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入学式

「もう朝か・・・」

そう言いながら俺は布団から起き上がった。



あ、俺は朝倉空あさくらそら。今日から桜川学園の1年になる普通の少年かな。まぁ変わっているところと言えば6歳以前の記憶をがないってことかな。

俺もなんで記憶をなくしているかは分からないけど今は記憶を失っているから困ることがあるというわけじゃないから別に気にしてないんだけどね。











「空くーーんッ!!起きた?」

大声を出しながらドアを開けた人物は朝倉瑞穂あさくらみずほ。俺の姉さんだ。

まぁ姉さんと言っても義理の姉なんだけど、記憶がなく家がなかった俺をおじさんにこの家に住まわせてもらっていて今じゃ家族みたいなものだから姉さんと呼んでいる。





「あぁ姉さん、今起きたよ」



「早くしないと遅刻するわよ!今日は空君の入学式なんだからね」

「あぁ、分かってるよ姉さん」



「まったくもぅ・・・空君はいつも起きるの遅いんだから」


そう言い姉さんはわざとらしくほっぺをふくらました。



「ほんと、昔から空くんは変わらないよね。いつもいつも朝はお姉ちゃんに起こしてもらわないといけないし」


「あ、あの姉さん」



「空君はだめだめだよねぇ。やっぱりお姉ちゃんが絶対必要だよね」



「ね、姉さんちょっと」



「全くしょうがないんだから空君は〜。まぁ空君のためだからお姉ちゃんはいいんだけどね☆」



「姉さん!」

大声で姉さんに呼び掛けると姉さんはやっと気づいてくれた。


「え、なに空君。急に大声だしたりして」

「あのさ、着替えるから部屋から出ていってくれないかなぁ」

「あ、ごめん空君!!」

姉さんは慌てたようにやっと部屋から出ていってくれた。








「空君鍵かけた?」

「うん。じゃあ行こうか姉さん」



私立桜川学園までは家から歩いて20分ぐらいのところにある。俺と姉さんは中学の頃から毎日歩いて学園に通っている。ちなみに桜川は中高一貫性の学校だ。



「いや〜、今日から空君も学園の高校生か〜」

「といってもあまり実感ないんだよね。ただ高等部にいくだけだし」

「それでもお姉ちゃんは嬉しいよ。空君と教室近くなるんだしね〜♪」

「別に学校で会わなくてもいつも家で会ってるしいいんじゃないかな・・・」

「う〜空君のいじわる〜」

そう言い姉さんは泣くふりをし始めた。





「おーい、そらーー!!」

突然俺達の後ろからかん高い大きな声が聞こえてきた。


「はぁ・・・はぁ・・・、やっと追い付いたよ〜」


「おぉ、渚おはよう」

「うん、おはよう。瑞穂先輩もおはようございます」

「おはよう、渚ちゃん」


今俺の目の前で息をきらしている女の子は神沢渚かんざわなぎさ俺の幼なじみだ。なぜか小学生の頃からずっとクラスが一緒なんだよな。



「それより、渚また寝坊してきたのか?」

「今日は私のせいじゃないよぅ。時計が勝手に壊れてて朝時計が鳴らなかったんだよ」

「はいはい、言い訳はいいから」

「言い訳なんかじゃないよ、ほんとだよぅ〜」

「空君、渚ちゃんこんなところで立ち話してると遅刻するよ~早く行くよ」

「あぁ、そうだね」

そう言い俺は渚の言い訳をスルーしまた歩き始めた。



「ちょっと、空!!言い訳じゃないんだからねぇ」



〜私立桜川学園〜


「入学式の前にクラス表見ないとな」

「あ、そうだったね!じゃあ空、先輩早速見に行こうよ」

「そうね〜じゃあ行こっか」


俺達3人はクラス表を見に行った。



「えっと、朝倉・・・朝倉っと・・・・・・あ、あった!1ーBかぁ」


俺はあ行からの名字だったから名前はすぐに見つかった。



「やったぁ私も1ーBだよ!空!!」


俺の横で渚ははしゃいでいた。


「また、お前と一緒のクラスかよ」

「何よぉ、なんか不満なのぉ〜」

「べっつにー」

「空君と渚ちゃんまたふたりとも一緒のクラスなんだ・・・羨ましいなぁ」

「しょうがないだろ姉さんはひとつ年上なんだし。」

「む〜、空くんのいじわるっ」

「そう言われても・・・。ま、まぁこんな所で話してるのもなんだしはやく入学式行こうよ」

「そうだね、じゃあ体育館へ行こう」

「私教室だから。じゃあね空くん、渚ちゃん。放課後ね」


そう言い姉さんは急いで校舎の中へ入っていった。姉さんと別れた後俺と渚は体育館へと移動した。







〜体育館〜


「うわ〜結構人いるな」

俺たちが体育館に来たときにはすでにかなりの人が体育館にいた。



「えっと、1-Bだからここね。空、出席番号順に座るらしいよ」

「わかった。じゃあまた後でな渚」



同じ1-Bでも出席番号が違うので俺と渚はそれぞれの座るとこへと向かった。



「出席番号1番だしやっぱり1番前だよな・・・」

呟きながら俺は一番前の席へと座った。



