表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

前途多難のゴールデンウィーク

高校生となって早1ヶ月も経った。5月になると少しは高校生活にも慣れてきたとは思う。

だけどさすがにあの1件以来生徒会の人たちは苦手だけど・・・。しかも俺関係ないはずなのに。


「疲れてるわね朝倉」

姉さんと登校途中考えてごとをしているといきなり水無月が現れ話しかけてきた。


「お前いつの間に・・・。」

「フフ。困っているなら私に相談しなさい」

「いや、別に困っていることはないんだけど。ただ生徒会が・・・」

「生徒会・・・。確かに朝倉と私の計画にめんどくさい相手ね」

「いやいや待てよ。計画ってなんだよ!?」

「まだ朝倉には秘密よ。もう少ししたら教えてあげるかど」


「なんか知りたいような知りたくないような・・・」


そんな話をしながら俺達は登校するのだった。




〜桜川学園〜


「じゃあ姉さんここで」

「うん。またね空君、彩音ちゃん」

「それでは朝倉先輩」


姉さんと別れて教室にむかうと相馬と珍しく早く渚が来ていた


「空に彩音おはよ」

「おいっす」

「ふたりともおはよう。あれ渚が俺より早く来るなんて珍しいね」

「む~なによぉ珍しくって!私だって早く来る時ぐらいあるよ~」

「へぇ渚ってそういう時もあるのね」

「も~彩音まで~!」


こうしてみんなを見ているとほんと初めて会った時より仲良くなったと思うな。


「なにボーっとしてるんだ空?」

「いやなんでもないよ」

「それより今度のゴールデンウィークどうするよ?」

「いや、特になにも考えてないけど」

「なんだよ、おもしろくないやつだな~!」


「空は毎年ゴールデンウィークの時は外に出るのはだるいからって言ってほとんど家で寝てるじゃない」


「なんで渚が知ってるんだよ!?」

「だって毎年ゴールデンウィークに空の家に行ったら部屋で寝てるんだもん」


こいつ勝手に俺の部屋入ってたのか・・・。


「そういえば起きたらリビングに毎日お前居たな」

「なんだと!?空は毎年渚ちゃんとゴールデンウィーク過ごしているのか!!」

「いや、こいつが暇だとか言って勝手に来てるだけだよ…。それに姉さんもいるし」

「くっそー!!なんてうらやましい奴なんだよ!お前なんて地獄に落ちやがれ!」

「なんだよ、それ…」



「だったら今年は私が朝倉の家に行っちゃおうかしら」

「えっ…なに言ってんだよ水無月」

「あら、渚はいいのに私はいけないのかしら…」


こいつ絶対になにか企んでる…。でもこいつ断ったら大変なことになりそうだしな。


「まぁ別に来てもいいけど」

「フフ、いい子ね」

「俺も俺も!空の家行くぞ!」

「じゃあ私も!」


あ~なんかややこしいことになってきたな…

「フフ。それじゃあ決定ね。ゴールデンウィークは朝倉の家に皆で行くわよ」


「あぁ、もう勝手にしてくれ!」



「おーい!皆席につけ。朝のホーム始めるぞー」


結局水無月たちはゴールデンウィークは俺の家に来る事になった。俺はなぜか今年のゴールデンウィークは大変なことになりそうだなと考えながら今日一日過ごすのだった。





「朝倉せーんぱい♪一緒に帰りましょ」

「いいけど、わざわざ教室まで来なくてよかったのに」

「だって朝倉先輩と一緒に帰ることが楽しみですから」


「美琴いいところにきたわね。美琴はゴールデンウィークはどう過ごすの?」

「いえ、まだなにも考えてないですよ」

「お、おいお前まさか…」

「フフ、美琴ゴールデンウィークには朝倉の家に遊びに行くことになったからあんたも来なさい」

「えっ!朝倉先輩の家ですか!?行きます行きます!」

「決定ね。いいわね朝倉?」

「お前なぁ…」

「あの、朝倉先輩私行ってもいいですか?」


美琴におもいっきりこんなに見つめられたらさすがに断ったりもできないだろう。

「全然大丈夫だよ」

「やったぁ!私楽しみにしてますね!」









「あ、空君遅いよ〜」

「ごめん姉さん。教室でちょっと話してて」

「空、瑞穂先輩にゴールデンウィークのこと話しておいたほうがいいんじゃない?」


「そうだな」

「ん?ゴールデンウィークのことってなに?」

「え〜と実は・・・」


俺は姉さんにゴールデンウィークについての予定を簡単に話した。


「なるほど〜。皆家に遊びに来るんだ!楽しみだな〜。じゃあ私も茜ちゃん呼ぼうかな〜」


「是非!茜先輩も呼んでください!美女が増えるのは俺様大歓迎!!」


「おい、相馬!茜先輩が来たら俺がヤバいんだけど・・・。また追いかけられたり説教がありそうだし・・・。なぁ水無月・・・?」


「私は全然いいわよ。そのほうが面白そうだしね」

「面白そうって・・・。ま、まぁ姉さんの友達だし。しょうがないか。危なくなったら逃げればいいし」


「ありがとう空君。じゃあ明日にでも茜ちゃん誘っておくね」


「よっしゃー!今年のゴールデンウィークは楽しくなりそうだぜ!」


「フフ、楽しみね」

「先輩の家・・・。あわわ」

「空の家よく行ってるけど今年はもっと楽しくなりそうだね」


皆予定をたててはしゃいでるけど俺的にはあまり喜べないんだが…


「ん?空どうしたの?」

「いや、なんでもないよ。それよりここで話してるのもあれだしさっさと帰ろう」


この後もゴールデンウィークのことを話しながら俺たちは帰っていった。

そして夜…



「空君電話だよ~」

「え、姉さん橘先輩と電話してなかったっけ?」

「なんか空君に代わってほしいらしいよ」

「先輩が?一体なんだろ…」


嫌な予感がすると友に電話を代わった


「もしもし…」

「あ、空君だ!お久しぶり!」


あれ、この声って確か…

「えっともしかして円香?」

「そうだよ。もしかして気づかなかった?

