいなもんじゃない」

「全然違うよー!空と兄妹ってありえないし、それにそれだったら私の方が絶対お姉ちゃんでしょ!」


おもいっきり渚に否定されているが渚が姉っていう方がありえないだろ・・・。


「そういえば水無月は一人っ子なのか?姉妹がいるとか聞いたことないんだけど?」

「フフ、さぁどうかしら」


水無月はいつもの笑いで答えた。こいつのことは本当によくわからない。

まぁ水無月に姉妹とかが居たとしたらこいつに似ていたら怖いな・・・。


「朝倉、何考えているのかしら?」

「い、いや。何も考えてないぞ」

「フフ。そう」


危ない。水無月って本当に勘が鋭いからな。気を付けないと。




この後観覧車で景色を見ながら様々なことを4人で話をしていた。

水無月と渚とはよく喋るが茜先輩とはこんなに喋ることはないので今回観覧車に乗ってよかったかもしれない。

そして長いようで短かった観覧車は1周を廻り俺たちは観覧車から降りた。



「うーん。観覧車乗れてよかったね」

「そうだな。これならまた来たとき乗ってもいいな」

「フフ、そうね」


けれど次来るときはもっと早めに観覧車に乗った方がいいのかもしれない。正直あの列に長時間並びたくもない。


「朝倉君、そろそろ時間ですので集合場所に行きましょうか」

いつの間にか集合時間10分前となっていた。本当に待ち時間でほとんど時間使ってしまったな。


「そうですね。それじゃあ行きましょう」

観覧車に乗ってたからか歩くと変な感覚だがなんとかゆっくりと集合場所まで歩いていった。




集合場所に着くとすでに皆が揃っていた。


「朝倉先輩、お久しぶりでーす」

「美琴お久しぶりって、2時間ほど前に会ったじゃないか」

「だってー私だけ先輩と一緒に行けなかったんですよぉ。ひどいです・・・」


そういえば俺は美琴以外の人と一緒にまわったんだよな。


「そう言われてもなぁ・・・。うーん、それならいつか時間があったら一緒に行こうよ」

「それ本当ですか!?」

「あ、あぁ。時間があるときにな・・・」

「約束ですよ!?やったー先輩とデート♪」

美琴は嬉しそうにくるくるとその場で回り始めた。まぁ美琴がこれほど喜んでくれるなら俺も嬉しいんだけど。


「フフ、相変わらずやるわね朝倉」

何時の間にか俺の背後に水無月がやってきていたがめんどうなことになりそうなので水無月の言ったことはあえて聞かなかったことにした。


「空君、皆もいるようだしそろそろ帰ろうか?」

「そうだな、晩飯の準備もあるだろうし帰るか」

俺は何か忘れているような気がしたが何も思い出せなかったので気にせず帰ることにした。



帰りの電車ではほとんど皆が眠っていた。よほど遊びすぎて疲れたんだろう。



電車を降りてからは歩いて家まで帰った



そして日が暮れるころには家に着いた。

家に着いたと同時に俺は忘れていたことを思い出した。


「相馬のこと忘れてた!!」

「フフ、榎本くらいどうでもいいわよ」

「そうですよ。そんなことより先輩晩飯ができるまでゲームでもしていましょう!」

「あ、あぁそうだな・・・」


ほんとに相馬の扱いがこの頃ひどくなってきてる気がする。

まぁあいつのことだし心配しなくても大丈夫だろう。

ちなみに今日の晩飯担当は渚と姉さん、そして茜先輩だ。



晩飯ができるまで料理を作らないメンバー円香、水無月、美琴、俺でゲームをしていた。

パズルのゲームをやっていたのだが意外と俺以外3人とも強くて全然歯が立たなかった。

俺もこのゲーム少しは自信あったんだが・・・。少しは練習しなくてはいけないかもしれない。



しばらくして晩飯ができたらしく俺たちはゲームを終えてリビングへ行くとテーブルの上には多くの料理があった。様々な料理を見ながら俺は自分の席へと座った。