「入学式長くなりそうだし寝ようかな・・・」





「ねぇ」




「ん・・・?」

もう寝ようと思ったら隣の席の人に呼ばれた。

そこにはそこそこ髪が長く、茶色に染まってるような髪で小さめな女の子がいた。



「あなた、面白そうね」

「面白そう?一体なにが・・・。ていうか君誰だよ」

「フフ、そのままの意味よ・・・。私は水無月彩音よ。よろしくね、朝倉空君」

「よろしくって、何で俺の名前知ってんだよ!?」

「さぁてなんででしょうねぇ」

「まぁ、別にいいけど」

「フフ、ほんと思ってた通りだわ」

「なんか言ったか?」

「なんでもないわよ」

「はぁ・・・。あ、そろそろ式が始まるな」

そう言い俺は前を向いた。



式が始まり校長の長話が30分越すんじゃないかという辺りで事件は起きた・・・。



「そろそろね」


横で水無月がぼそっと呟いた。



「朝倉、あんた今から良いもの見れるよ。」

「良いもの?何言ってるんだ、お前?」

「まぁ、見てなさいって」


「3・・・2・・・1」



急に水無月はカウントダウンしはじめた。



「今よ!!」


水無月の合図が出た後俺は校長の頭上からガタガタガタと音がしているのに気付き見てみた。



すると勢いよくくす玉がでてき、校長の頭に落ちてきていた。まわりはクスクスと笑いが起き、俺はくす玉からでてきた文字を読んでみた。


「えっと・・・入学おめでとう、そして大成功!by新入生朝倉&水無月・・・・・っておい!なんで名前書いてんだよ、しかもなんで俺まで!!」




「えー、朝倉君と水無月さん至急前にでてきなさい!!」



「おい、水無月これなんだよ!?ってあれ?」



横を見てみるとついさっき俺の隣にいたはずの水無月の姿が跡形もなく消えていた。



「やばッ!逃げないと!」


先生が俺のところに来ているのに気付き俺は全速力で体育館から出ていった。



「こら!待ちなさい朝倉君!!」








だが数人の先生達に追いかけられ結局は捕まってしまいなぜか罪のない俺が校長室に呼ばれ、怒られてしまった。





「くっそー、なんで俺が怒られなきゃいけないんだよ・・・」

こってりしぼられた後俺はぶつぶつと呟きながひとり廊下を歩いていた。

「ちょっと、空!どういうことなの!?」


俺のもとに入学式から帰ってきた渚が走ってきた。


「どういうことって言っても俺は関係なくて、ただまき込まれただけだし・・・しかもそれは水無月のせいだし」


渚に入学式の途中であったことを必死で伝えたつもりなのだが・・・あきらかに納得いってない顔だった。



「おふたりさん、廊下で言い争いはどうかと思うわよ」

渚と言い争っていると横から声が聞こえた。


「おまえ、水無月!今まで一体どこにいたんだよ!?お前のせいで俺はえらいめにあったんだからな!!」


「フフ、少し声の音抑えなさい。それに朝倉あんただけのせいじゃないからいいじゃない。しかも面白かったんだから」

「確かに、あれは皆ウケてたけど・・・、でもなんで俺までまき込まれなくちゃならないんだよ!」

「それは、朝倉あんたはあたしに選ばれたからよ」

「は?選ばれた??」

「フフ、この話はもう終わりよ。早く教室に入りましょう・・・。」

水無月は足早に教室へと入っていった。


「お、おいちょっと待てよ、水無月!」



俺と渚が教室に入ると教室にいる人の視線が一気に俺の方へと向かった。


さすがにあれだけの事をすれば注目される・・・


「って、あれは俺関係ないじゃん!ただ名前水無月に書かれてただけだし、全部水無月のせいじゃん!」

「ま、まぁ空落ち着いて。それにそろそろ先生来るよ」


渚に促されさっさと席に着いた。



「よぅ!えっと朝倉空だったっけ?」


席に座ると後ろの席の男子に話かけられた。


「そうだけど、君は?」

「俺は、榎本相馬えのもとそうまよろしくな」

「うん、よろしく」

「それにしても、お前なかなかやるな、入学式早々問題起こすなんて」

「いや、だからあれは水無月が・・・。ていうか俺一切関係ないし・・・」

「まぁまぁ、いいじゃん。学校中にお前と水無月さんの名前知れわたったことだし」

「それはいいことなのか・・・・?」


明らかに相馬は面白がってた。この後もわいわいと相馬と喋っていると教室の扉が開き先生と思われる女の人が入ってきて教壇に立った。



「え〜、皆さん初めまして。そしてご入学おめでとう!このクラスの担任となった常磐静香ときわしずかだ。よろしく頼む」


一通り常磐先生の話が終わると急に俺の方と水無月がいる方に目を向けた。


「早速入学式に問題を起こした奴がいるみたいだけど、皆はこんなこと絶対にしないように!ね、朝倉!水無月!」

「フフ…」


「やばい、明らかに俺達目つけられてるじゃないか・・・。しかも今は笑うところじゃないだろ水無月…」