「いや、なんで円香が俺に電話してるのかと思ってさ」

「なるほど。それより空君のお姉ちゃんって瑞穂先輩だったんだね!?」

「あぁそうだよ」

「まさか瑞穂先輩が空君のお姉さんだったなんて私びっくりしたよ。これもなにかの縁かな~?」

「はは、そうかもね」

「あ、それで本題なんだけどさ〜」

「ん?本題?」

「うん。ゴールデンウィークにお姉ちゃんが朝倉君の家に遊びに行くらしいけど私も行っていいかな?」


「あれ?なんで円香がゴールデンウィークに先輩が家に来ること知ってるの?」


「今さっきお姉ちゃんと瑞穂先輩が電話で話してるの横で聞いててお姉ちゃんに無理矢理電話かわってもらったんだよ」


「なるほど。俺は別にいいよ」

「ほんと!?ヤッター♪」

「じゃあまたゴールデンウィークにね」

「うん!ゴールデンウィーク楽しみにしてるね。それじゃあね空君!」


電話を切った後、考えてみるとなんか流れで円香が家に来るの承諾したなと思った。

まぁ円香なら特に変なこともしないだろう・・・。


「空君、ご飯できたよー」

「うん今行くよ」



ゴールデンウィークまでまだ5日はあると思っていたらいつの間にか5日過ぎてしまいついにゴールデンウィークの日初日を迎えるのだった


「ついにこの日が来たか…」

「空君おはよ~。皆もうそろそろ来るから部屋綺麗にしとかないとね」


姉さんは鼻歌まじりで掃除を始めた。そんな姉さんを横目に見ながら俺はソファーでボーっとただ座っているのだった。


「何呆けてるのよ」

「あ、渚来てたんだ」

「空が起きてくる1時間前には来てたよ。ほんと朝弱いんだね」

「色々考えてたら寝れなくてね」

「色々ね~。それよりここで呆けてる暇があったら瑞穂さんを手伝ってあげなよ」

「わかってるよ」

めんどくさいと思いながらも姉さんを手伝いに行こうとしたらチャイムが鳴った

「来たか」

「おいーっす空!」

「フフ、来てあげたわよ」


玄関に行くと既に相馬と水無月が中に入ってきていた

「いらっしゃい。あれ、2人は一緒に来たの?」


「いいえ、相馬は道で迷っててうろうろしていたから私が助けてあげたの」


「なるほど」

あんなにわかりやすく地図書いて相馬に渡したのに迷っていたのか・・・。


「まぁそういうことだ。それじゃ、お邪魔しまーす!」


「お邪魔するわね」


相馬と彩音が中に入っていったので俺も戻ろうとしたがまた再びチャイムが鳴った。


「はーい」

ドアを開けるとそこには茜先輩と円香がいた。


「ヤッホー空君♪」

「こんにちは朝倉君」


「いらっしゃい円香に茜先輩」

「今日はご招待ありがとう朝倉君。でも気は抜かないようにね。私達はあくまで敵みたいなものだから」


「はは、わかってますよ・・・」

「お姉ちゃん、そんなことより早く中に入ろうよ。朝倉君も」


「ええ、そうね」


円香に助けられこの場はなんとかなったがこの後なにかあるんじゃないかと心配になった




「茜ちゃんに円香ちゃんいらっしゃ〜い」


「瑞穂今日はお世話になるわね」

「瑞穂先輩、ご招待ありがとうございます」


「いえいえ、なにもないところだけど楽しんでね」





「おい、朝倉あの茜先輩の隣にいる美少女は誰だ?」

「あぁ、茜先輩の妹だよ」

「なに!茜先輩に妹が居たのか!?だが、それよりなんでお前が茜先輩に妹が居たこと知ってるんだ?」


「まぁ、この前色々とあってね」



相馬と話しているとき円香は俺達のところへやってきた。


「初めまして。橘茜の妹の橘円香です。よろしくね!」


「円香ちゅわんよろしく!俺相馬!」


「フフ、まさか妹がいるとはね。水無月彩音よ。よろしくね円香」


「私のことは渚って呼んでくれていいからね。よろしく円香ちゃん」


「うん!よろしくね皆!」