「それじゃあいただこうかな」

「うん。いただいちゃって~。ちなみにお姉ちゃんは餃子を作ったんだよ~」

「私は野菜炒めだよ」

「私は・・・ご飯を炒きました・・・」


姉さん渚は相変わらず料理作るのはうまいけどまさか茜先輩はご飯を炊くだけとは・・・。


「お姉ちゃんったら料理まともに作れないもんね」

「ま、円香!そんなこと言わなくていいの!」

円香先輩が料理できないなんて意外だったな・・・。円香が家では先輩のことおっちょこちょいって言ってるし作らせてないのかもしれない。



「それじゃ皆さんご一緒にいただきま~す」

「「いただきまーす」」


料理を食べているときはたくさんの料理があったのでどれを食べようか迷っていたが姉さんと渚が作った食べ親しんでいる料理なので安心して食べることができた。



そしてこの後皆と談笑しながら食事をしていた。

それにしても相変わらず渚と姉さんの料理はおいしかった。


「姉さん、渚料理ごちそうさま。おいしかったよ」

「空君に喜んでもらえてるならお姉ちゃん幸せだよ~」

「おいしく食べてもらえたならよかった。それに料理の腕落ちてなくてよかったよ。」



「あの、朝倉君?一応私も料理手伝ったんですけど」

「え?あ、そうでしたね!いや~ご飯おいしかったですよ!ごちそうさまでした」

「いえ、別にいいんですけど・・・。お粗末さまでした」


先輩はどこか納得のいってない様子だった。

ご飯だけといっても一応料理は手伝ったんだよな。完璧に忘れていた・・・。



「それより空君お風呂はどうする?」

「ん~俺は後でいいから姉さんたち先入りなよ」



「フフ、私たちを先に入れて後で私たちの残り湯を楽しむつもりね。やるわね朝倉」

「やっぱり俺が先に入るよ」


後ろから水無月の余計な言葉が聞こえたのでやっぱり俺は先にお風呂に入ることにした。





1日だけ自分家の風呂に入らなかっただけなのに随分久しぶりのように思えた。

というか昨日の桜川温泉が広かったこともあり家のお風呂が小さく見えてしまった。


そんなことも考えながら俺は体を洗っていくことにした。


頭からシャワーをかけていくが今日のシャワーのお湯は特別気持ちいいように感じた。よほど今日は疲れがたまっているのだろう・・・。


この後はいつも通りシャンプーで頭を洗い石鹸で体をこすりという順序だ。

そして僕は一旦シャワーを置き頭を洗い始めた。





「朝倉ってシャンプーするときは目を瞑るのね」

「あぁ、目に入ると嫌だからな」

下手に目にシャンプーが入った時のあのしみる感覚が嫌なんだよな。というか痛いだろう・・・。


「でも目をぎゅって瞑ってる時の朝倉はかわいいわよ」

「何言ってるんだよ・・。別に瞑りたくて瞑ってる・・・・って、えっ!?」


何かおかしいと思った・・・。というよりなんで俺はひとりで風呂に入っているのに「誰か」と喋っていたのだろうか。


「フフ。どうしたの急に変な声出して?」

「その笑い方、水無月だな!?」


頭を洗っていて分からないがこの笑い方はひとりしかいない。しかも今水無月は俺の後ろに居る・・・。


「あら、よくわかったわね。さすが朝倉ね」

「そんなこと言ってる場合か!なんでここにお前が居るんだよ!?」

「私は朝倉の背中を洗いにきただけよ」

「余計なお世話だって!」


俺はなんとか早く頭を洗い水無月をつまみ出そうとするために後ろを振り返った。


俺の後ろには確かに水無月が居たのだが、その水無月の姿はタオルを体に巻いているだけというオープンな姿だった。


「ちょ、ちょっと待てよ!!何でそんな格好してるんだよ!?」

