社員売り場
「社長〜、今日は受付嬢が風邪でおやすみです」
「んー、そろそろ買っとかないとなー」
「何を?」
「受付嬢のスペア」
彼らは量販店に寄った。
社員売り場に行くと、平社員、営業マン、いろいろ取り揃えて売ってあった。
「お客さま、何をお求めで?」
「受付嬢。華やかなのが良いな。いるだけで空間がぱあっと明るくなるような」
「この娘などいかがでしょう?」
「……ちょっとバタくさい顔だな。あっちのは?」
「人気モデルで入荷1ヶ月待ちです」
「じゃあ、こっち」
「はい、こちらなら在庫ございます」
清楚系女子だった。
「受付嬢というよりお茶汲み女子に欲しい感じだなあ」
「ありがとう。この子もらって、また買いに来ます」
「毎度あり〜」
レジで支払いを済ませると、レジ袋削減とのことで、黄色いテープをペタっと貼られた。
☆
「シールが貼ってありますよ」
「はい」
「何か買われたもののシールがくっついたんですね」
「いえ。私、買われてきました」
「……いらっしゃい」
さっそく、今日の業務が開始した。