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【ルドモンド大陸誌】  作者: 宝鈴
第一章 ルドモンド大陸と民族の成り立ち
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第三考 皇帝が生み出した民族たち

 皇帝は、動物の特徴を持った人間たちを生み出した。だがその後、彼らが民族として成立するかどうかは、あまり関与していなかった。同胞たちは互いに協力し、子供を産み、生活を確立して行かなければならない。


 突如、大陸に生み出された赤子のような彼らが、一民族として自立できたのは、ルドモンド大陸最初の民族──巻鹿族の尽力が大きい。


 巻鹿族は、常に民族たちのリーダーとして振るまった。皇族の腹心として、生まれたての民族ごとに、生態にあった自然圏への移動を促し、生活の基盤を整えるための貢献と助力を惜しまなかった。


 多くの民族たちは、皇族と巻鹿族に敬意を払い、繁栄すべく努力した。が、しかし従順な者ばかりではない。皇族に叛旗を翻し、自ら没落の道へ歩む民族もいた。だがそんな血気盛んな民族たちは極少数で、衰退した民族のほとんどは、絶対数が足りずに消えていった。



 人として、行動不可能な形状で生み出され、死んでいった者たち──。

 繁殖は成功するも、人としての理性を失い、怪物と化した者たち──。



 民族成立には多くの失敗と消滅を繰り返したが、皇帝たちは何度もめげず改良し、新たな民族を作りだした。


 様々な興亡を繰り返し、初代皇帝が初めて鹿を人間に変えてから、4570年後の現在、ルドモンドで暮らす民族は約200族。役所や学者によって、203だの205だの定義は分かれるが……これは些細なことだ。大事なのは、この数が「今後減ることはあっても増えることはまずない」という事である。



 それはなぜか。



 現代の皇帝は、もう何十代も前から、民族を作り出す力を失っていた。神のごとき甚大なる不思議な力を、彼らは既に使い切ってしまったのだ。これについては第三章「アルバとは何か」で詳しく述べている。

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