「そんな格好って言われてもお風呂だから当たり前の格好じゃない?」

水無月の言うとおり確かにその通りなんだけど・・・・。いや、でもだってこれは・・・


「そうだけど・・・。いやいや!そうじゃなくてお前がここに居ることがおかしいんだって!早く出ていけよ!」

「フフ、遠慮することないわよ。私が朝倉の背中こすってあげるから」

「ちょっと待てって!」


準備がいいのか水無月はすでに俺の背中をこする用意ができていた。


「朝倉、そんなに動いてると体洗えないわよ」

「やめろって!おい、無理やりこすってこようとするなよ!」


水無月は俺の背中を持っているナイロンタオルで無理やりにもこすろうとしてきた。

俺はなんとかその行為を止めようと必死で体を動かしていた。


「やめ・・・っ、、うわぁ!!」


水無月から逃げるため必死に体を動かしているとバランスを崩してしまった。





「いたたっ・・・。水無月大丈夫か?」

「フフ、朝倉大胆ね」


俺は体を少し起こして状況を把握した。

今俺の下には仰向けに倒れている水無月が居る。そして俺はその仰向けになっている水無月に馬乗りをしているという状態となっていた。



「ご、ごめん!水無月!!」

馬乗りの状態から俺はなんとか立とうとしたが立とうとした途端何故か水無月に腕をつかまれてしまった。


「ねぇ、朝倉。普通こんな時なにかするでしょ?」

「な・・・なにかって?・・・」

「フフ、わかってるくせに」


俺たち二人の今の体制はやばいが、もっとやばいのがふたりとも裸という状態だ。

今さっきバランスを崩したときに水無月がつけていたタオルが取れてしまっていたのだ。

なので水無月は現在裸で、それに水無月の奴意外と胸がある・・・・・・って俺は今こんな時なんてことを考えてるんだ!?







「あの、朝倉君水無月さん。あなた達は一体何をしているんですか?」

「え?」


ドアの方から声がしたので見てみるとそこには茜先輩が居た。










「全くあなた達ふたりは問題ばっかり起こして!」


風呂から出ると茜先輩に呼び出されて俺と水無月はリビングにやってきていた。

ちなみに俺だけ正座をさせられている・・・。


「そうだよ、空君!まさかまた彩音ちゃんとこんなことするなんて!」

「空がこんなことするなんて・・・」

「先輩、嘘ですよね!?」

「空君って意外とやり手だったんだね」


なんで俺だけ皆からこんなに責められているのだろうか・・・。


「ちょっと待ってよ皆!なんか俺が悪いみたいな感じになってるけど明らかに悪いのは水無月だって!」

「フフ、でも朝倉なかなか楽しんでたじゃない」

「そんなわけないだろ!ていうか余計なこと言うなよ!」

「空君、どういうことかな~?」


いつもの姉さんと明らかに違う様子の姉さんがそこには居た。なんだろうオーラが凄いんだけど・・・。

皆の様子だが、哀れんだ目で見ている渚。泣きそうな顔になっている美琴。少しだけ興味津々のような顔をしている円香。それに怒っているようだが呆れきった茜先輩がいる。

共犯というより明らかに今回の主犯の水無月は相変わらず笑っているし・・・。





この状況まるで地獄絵図だな・・・。











「ひどすぎる・・・」

あの後俺は皆に、おもに姉さんと茜先輩から長い時間説教をくらっていた。

そして今はリビングでひとり寝ていた。

茜先輩に危険人物扱いをされて今日はリビングで寝ろとのこと・・・。

なんだろう、少しだけ昨日ここで寝た相馬の気持ちがわかる気がする。

そういえば今まで自分のことで大変ですっかり忘れていたが相馬はどうなったんだろう?

ここに来なかったけど無事に家に帰れたのかな?