どうやら円香はもうここにいる皆と打ち解けたようだ

「空君もまたよろしくね」

「あぁ、よろしく」


「またって空と円香ちゃんは今日が初めて会ったんじゃないの?」


「えっと、それは・・・」


「空君とは少し前お姉ちゃんが酔ってた時連れて帰ってきてもらって初めて会ったんだよ。あと一緒に遊びにも行ったんだよ。あの時は楽しかったな〜」


「一緒に遊びに?」


途中までいい感じだった空気が嘘のように変わった。絶対円香の言った事だ・・・


「おい、空!円香ちゃんと一緒に遊びに行ったのか!なんでお前ばっかり!!」

「そうだよ!空どういうことなの!?」


「フフ、修羅場ね・・・」


水無月の言ってることはともかく渚と相馬をどうにかしなければ・・・

「だから、たまたま外で会って遊びに行っただけだって!だよな、円香?」


「え〜それだけだったかな〜?」

円香のやつこの状況を楽しんでる・・・。


「お前なんて地獄に落ちてしまえ!」


「ちゃんと説明してよ空!!」


ヤバい・・・円香がちゃんと言ってくれないから状況がもっと悪い方向に・・・。




「ほらほら、皆もうお昼だからそろそろ食べましょ」

俺が戸惑っているとタイミング良く姉さんがご飯を持って現れた。


「今日の昼食は空君の好きなお姉ちゃん特製チャーハンよ!」


「おぉ!瑞穂先輩の手作りチャーハン!」

「姉さんのチャーハンかぁ!おいしいんだよな。ほら、早く渚も食べに行こう」

「ちょっと、空!話しはまだ終わってないんだからねー!」


喋っている渚の手を無理矢にとり食べに行った


「フフ、楽しくなりそうね」







「うおー!!瑞穂先輩の料理マジうめぇ!」


「おい、落ち着いて食べろよ相馬」

「これが落ち着いてられるかよ!なんならお前のぶんも食べてやってもいいぜ」

「誰がお前にやるか!」


「でも、瑞穂さんの料理久しぶりに食べるな~。ほんとおいしいです!」

「ありがとう渚ちゃん♪」

「でも本当に瑞穂の料理はおいしいわね。私も料理練習してみようかな・・・」

「お姉ちゃんが料理したらとんでもないことになるからやめておこうね」

「ちょっと円香とんでもないことってなによ!」



「フフ、なら私もやってみようかしら料理。その時は朝倉試食の方はよろしくね」


「考えておくよ・・・」


食事中は皆で様々な会話をしながら食べていた。


やっぱり人が多い方が食事は楽しいな。



「ふぅ、食べた食べた」

食べた後俺はソファーに横になった。


「こら~空。食べた後すぐ寝ると牛になっちゃうよ」

「別にいいじゃん。お腹いっぱいなんだよ」

「む~、早く起きなさーい!」

そう言うと渚は横になっている俺の体を無理やり起こそうとした


「お、おい渚やめろって・・・。ちゃんと後で起きるから」

「今起きなさいよ。今!」


「ふたりとも仲いいんだね~」


俺と渚がくだらないことで言い争いをしていると円香が話に入ってきた


「これが仲いいように思えるか?」

「そうだよ円香ちゃん!私はただ空を起こそうとしてただけで・・・」

「でも私から見たらじゃれあってるようにしか見えないんだけどな〜」


「だから、そんなんじゃないよ」


あたふたしながら渚は必死に説明していたが円香はいまいち納得していなかった


「フフ、モテる男は辛いわね朝倉」


「そんなこと言ってないでなんとかしてくれよ」


水無月に助けてもらおうとしたがこいつに頼んだ俺が間違いだった


「ふたりとも甘いわね」


そう言うと水無月はいきなり俺の手を握ってきた


「あー!彩音なにやってるの!?」


「空君もなに嬉しそうな顔してるの!?」


「ちょっと待て俺は全然嬉しそうな顔してないし、ほんとなにやってんだよ水無月!」

「フフ、なにって私は朝倉を助けてあげてるのよ」

「全然助けになってないよ!」

