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【ルドモンド大陸誌】  作者: 宝鈴
第三章 アルバとは何か
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第七考 アルバとは何か

 ややこしいことに、アルバ家系者の政治家の多くは「アルバではない」。

 一体どういうことか。アルバとは何だろうか。



 アルバとは魔術師。大陸ルドモンドにおける、帝国魔術師のことである。


 年に一度試験が行われ、正式に認定を受けた者だけが、その職を名乗ることができる。アルバに必要なものは、知識と慧眼、探究心、そして、体内に有する不思議な力──古代の皇族が莫大に持ち、現代の皇族が失ってしまった不思議な力──を多量に有していることが、アルバになれる条件である。彼らは魔術を学び呪文を操り、生涯を学術研究に徹し、帝国に仕えている。


 その歴史は古く、宮廷が整いはじめた4000年前に遡る。古代ルドモンドの学者は、宮廷庭園の東屋に集い、学問や研究を行った。ツタの葉が鬱蒼と巻きつく東屋と一体に見えるほど、知に打ち込む彼らを見て、民衆はいつからか彼らを東屋そのもの、Arborと呼ぶようになった。


 アルバからは、多くの発明と発見が生まれた。巻鹿族の主導のもと、生まれたての民族たちが、いかに大陸上で生き残るかが命題だった。それこそ他の地球上の文明に引けを取らぬほど、学問と研究が進められた。


 自然な成り行きで、アルバの家系というものが出てくる。彼らは権力を持つようになり、学者のみならず多くの政治家、実業家を輩出した。もっとも有名で偉大なアルバ家系といえば、巻鹿族のエクセルシア一家だろう。優れた呪術家を輩出し、魔術史に残る発見を数多く残し、現在でも強権を誇っている。


 さて、アルバは元は「学者」という意味の言葉だったが、いつしか帝国魔術師のみを指す言葉となった。これは、皇族たちが不思議な力を徐々に失ってしまった事と、深い関わりを持っている。どういう経緯でこうなったのか詳しく説明していこう。

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