ヒゲとボイン
「ゼットンはカッコよすぎる。」
目の前の巨乳の女が話し出す。
「子供の頃からゼットンに憧れていた。」
「そうなんだ。」
「ゼットンはカッコいいよね。」
「ちょっと、頭の中に絵が描けないけど…。ちなみにウルトラマンに出てくるゼットンで合ってる?」
「そう、そのゼットン。一兆度の火球を吐き出す方のゼットン。」
「そのゼットンがカッコいいと。」
「そう、カッコいい。将来結婚するなら絶対ゼットンが良い。一兆度の火球でキャンドルサービスしたい。」
「そうなんだ。俺は結婚式には呼ばなくていいよ。」
「もともと呼ぶ予定は無いよ。」
「そっか。」
「そう。」
「なんで急にゼットンの話になったの?」
「あんたのヒゲを見ていたら、メフィラス星人の顔が思い浮かんだから。」
「メフィラス星人ってヒゲ生えてたっけ?」
「なんか銀色のヒゲ生えてなかったっけ?」
「わかんない。絵が見えない。」
「あんたメフィラス星人に似てるね。」
「初めて言われたけど。」
「IQはどのくらいなの?」
「俺?わかんないけど100前後だと思う。」
「メフィラス星人のIQは20000だよ。」
「かしこい!」
「かしこい。」
「かしこいな…。」
「ちなみに、ケムール人は2020年の人類の姿なんだよ。」
「今2010年だから後10年後か…。」
「そう。10年後には皆、頭からちょうちんみたいなの付けてるよ。」
「ケムール人の頭にはちょうちんが付いているんだ。それは何の為に?」
「オシャレじゃない?」
「オシャレかな…?」
「2020年の流行だよ、きっと。」
「2020年の人類、アホばっかりか。」
「あんたのヒゲは全然オシャレじゃない。」
「オシャレです。」
「あー。」
「うん。」
「…。」
「…。」
「暇ね…。」
「暇だな…。」