「こらーはやく手を離しなさいよー!」


渚と円香が必死に水無月の手を離そうとしていたがなかなか水無月は手を離そうとしようとはしなかった

そんなことを続けていると電話が鳴り始めた


「あっ、電話だちょっと水無月手離してくれよ」

「仕方ないわね…」

なんとか電話に助けられ俺は電話にでた。


「もしもし朝倉です」


「あ、先輩!私です。美琴です!」


「あ〜美琴か。どうしたんだ皆来てるぞ」


「はい、私も早く行きたいんですけどちょっと用事ができちゃって・・・」


「あ、そうなのか。じゃあ今日は来れそうにないか」

「いえ、夕方頃には絶対行きます!」


「いや、そんなに急がなくても明日もあるし大丈夫だぞ」


「私は今日行きたいので!それじゃあ待っててくださいね先輩!」


そう言うと美琴は電話を切った。


「夕方来ても遅いだけなんだけどなぁ。まぁ来るのを待ってるか」




そして皆でいつものように話などをしているといつの間にか夕方になって時計の針は5時をさしていた。



「そろそろ美琴が来るはずなんだけど・・・」


美琴の事を考えているとタイミングよくチャイムが鳴った。


「あ、美琴ちゃんが来たんじゃないの?」


「多分そうだね。俺が出るから姉さんは座っててよ」

「うん。空君ありがとう」


玄関に行きドアを開けると美琴がいた。


「こんにちは、先輩!来ちゃいました」


「あぁ、うん。待ってたよ。とりあえず中に入りなよ」


「はい!お邪魔しまーす」





「あ、美琴ちゃんいらっしゃい」


「はい、お邪魔します瑞穂先輩」


「あれ、瑞穂先輩この子は?」


「そういえば円香ちゃんは美琴ちゃんに会うの初めてだね。美琴ちゃんは私達の学校の後輩だよ」


「そうなんですか。初めまして美琴ちゃん。私はそこにいる茜の妹の円香だよ。よろしくね」


「はい、よろしくお願いしますね円香先輩!」

「あのさ、自己紹介してるところ悪いんだけどさちょっといいかな?」


「なんですか、先輩?」


「えっと、ずっと気になってたけど美琴もそうなんだけど皆もなんでそんなに荷物多いの?」


「お泊まりセットですよ」

「お泊まりセット?え〜っとお泊まりってここで?」

「はい、そうですけど。先輩聞いてないんですか?」


「俺聞いてないんだけど・・・。皆もまさかそのつもりで・・・」

「当たり前じゃん。俺なんか遊び道具大量に持ってきたぜ!」


「私とお姉ちゃんもお菓子とかたくさん持ってきたよ」



どうやら皆は本当に泊まるつもりで来ていたらしい



「水無月は知ってたのか?」


「フフ、当たり前じゃない。このお泊まり計画は私が考えたんだし」


「お前だったのか・・・。なんで俺に知らせなかったんだよ?」


「だってそのほうが面白いじゃない」


「面白いって・・・あのなぁ・・・」

「あ、あの先輩。私先輩がいやだったら私帰ります」


「いや、ただ俺はびっくりしただけだよ。だから大丈夫だよ」

「ありがとうございます先輩!」


毎回思うが美琴の上目遣いに俺弱いんだよな・・・


「もちろん私も泊まっていくよ空!」

「別に渚は家が隣なんだから泊まらなくてもいいだろ」

「だって私だけ仲間はずれなんて嫌だもん!」

「わかったよ・・・」


こうして皆は家に泊まることとなった。



「おーいみんな温泉行こうぜ!」


「わざわざ温泉行かなくても家の風呂に入ればいいんじゃないの?」



「わかってないな空!温泉は皆で行くから楽しいもんだろ!それに温泉とか普通じゃあまり行かないからこういう機会に行くべきだと思うぜ!!」



「あ、あぁわかったよ。じゃあ皆温泉行こう・・・」



「さすが空!親友!」


なんか相馬のやつ凄い力説だったけどまさかなにか考えてるんじゃないだろうか・・・。