「んじゃまぁ話はこんなところで今日は終わりね。でわ、明日からがんばりましょう」


そう言って先生は教室から出ていった。


「ふあ〜、やっと終わったぁ」

「朝倉」

「うわぁッ!びっくりした、水無月かよ。。急に後ろから話かけてくるなよな」

「フフ、いいじゃない、そういう仲なんだから。それより今から時間ある?」



「なッッ!お前達もうそういう仲だったのか!?」


横から相馬が身を乗り出して驚いたように聞いてきた


「なわけないだろ!!水無月も変なこと言うなよな!それより、時間あるってどうせまた馬鹿みたいことするつもりだろ」

「馬鹿みたいなこととは失礼ね・・・。これからの高校生活どういう風に面白くするか一緒に考えようとしたんだけど」

「いや、お前ひとりで考えてくれ・・・。お前絶対にろくでもないこと考えてるだろうし」

「フフ、照れちゃって」



「お〜い空ぁ、帰る準備できた?瑞穂先輩たぶんもう待ってると思うけど」

急いでるように渚は俺のところに駆けつけてきた。



「あぁ、ごめん忘れてた。ちょっと待ってて」

「おい、朝倉お前この美少女は誰だ!?」

「美少女って・・・こいつは神沢渚で俺の幼なじみだよ」


「渚です。よろしくお願いしますね。え〜と2人の名前は・・・」

「榎本相馬です!!よろしく!」

「今さっき確か会ったわよね?私は水無月彩音よろしく」

「うん、榎本君、彩音ちゃんよろしくね。それより、空早く行かないと」

「帰る支度はできたし行こうか。んじゃあまた明日な榎本、水無月」

「明日を楽しみにしてるわよ、朝倉」

「じゃーな朝倉と渚ちゃん」


2人と別れて俺と渚は急いで姉さんと待ち合わせをしている校門へと走っていった。







「あ!やっと来たぁ!」

「姉さん、ごめん遅れた!!」

「すいません先輩遅くなって・・・」

「全くもぅ・・・、何してたの?お姉ちゃんずっと空君と渚ちゃん待ってたのに」

「ごめん、ちょっとクラスの人と話こんじゃっててそれで遅れたんだよ」

「クラスの人って、空君もう友達できたの!?」

「そうなんですよ、先輩。空もう友達作ってるんですよ。しかも2人、ほんと空って凄いよね〜。まぁおかげで私も友達になれたんだけどね」

「へぇ〜、空君凄いねぇ」

「友達って、榎本はまだいいけど水無月は違うような・・・。まぁ、そんなことより早く帰ろうよ。なんか今日色々あって疲れちゃったし」

「そうだね。じゃあ帰ろうか」


校門を出て俺達は家の方への道へと歩いていった。










「あ!そうだ空君、生徒会長から聞いたんだけど今日入学式の途中問題起こしたらしいね。一体何したの!?」



「またそれか・・・。。だから俺は何もしてないって。ただ水無月が勝手にやっただけで巻き添えくらっただけなんだよ」



「本当に?嘘じゃないよねぇ?」



「本当だよ!!」




「ま、まぁ先輩空を許してあげてください。たぶん空が嘘言ってるかんじ全然ないし・・・。」



「そうだね。空君は嘘つかないよね。信じるよ。でも生徒会長に目つけられてるから気をつけてね。」

「そんな・・・なんで目つけられないといけないんだよ・・・。。」



「ま、まぁ空頑張って。」



わいわいと喋っている内にいつの間にか家の前まで着いていた。


「じゃあ私はこっちだから。また明日空、先輩。」



「うん、また明日ね。渚ちゃん。」



「じゃあな渚。」




渚と別れて俺と姉さんは家へと入っていった。



「はぁ〜、やっと帰ってこれたよ。疲れたし晩飯まで寝ようかな。」



「え、空君お昼御飯は食べないの?」





俺は姉さんの言葉を聞いてふと時計を見てみた。



「あ、まだ1時なんだ。なんかもう3時ぐらいと思ってたんだけどな・・・。。まぁ昼飯はいいや。なんか凄く疲れたし。」



「うん、わかったよ。じゃあ晩御飯の時になったら起こすね。」



「ありがとう姉さん。じゃあおやすみ。」



そしてリビングから自分の部屋へと戻り早々と俺は寝ることにした。



寝る時俺は今日の事を振り返ってみることにした。



今日は高校の入学式、また今年も渚と同じクラス。そして早速水無月と問題起こして・・・・・・って、あれは俺のせいじゃないし。。


その後は校長に怒られたな。やっぱり俺だけっておかしいだろ・・・。



それから1-Bの教室行って相馬と友達になったな。まさか入学早々友達できるとは思わなかったな。




「まぁ、だいたいこんなところかな。あ、そういえば俺が生徒会長に目つけられたとか姉さん言ってたな・・・。生徒会長ってどんな人なんだろう。。」







生徒会長がどんな人か考えているうちにどんどん眠くなってきた。



「はぁ、今日はほんと色々なことがあったな。。寝るか・・・。」




そうして俺は眠りへとついた

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