第1章最終話(第29話)悪魔とドラゴン ②
よし、これならいける。
炎に包まれて死んだあと俺は一晩かけて作戦を考えた。
それを今実行する。
まずはドラゴンがこちらに気づかない距離から破裂寸前の『死槍』を撃つ。
巻き込まれない位置からだったら安全に大ダメージを与えられるはずだ。
このあと気づかれなかったらこれを繰り返して、気づかれたら正面から殴り合う。
「ふう、『亡者化・眼・爪』————ぐっ!」
やっぱりまだ2箇所の亡者科はちょっときついな。
でもこの眼の新たに見つけたロックオン機能(作戦練ってる時に思いつきで試しに兵士に使ってみたらできた)を使わないと当てられるかわからないんだ。
これくらい耐えてやる。
ロックオン完了
「『死槍・OVER 』」
ドゴーン!!!!
「ギアァァァァァァァォ"」
うわぁ…なんかすっごい禍々しい紫黒の爆発が起こったわ。
絶対あれ触れたらダメだよね?
このエネルギーは…ブレスがくるな。
「はっ!」
とにかく走れ。
あの紫黒の炎が収まるまで避け続けろ。
うお!?あっぶね!なるほど、この炎ブレスはスライディングで避けられるのか。
10分後
よし、収まった。
突撃!!
うわ、グロ…え、確かに前よりは出力あげたけど初めて『死槍』撃った時これくらったの?そりゃ痛みもなく一瞬で死ぬわ。
体力は残り3分の1か。
ん?結構ふらついてるな。
それなら足を狙えば…『気弾』。
「ギガァァァゥ!」
おお、倒れた。
よし、短剣で目を刺す!
うお!?暴れるな!
ん?この真っ赤なエネルギー…いやオーラは…上?っ!?短剣は捨てるしかないか。
逃げろ!
ドゴッ!
まじか。
こいつ、ドラゴンの頭潰しやがった。
誰だ?あの赤黒い亡者の腕…いや、亡者化した腕はハイドか?
そこには前のようなフルプレートの騎士ではなく軽装で赤髪の少年、この世界の主人公ハイドがい————
ERROR
WORLDNo.1830611
最重要人物[ハイド]に異常発生
観測を中——————
「おい、逃げんなよ。はっ!すまんすまん。ちょっと口が滑っただけだ。心配しなくてもいい。俺はただの『ハイド』だ—————
システムへの侵入を確認
システム防衛プログラムを開始します
またシステム管理者の命により観測を継続します
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