「わーい温泉だ!やっぱりこの近くの温泉だというと桜川温泉ですね」

「フフ、楽しみね。たまには榎本もいいこと言うじゃない」


こうして俺たちはここから近くの桜川温泉に行くことになった。



「ここの温泉久しぶりに来るな」

「そうだね~。よく空君と渚ちゃんと来てたよね」

「さ、みんな入ろうぜ!」

「それじゃあ先輩ここで!」

「お姉ちゃん早く入ろうよ!空君後でね~」




俺達はそれぞれ男湯女湯に分かれて入っていった。

ちなみにここの温泉は混浴ではない。




「ふっふっふ・・・」


服を脱ごうとしていると急に不気味な声で相馬が笑いだした。



「どうしたんだ相馬?急に笑いだしたりなんかして」


「これが笑わずになんかいられるかよ。実はなこの温泉の男湯には秘密ののぞきポイントがあるのだよ!」



「お前もしかしてそんなことのために温泉に行こうとか言ったりしたのか・・・」


「そんなことだと!せっかく俺が親友であるお前を秘密ののぞきポイントに連れていってやろうと思ったのに!」


「いや、俺は別に・・・。ていうかなんでお前がそんな秘密なところを知ってるんだよ?」

「フッ、無駄に桜川温泉に通いつめた俺をなめるなよ。それぐらい知ってて当然さ」


「はぁ、そうなのか」


「さぁ戦場へと向かうぞ空!!」



「おい!待てよ俺は別に・・・」


相馬は俺の話を聞かずに無理やり引っ張り中へと入っていった。









「さぁここだ空!」


外の方にある秘密ののぞきポイントというところに来たがそこはなにひとつ変わらず温泉があるだけだった


「どこだよ・・・」


「落ち着け落ち着け。壁のところにある石をのけてだな・・・」


そう言うと相馬は男湯と女湯を区別する壁のとこにある少し大きめの石をのけた。すると、のけたところから小さな穴が見えた。



「どうだ、空!」


「どうだって言われても・・・。なぁやっぱり普通に温泉に入ろうぜ。それに他の人もいるし明らかに俺達怪しいし」



「なにを言ってるんだ!?他の人は関係ない!お前は見たくないのか女性陣の裸を!」


「いや、でもなぁ・・・」



「渚ちゃん、瑞穂先輩の裸はどうだ!?」



「どうって言われてもあの2人は小さい頃一緒に風呂に入って何回か見たことあるし・・・」


「小さい頃と一緒にするな!今は絶対半端ないぞ!!じゃあ水無月に美琴ちゃんは!?」



「水無月はなんかあとが怖いし・・・。美琴は・・・・・ってなんでこんなこと考えなきゃならないんだよ!」



「円香ちゃんに茜先輩はどうだ!?」


「うッ・・・。」


あんまり考えたくないけどこいつの凄い迫力に負けて皆の裸の姿を想像してしまう・・・



「フッ、どうやらお前の負けのようだな空。さぁ夢の世界へと行くぞ!!」

そう言うと相馬は小さな穴をのぞきはじめた。


「お、おい。やっぱりまずいって!」

「こら静かにしろ!・・・・ん、あれは・・・?」


喋っていた相馬が急に静かになった。


「どうしたんだ?」

「なんてすんばらしいボディラインなんだ!それになんちゅー美肌!」


なんかこいつ喋り方変わってるような・・・。


「空こっち来い、ここ見てみろ!早く!」

「えぇ!でもさ・・・」


のぞくのを断ったがやはりここも相馬が強引に見せようとしてきたので流されて結局はのぞいてしまった


「あ・・・」

中をのぞいてみるとそこには温泉に入っている渚たちや湯に少しだけ足をつけて話している円香達がいた


「ちょっ・・・これは・・!」

「ふふふ、どうだ空すんばらしいだろ!」

「あぁ、えっとなんていうか一応見えるんだけどよく見えないな」

「まぁそれは我慢しろ。だが一応見えるんだ。それだけでも興奮するだろ!!」




確かに興奮しないことはないな・・・ってなに俺はこんなこと思ってるんだ!

