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1.悪女は断頭台に散る
断頭台の周りに集まった庶民たちは「悪女だ!」と騒ぎ立て、貴族たちは冷ややかな視線で断頭台に向かう私を見ていた。
久しぶりに見た空は、雲一つなく晴れ渡っている。
集まった貴族たちの中に、両親と兄を見つけた。
ぼんやりと眺めていると、三人は憎々しげに私を睨みつける。
立ち止まった私の背中を、執行官がやんわりと押した。ゆっくりと、断頭台へ向かって再び歩き出す。
断頭台に登ると、フレデリック殿下とその隣に寄り添うリリアーナが見えた。
フレデリック殿下は澄ました顔で、リリアーナは青い顔をしているが、どこかチグハグな印象を受ける。少し口元が笑っているからだわ。
リリアーナ。
あなたは今でもいい子ぶるのねと呆れながら、ギロチンに首を固定されて目を瞑った。劣悪な地下牢とは違う、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。
「エヴェリーナの処刑を実行する!」
「エヴェリーナ!!」
執行官の声に重なった、空耳かもしれない親友の声を最後に、私の意識は途切れた。
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