まぁそんなことよりも今はもう寝よう。今日会ったことは寝て忘れよう。




俺は布団を頭からかぶって寝ることにした。







だがいざ寝ようとしてもそうすぐには眠れなかった。

というより風呂での水無月の裸を思い出してしまった・・・。

余計に眠れない。というか眠れるはずなどない。


俺が眠れないと悶えているとき廊下の方から人の気配を感じた。

正確にいえば誰かが足音をたてて近づいてきていた。


この広いリビングで一人居るせいか何故か凄く怖くなってきた。

俺は目をぎゅっと瞑り布団の中でじっとしていた。



足音はだんだんと俺の方へと近づいてきて、ついに足音は俺のそばまで来ると足音は止まった。


たぶん俺の足元でその足音の持ち主が居る。

怖いが、このままでもいけないので足音の正体を確認したほうがいいかもしれない・・・。



俺は意を決して布団から少しだけ顔を出して薄目で確認をした。

そこには・・・






美琴がいた。






「美琴!?」


俺は足音の正体を美琴だとわかり布団から体を起こし美琴に声をかけた。

美琴は俺が急に起きてきたからなのか少し驚いた様子だった。


「あれ?先輩起きていたんですね」

「ちょっと眠れなくてね・・・。いやいや、そうじゃなくてなんで美琴がここに居るんだ?」

「それはですね・・・」

「それは?」

「先輩と一緒に寝ようと思いまして」

「却下だ」


美琴に向けてそう言うと俺は美琴を追い払うかのように背中を押してリビングから出ていかせた。


「先輩ひどいですよー!」


また姉さんや茜先輩たちに勘違いされたらたまったもんじゃない・・・。



美琴を追い払った後再び俺は布団へと入っていった。





それから数十分後微妙にうとうとしてきたところでまたしても足音が聞こえてきてリビングへと入ってきた

今度は誰かも確認せずに俺は布団から起きた。


「お前なにしてるんだよ・・・?」

布団から起き上がるとそこには水無月が来ていた。



「夜這いかしら?」

「帰れ」


俺はドアの方へと強く指を指して水無月を出て行かせようとした。


「フフ、照れちゃって」


水無月は意外とすんなりリビングから出て行った。

というか夜這いって・・・相変わらずあいつの考えていることがわからない。





水無月を追い出した後次こそは絶対寝るぞと心で誓い俺は布団へと再び入った。






それからどれくらいの時間が過ぎた頃か・・・

俺はやっと睡魔がやってきてもう寝そうになっていた。


その時どさりとすぐ傍に何かが転がるような音で、一瞬俺は眼が覚めた気がした。

しかしどうしても眠たすぎて、それが夢か現実か確かめる気も起らないまま、何時の間にか眠りへとついていた。










「な・・・!?」

翌朝、何故か苦しくていつもより早く目が覚めると円香が俺を抱きしめるような形ですやすやと眠っていた。


そんなことより状況を整理しなくちゃ・・・。

まず、昨日の夜中に聞こえた何かが転がるような音・・・。あれは夢なんかじゃなくて現実で起こったことだったのだ。

そしてその音の正体は円香だったんだ。


「というか何故円香がこんなところに・・・?」


まさか、寝ぼけていた・・・?だけど部屋からリビングまで寝ぼけて来るとかよっぽどだろ。



いや、そんなことより今は皆が起きてこないうちに円香をなんとかしないといけない。


「円香起きろっ!」


俺は円香を起こそうと必死で肩を揺さぶり円香の名前を呼びかけていたが全く起きない。

これだけ必死で起こしているというのに円香は気持ちよさそうに寝息をたてながら寝ていた。


これはまずい・・・。まさかここまで円香が起きないなんて。

このまま呼びかけていても起きそうにないし・・・。しかもこれだけ騒いでいると誰かが来るかもしれない。




ここは円香を起こさないようにそっと部屋に戻すしかない・・・。

俺はヨシと胸で決意してなんとか助かる唯一の方法をすることにした。


布団で寝ている円香の背中に自分の右腕を、そして左腕を細い太ももの下へ。

うまく腕が配置につけたことを確認しゆっくりと身体を持ち上げた。

この今の円香を持ち上げている格好は外からというよりどこから見ても「お姫様抱っこ」というものだろう。

初めてこういうことをやったのだが女性ってこんなに軽いものなのかな?それとも円香が軽すぎるのだろうか?


