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陽炎のリサ・トゥリカ  作者: 出水 達郎
~第2章~ 防衛隊士訓練編
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第四十六話  かわいい、かわいい、かわいい


「キモすぎ。死ね、っていうか死んで?」


(ど、どうしよう…ダケルが本当に死んじゃったわ…!!)


遠目に見ていたリサは黒コゲになったテルテルやダケルの行動が理解できず困惑の表情を隠せない。


「はぁー、雑魚すぎ……なんだか男子クラスも大したこと無いわね。これじゃ期待できないかなー。」


騒ぎが収まるとレドが前に出てまた馬鹿笑いを始める。


「ははははっ!流石我が妹だ!エリナよ!ナイフの手入れもよく行き届いているようだな?どれ、この兄が新しく開発した魔法剣専用の研磨剤を見せてやろうではないかっ!さぁ!さぁさぁっ!!」


「いや、だからお(にい)に用はないから。」


エリナはレドを無視し、大股で教室の中を進んでいく。


「エリナああああぁっ!この兄の話をきけっ!この研磨材はなああぁっ!すごいんだぞおおおおおおお!!!こらっ!こらああああ!!兄の話を聞きなさいいいぃっ!!」


レドの声に耳を貸すことなく、エリナは教室内を突き進んで行くとリサの前でピタリと止まる。

エリナはなんとリサの全身をその鋭い目つきでジロジロと観察し始めたのだ。


(え、ええっ!?何っ!?私!?私なの!?)


「ふぅん…。コイツがねぇ…。」


(近いっ!女の子が…顔が近いっ…!まって!ま、まだ私の心の準備が…!!)


「こら!エリナ!!そんな男を見てはいかんぞ!!何をされるかわからん!!?目に毒だろう!?それよりこの兄の特製研磨剤と兄の磨き上げたこの刃物を見なさい!ほらぁっ…心が落ち着くだろうううっ!?」


「そんなの見て落ち着くのはお(にい)だけだから。それで?コイツがお兄が家でいっつも話してる”リオなんとか”って言う奴?なんだかこいつ弱そうだけど?本当なの?」


「エ、エリナっ…!?ななな、何を言っているのだ…この俺が家でいつそのような男の話をしたと言うのだっ…?嘘を付くなっ!…はははっ、はっ!」


レドの肩と周りに浮いている剣がプルプルと震えているのが見てとれる。



一方リサは目の前にきたエリナの姿を眺めていた。


(ど、どうしよう…何を話したらいいのかしら…。それにしてもこの女子の軍服…可愛いわね。)


自分たちの着ている男子用の青い軍服と雰囲気は似ている。


しかし男性用の軍服に比べ、無骨さは余り感じられない。規則正しい折り目の入ったスカートにリボンのような装飾があしらわれている。女性的な魅力や可愛さを引き出しているように見えるが、過度に性的な作りにも見えず好感が持てる。


「ふふっ…。」

(素晴らしいデザインね…私も着てみたいかも…。)


「何笑ってんのよ?アンタ。」


そう思うリサだがそれは恐らく叶わないだろうと思い直すと表情が少し陰る。

そうしていると気づくとエリナが目の前にズイと顔を寄せて睨みつけてきていた。


「ねぇ?何なのその顔。もしかしてアンタ、私を見て笑ったワケ?何ジロジロ見てんの?キモイんだけど?」


(う、うわぁ…!ど、どうしようっ…女の子と話すのなんて久しぶりだわっ…!それにこんなに近くに…!何を話かけたら良いのかしらっ…!)


リサは幸い【陽炎幻視(エルリスファントム)】で自分の本当の顔を隠していたので紅潮して動揺した表情をエリナに見られることはなかった。


クポ・エミルの街でレフィーナという年の近い少女と会話していたはずだが、その時リサは混乱することなく普通に会話できていた。なぜならレフィーナに対しては「子供を相手にする」あるいは「頭のおかしい人間を相手にする」という感覚でいた為、同年代の女性と会話するという感覚では無かったのだ。


そして久しぶりに同年代の女性を前にして言葉が出ないリサはとりあえずエリナの顔をじっくりと見返してみる。

しかしエリナがそれに動じる様子は一切無い。


(顔小さいっ…まつ毛長い…!ひ、久しぶりの女の子だわ…仲良しになりたい…!仲良しになるには……!なるにはどうすればっ…!ええと、ええっと!)


「ねぇ、リオなんとか、だっけ?何か言いなさいよ?ねぇ!?」


リサは少し目をそらし、以前屋敷でマリーに言われた言葉を思い出した。

「女の子は男性から”可愛い”と言われると嬉しい」と言っていたことを。


(そ、そう!そうよ…!マリーは言っていたわ。確か女の子には可愛い!可愛いと言えばいいのよ…かわいい、かわいい…かわいい…。)


リサはダケルがエリナを初めて見たとき、エリナに向かって可愛いと言っていたことを覚えていた。何故かダケルはナイフで刺されてしまったが、リサはマリーの教えが間違いでは無いことを確信したのだ。

そして深く息を吸い込みリサはようやく言葉を発するのだった。


「へぇ、なかなか”かわいい”ことを言うじゃないか。エリナ。」


「……はぁ?…っていうか呼び捨て?何様?」


「俺に見られてキモい?気持ち悪いだって?その割には俺たちに見られることを随分意識してる恰好じゃないか?」


「…何言ってんの?お前?」


エリナにとっては思いもよらぬ切り返しだったのだろうか、眉間にシワが寄り加速度的に怒りのボルテージが上がっていく。怒りに反応するように銀色の髪が逆立っていく。


(これでいいのかしら…ええと、次は…ええと…ええっと…!!)


☆~☆☆☆☆☆ 何でも構いません。


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