でも・・・渚と姉さんがあそこまで成長しているなんてな。


「空、まだまだ見たい気持ちはわかるがそろそろ俺に代われよ!なぁに後でたっぷりまた見せてやるさ」



「いや、もういいよ」


俺はのぞくのをやめて相馬と代わった。



「おぉ!渚ちゃんはいい体してるな!美琴ちゃんと円香ちゃんはまだまだだがこれからに期待だな!」


どうやらこいつはもうやめなさそうので俺は中の温泉でも少し入ってそろそろ出るとするか。







「ふぅ、さっぱりしたぁ」

着替えもさっさと終わらせて俺は温泉から出てきた。だが出てきたのはいいけど誰も外にはいなかった


「みんなまだ入ってるのかな?それにしても相馬のやつまだのぞいているのか・・・」

そうこう考えているうちに女性陣がぞろぞろと出てきた。



「よぅ、だいぶ長く入ってたんだな」

「ごめんね空君。でもちょっと色々あってね~」


姉さんが言った色々ってなんだろ。それに気のせいかみんなが温泉に来た時より不機嫌なような気がする・・・・。


「なぁ水無月なんかあったのか?」

「フフ、すぐにわかるわよ」

すぐにわかるって一体なんなんだ。


「瑞穂そろそろ帰りましょ。お腹空いちゃったし」

「そうだね~。それじゃあ皆帰ろうか~」

女性陣はぞろぞろと帰ろうとしていた。


「えっとまだ相馬のやつ出てきてないんだけど。待ってやらないの?」

「榎本先輩なんて知りません!それより先輩早く帰りましょ!」

あの美琴が怒ってるなんて・・・。まさかあいつ・・・


「あ、ごめん先帰ってて忘れ物しちゃった」

俺は嫌な予感がしたので急いで中に戻っていった。そして脱衣所で相馬を見つけた。



「おい、相馬大丈夫か!?」

脱衣所には体が赤くなっておりひっかかれた痕や殴られた痕跡があった。

「一体なにが・・・」

「おぉ、その子の友達かい?」


なにがあったかを考えているとすぐそばで着替えてきたおじいさんが話しかけてきた

「はい。こいつに一体なにがあったんですか?」

「その子はあの秘密ののぞきポイントでのぞいておったんじゃが興奮していてつい力が入ってしまったんじゃろうあのボロボロになっておった竹で作られた壁を倒してしまったんじゃ。それで女湯が丸見えになってしもうてのその少年がのぞいていたこともバレてしまってそうなってしまったということじゃ。」