いやいやそんな事を考えている場合じゃなかった。今は一刻も早く円香を部屋に返すというミッションをクリアしなくちゃいけないのだ。

確か円香の寝ていた部屋は姉さんの部屋だったはず。確かそこには茜先輩と姉さんも一緒に居たはずだ。絶対に起こしてはいけない・・・。



俺は円香を抱いたままゆっくりと階段を上って行った。それにしてもよく寝ているなぁ。



姉さんの部屋へ来ると密かに気合を一発。静かに徐々にドアを開けていった。

なんとかドアを開けるとそこにはベッド1つとベッドの横には2つ布団が並んでおり一番奥のベッドには姉さん、ベッドの隣の布団には茜先輩が眠っていた。

ということはたぶんこの一番手前の布団が円香の寝ていた布団だろう。一番手前の布団でよかった・・・。



俺は円香の布団だと確信をすると戸惑うこともなくそのまま動きを止めず気を付けながらゆっくりと布団に向けて移動を開始した。



少し緊張したせいもあり少し時間がかかった。だがなんとかうまく敷布団へと円香を返すことができたので後はそっと布団をかけてやるだけだ。




「朝倉君・・・?」

「え、あ・・・・」


円香を布団に返して全てが終わるという寸前。掛け布団を円香の肩まで被せたところで横に居た茜先輩が起きていた。




うん、これはミッション失敗だな。








「あの、わかってると思いますけど俺今回は被害者のほうですからね?」

昨日と同じく俺はリビングで正座をさせられていた。茜先輩たちに説明はしたのだが俺の話など聞いてはくれなかった。

ちなみにまだ朝早いというのに今リビングには皆が揃っている。


「ということですが円香どうなの?」

まだ眠たそうにしている円香に怒っている様子の茜先輩は聞いた。


「確かに空君は何もしてないよ」

「じゃあなんで朝倉君と一緒に寝ていたの?」

「うーん、空君がリビングで一人じゃ退屈だろうと思って、遊びに行ったんだけど空君眠ってて空君の寝顔見てたら私も眠くなってきて空君の布団で寝ちゃってたみたいな」


そういうことだったのか・・・。


「全くあなたって子は・・・」

「えへへ、ごめんなさい」

「でも、これで俺が無実だってことわかりましたよね!?」

「そうですね。ごめんなさい朝倉君疑ってしまって」

「え、いや別に気にしてないので」


正直怪しまれていたことに気にしていないことはないのだが茜先輩が謝って来てくれたので気にしていないということにした。


「ほら、円香も朝倉君に謝りなさい。今回はあなたがいけないんだから」

「空君ごめんねー。でも空君の寝顔かわいかったよ♪」

「あはは・・・」


円香はそう言って謝ってくれたがなんて返事をすればいいか困ってしまった。




「これで全て解決だね!でも私は空君が何もやってないって信じてたよ~」

「私も先輩のこと信じてましたよ!」

「フフ、私は朝倉の事期待してたんだけどね」

「皆にわかってもらえてよかったね空」


この事件の事が終わると周りに居た皆が会話に入ってきたが水無月は何を期待していたのだろうか・・・。




「それじゃあ皆ご飯にするよ~」

姉さんがそう言うと皆は朝食を食べるべくテーブルの方へとむかっていった。






この後皆でいつもより少し早い朝食を食べた。

食べている間は皆と喋っていたのだが会話の中で誰一人相馬のことを気にする人は居なかった。





「さてと、そろそろ帰る準備しないとね」

「え、もう帰るの茜ちゃん?」

「ええ。母さんと父さんが今日外の方へと出ていくから早めに帰らないといけないのよ」

「そうなんだ~。でもしょうがないね」

「そういうこと。さ、円香も準備しなさい帰るわよ」

「えーもっと空君達と遊びたいのに」

「まぁまぁ円香。茜先輩も急いでるし」

「んーそうだけど・・・」

「それにいつでも遊びに来ていいから」

「え、それ本当!?」

「ああ、円香がいいならいつでも・・・」

「やったー!空君約束だよ!?よーしお姉ちゃん帰る準備するよー」


円香は嬉しそうに帰る準備をするため部屋へと向かっていった。ちょっといつでも遊びに来ていいっていうのは言い過ぎだったかな?

でもあそこまで円香が喜んでくれたのなら別にいいかな?


「あのー先輩私もそろそろ帰らなくちゃいけないんですよ」

「美琴もか。何か用事なの?」

「はい。おばあちゃんの所に行かないといけないんで・・・。私も先輩ともっと一緒に居たかったです・・・」

「あはは・・・。美琴もいつでも来ていいから」

「はい!では私も帰る準備してきますね」


美琴も荷物をまとめるべく部屋へと戻って行った。


「それじゃ私もそろそろ帰るとしようかしら。部活動もしないといけないからね」

「だからお前はなんの部活に入ってるんだよ」

「フフ、そんなに気にしてるのなら今度招待してあげるわよ」

「それは遠慮する」


水無月の入っている部活は気になったがこいつに付き合ったらろくなことが起きないので遠慮した。

水無月はすでに昨日のうちに帰る準備をしていたらしく俺と一通り喋ったらさっさと帰って行った。



そのあとに円香と茜先輩、美琴も帰る準備が終わり俺たちに挨拶をして帰って行った。



「一気に人が居なくなるとなんか家が広く感じるな」

「そうだね。でも楽しかったね」


今家に居るのは姉さんと俺、渚の3人だ。姉さんは朝食の洗い物をしている。


「というか渚はまだ居るのな・・・」

「なによー。なにか文句あるの?」

「別にないけどさ・・・。ほら、姉さんの片づけでも手伝うぞ!」


俺は渚から逃げるように姉さんの洗い物の手伝いをしに行くことにした。





まだゴールデンウィークは続いているのだが今年のゴールデンウィークは騒がしくも楽しかったような気がする。

まぁ大変なことも何回もあったんだけど・・・。



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