やっぱりのぞきがバレてしまったのか・・・。それにしてもこのおじいさんも秘密ののぞきポイント知ってたのか。


「久しぶりにエエもん見させてもらったわい」

そう言うとおじいさんは脱衣所から出て行った。


「うぅ・・・空・・・」

「相馬、やっと目覚ましたか。大丈夫か?」

「大丈夫じゃない・・・。でも俺は今幸せ・・・」


これだけのダメージを食らっておいといてこんな幸せそうな顔をできるとはな・・・。


「それより早く着替えろよ。さっさと帰るぞ」

「あぁ、もう少し待っててくれ傷が痛くてうまく服を着れなくてな・・・」

「わかったよ。じゃあ外で待ってるからな」


この後なんとか相馬が着替えることができ俺達は家に帰っていった。





家ではみんなが飯を作っており待っていてくれた。

「ほらほら空君早く席に着いて食べようよ!今日は私も一緒に手伝って作ったんだよ」

「へぇ円香って料理できるんだな」

「なによ~その言い方」

「はは、ごめんごめんそれじゃあ食べようかみんな」



「あの~皆さん」

「ん?どうした相馬?」

「俺のところに料理がないんだけども・・・」


相馬のところを見ると料理がひとつもおかれてなかった。

「フフ、何言ってるの相馬に料理がないのは当たり前じゃない」

「だってそれぐらいの罰当然よね~」


やっぱりみんなはのぞきの事で相当怒っているらしい



「空〜なんとかしてくれよ〜」

「いや、俺に助けを求められてもな・・・」

「だいたいお前だって一緒にのぞいてたじゃないか~・・・」


「えっ!空君それって本当なの!?」


こいつ余計なことを・・・


「え~っとそれは~・・・」

「朝倉君、やっぱりあなたもそういう人だったのですか!」

「空君、見てたの?」


やばい、これはやばいぞ・・・

「いや、相馬を止めようとしたら無理やり見せられて、それで・・・」

「それでも同罪です!」

「うぅ~先輩見てたんだ~」


特に茜先輩がやばいな。

「フフ、でも朝倉なら見られても悪い気はしないわね」

「え?」


この空気の中水無月が意味がわからないことを言い始めた。


「そうだね、空君なら言ってくれたらお姉ちゃんいつでも見せてあげるのに~」

「それはいいんですけど、私小さいから・・・。先輩満足できなかったと思うし・・・」

「まぁでも空君だしね~」


姉さんまでおかしなことを言い始めたな。それに美琴の小さいって・・・。あと円香の俺だしって意味がわかんないぞ・・・。

「けど、空だって言ってもやっぱり恥ずかしいよ~」

渚が言ってるとおり普通はそうだろうな。


「フフ、でもこののぞきのリーダーは間違いなく榎本ね」

「うッ、それは・・・」

「そうです!全ては榎本先輩がいけないんです!」

「そうね、朝倉君は多数決でまだ助けられるけど榎本君はダメね」


これは、助かったのか・・・。

「でも、朝倉君もしっかりと反省してね!今度もしこんなことがあるようなら生徒会長に報告するからね!!」

「はい、気をつけます・・・」

「さてと解決したことだしみんな食べよ~」

「そうですね。ほら、朝倉先輩も食べましょ!この料理は私が作ったんですよ」


なんとかのぞきの話は終わったようだった。そして相馬はそのまま放置されていた。


「ねぇねぇ空君」

「なんだ、円香?」

円香は俺の耳元でなにかを囁き始めた。


「私の裸見た時興奮してくれた?」

「ちょ、お前なに言ってるんだよ!?」

「はは、冗談冗談♪でも少しでも興奮してくれてたら嬉しいな~」

「勘弁してくれよ・・・」


円香の言った事に動揺したが俺は飯を食べることにした。

食べている間は相馬の視線が痛かったが・・・





「さて、食べたことだしあとは寝るだけだな」


「明日も皆で遊びに行くし早く寝た方がいいね」



「でもさ、みんなの寝るとこどうする?俺と姉さんは自分の部屋でいいとして、あと6人は・・・」


「そのことなら大丈夫だよ空君。この時のためにお父さんが使ってた部屋きれいにしといたから。それに茜ちゃんと円香ちゃんは私の部屋で寝てくれるらしいから」


「あ、そうなんだ。じゃあおじさんの部屋は渚、水無月、美琴が使うとして相馬は俺の部屋かな?」



「フフ、それは危険ね。榎本を朝倉のところに置くとまたなにかやらかすかもしれないし、それにまた強引に朝倉を付き合わせるかもしれないわよ」


「ヴッ!」


「どうやら図星のようね榎本」


「じゃあ、相馬はどうしようか?」


「ここでいいじゃない。リビングなら広いし。それに外で寝るよりマシよね、榎本?」


「はぃ・・・」


なんか相馬のやつだいぶみんなから危険物扱いされてるな・・・



「それじゃあ俺は部屋に行くとするよ」

「おやすみ〜空君」


「俺を置いていくのかー」

途中相馬の声が聞こえてきたような気がしたがきっと気のせいだろう






「今日も大変だった・・・」

いつも通り俺はベッドに倒れ今日のことを思い返していた。



だが思い返していたら俺は温泉でのぞきの光景のことを考えてしまった



「わぁッ!俺はなに考えてるんだよ!?まさかまたあのことを考えているなんて・・・」



「フフ、なに考えてるの?」

「うわぁッ!なんで水無月がここにいるんだよ!?」


「フフ、そんなに驚かなくてもいいじゃない。ただ私は朝倉の様子を見に来たの」


こいつ相変わらず気配がないよな・・・


「別に様子なんか見に来なくてもいいよ・・・」


「そう?それより朝倉は今さっき何考えてたの?なにか独り言してたみたいだったけど?」


「別になにも考えてないよ」


「フフ、そうなの。私はてっきり温泉でのこと考えてると思ったわ」


こいつまさか俺の考えてることわかるのか・・・


「そ、そんなわけないだろ!」

「あら、そうだったの?残念。」


なんとかこの場は凌ぐことができたが水無月はまた余計なことをしでかそうとしていた。



「フフ、本当のこと言ったら少しくらい見せてあげたのに・・・」


「見せるってなにをだよ?」


「フフ、わかってるくせに」

そう言うと水無月は少しずつ服をめくり始めた



「お前、なにやってんだよ!?」

「何って、朝倉が私の全てを見たそうにしてたから服を脱ごうとしてるの」



「いいよ!見なくていいからこれ以上服をめくるな!」


俺は服を脱ごうとしている水無月の手をとってやめさせようとした。


「あら、意外と強引ね」


水無月は力を入れているのかなかなか服から手をはなさなかった。






「空くーん、なに騒いでる・・・」


その時タイミング悪く姉さんが部屋に入ってきた。

「な、なにやってるのよ空君!!」


「いやいや、ちょっと待ってよ!俺はなにもしてないよ!水無月がまたおかしな事をしでかそうとしていて止めようと・・・」


「フフ、まさか朝倉がこんなに大胆だったとはね〜。もう少し優しくしてほしかったわ・・・」


こいつ、なに余計なことを・・・!


「空君!!どういうこと!?」


「いや、だから・・・」


いつもの穏やかな姉さんがこんなに怒っていることに俺はびっくりしてしまい思うように言葉が口からでなかった。


「こうなったら・・・」


「こうなったら?」


「今日は空君の部屋で寝ます!」


「えぇーーー!?」

「フフ、なんだか面白い展開になってきたわね・・・」


「いやいや全然面白くなんかないよ!ちょっと、姉さん嘘だよね!?」


「本当だよ!空君ひとりだったら他の女の子のところ行くかもしれないし、だからお姉ちゃんが空君を監視するの!」


そう言うと姉さんは部屋を飛び出て行き半端ない速さで布団を持って部屋に戻ってきた


「ちょっと姉さん本気なの!?」


「当たり前だよ!ほら空君も寝る準備して!」


「でもさ・・・」


姉さんは俺の言うことを聞かずに布団をさっさと敷き始めた。



「フフ・・・、それじゃあ2人ともおやすみなさい・・・」


「お、おい水無月!!」


水無月は俺たち2人を置いてさっさと部屋から出ていった。


「さぁ空君、電気消すよ〜」


「あぁ、うん・・・」


結局俺は流されるような形で布団の中へと入った






「はぁ・・・」


電気は消され俺のベッドの横には姉さんが寝ている。そのことを考えるとなぜか眠れなかった。



「あはは、空君と一緒だ」

どうやら姉さんはまだ起きていたようだった


「なんかこうやって空君と同じ部屋で寝るのって久しぶりだね〜」



「そうだね。たぶん6年ぶりくらいかな?」


「そうだよ〜。私はいつでも空君と一緒に寝ていいのになんで空君は駄目なの?」


「いや、それはさすがに駄目だろ。姉さんも俺ももういい歳なんだから・・・」



「えー、私は全然気にしないのに〜」


「それでも駄目だよ」

「う〜、空君最近いじわるだよ〜。小さい時なんかいつもお姉ちゃんと一緒だったのに・・・」


「いや、そんな小さい頃の事出されても・・・。」


というより子供の頃はどっちかというと姉さんのほうが俺にずっとついて来てたような気がするし・・・


「あ、小さい頃といえば空君がこの家に来てだいぶ経つよね〜」


「あぁそうだね。もう少しで7年ぐらいになるかな?」


「ねぇ空君」


「ん?」


「この家に来る前のこと少しは思い出した?」



「いや、全然・・・」


この家に来る前のこと・・・やっぱりなにも思いだせない。一体なんで俺の6歳以降の記憶がないかが・・・



「そっかぁ。でも私的には空君が記憶を思い出さない方がいいかも」


「え、なんで?」



「だってもし記憶が戻ったりしたら空君が前住んでいた家に戻っちゃうかもしれないし・・・」



前の家か・・・。俺にもあったのかな?


「大丈夫だよ姉さん」


「え?」


「例え記憶が戻っても俺は朝倉空であって朝倉家の・・・朝倉瑞穂の弟だよ。だから勝手にどこか行ったりはしないよ」



「空君・・・」


「それに今はおじさんもこの家に居ないんだしもし姉さんが家にひとりになったりしたら大変だろしね」



「もぉ、大変ってなによ〜。」


「はは、ごめん」



「でもそうだよね。空君はもうこの家の人なんだし、お姉ちゃんをひとりになんかしないよね!」


「当たり前だよ。それじゃあ話はここら辺にして早く寝よう」


「う〜ん。もう少し空君とお話したかったけど明日も早いししょうがないか・・・。じゃあおやすみ空君」



「うん、おやすみ」


少しした後姉さんの寝息が聞こえてき俺はそれにつられるかのように俺はだんだん眠くなっていつの間にか寝ていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