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第四十四話 レベルアップ?

白鈴に呼ばれて蔵の中に入った。

何をするの?


 第四十四話 レベルアップ?




 そろそろ朝の季節(5時頃から11時頃)が近付き、翔鬼の【気】も溜まってきたという時、白鈴に呼ばれた。

 武術訓練かと思いきや、清大(せいだい)の家の蔵の中に入っていく。


 扉を閉めると、高い場所にある小さな窓だけでは結構暗い。 鬼神の眼なので充分に見えるが、人間だと自分の指先さえ見えないほどの暗闇だろう。

  


「ギンを出して」

「それはいいけど、こんな所で何をするんだ?」


 ギンが出てくると、蔵の中は(まぶ)しいほど明るくなった。


「僕に何の用?」

 

 白鈴はそれに答えず、腕を組んでギンを()ている。



「な···なに?···」

「やっぱりだわ」


 納得したように頷く白鈴に、一同は首をひねりながら次の言葉を待つ。


本体(しょうき)と同じで、ギンも【気】が漏れているわ」

「本当か? それはマズいな。 ぬらりひょんを呼ぶか?」


 白鈴はキッとして翔鬼を睨む。


「私を誰だと思っているの?! これでも四神よ。 【神気(しんき)】を失ってこんな姿だけどこれくらいは大丈夫よ」


「でも、どうして蔵の中にわざわざ入ったんだ?」

貴方(あなた)、バカ?! 村人全員にギンを紹介するつもり? ぬらりひょんが言っていた事を忘れたの?」

「そ···それもそうだな」

「分かったら、私に任せて」


「お···おう」


 翔鬼と白狼は蔵の(すみ)に座り、黙って見守る事にした。



「さて···ギン···」

「う···うん」


「今回の事で分かったと思うけど、【気】には限りがあるの。 そして貴方(あなた)の周りの輝きは漏れだした【気】の輝きよ」

「そ···そうなの?」


「貴方も気孔を閉じる必要があるのよ。 わかる?」

「うん」

「一度【気】を思い切り発散してみて? できる?」

「こうかな?」


 ギンの体の輝きが増してきて、目が開けられないほど眩しくなってきた。


「いいわよ、出来るじゃない。 じゃあ気孔を閉じて」


 すると元の輝きに戻った。


「もう一度いくわよ。 発散して」


 輝きが増す。


「はい! 閉じて」


 元に戻る。 しかし戻った時の輝き具合は始めとあまり変わりはない。


「じゃあもう一度! ···今度は···かくれんぼ···かくれんぼをするつもりで気孔を閉じてみて」


「···こう?···」

「はい! もう一度! 隠れて!! 見えるわよ! 闇に隠れて!」


 今度はギンの輝きが少し押さえられたように見える。


「いいわよ!! もう一度!!···」




··········




「凄いな、ギン。 全く光が無くなったぞ。 これで完璧だな」

「うん!! 白鈴、ありがとう! なんだか【気】が研ぎ澄まされた気がする。 これならあんな幽鬼がどれだけ来ても平気だよ」

「フフフ、よくやったわ。 でも自分の【気】の限界を常に把握しておくことを忘れない事ね。 倒れるのは翔鬼なのだからね」

「うん! 分かった!!」


 ギンは翔鬼の中にスッと入っていった。


「いてっ!」


 翔鬼の頭の上に激痛が走った。 以前にもそういう事があった気がする。


「どこかでぶつけたかな?···痛かった···あれ?」


 翔鬼は頭をさする手を止め、同時に白鈴と白狼は体を硬直させた。


「なにこれ?」

「今のは何だ?」


 白鈴と白狼の体を不思議な高揚感が走った。 以前、翔鬼に配気をしてもらった時のような温かい【気】に包まれるような、【気】が満ちていくような感覚だ。



「なぁ白鈴、角が生えたみたいなんだけど見てくれないか?」

「角?!」

「翔鬼! 四本角になってるぞ!」


 白鈴と白狼は翔鬼の額に目が釘付けになった。




 翔鬼が頭の右側の角の後ろに手をやると、(こぶ)ではなく何かが付いている···そうかこれは角だ···4本目の角が生えているのだ、それも右側だけ二本目になっている



貴方(あなた)、進化したの?」

「進化?」



 白鈴にそう言われた時、頭の中にタラララッタッタッタ~~と、ゲームでレベルアップした時の曲が流れた。



「鬼は角の数で強さが変わるの。 曖昧だったギンの経絡(けいらく)が整った事で、貴方(あなた)の進化が起こったのね」

「そう···か?···」


 さっぱり分からないけど、いい事のようだからいいか···




「じゃあ出ましょうか」


 白鈴が蔵の扉を開けた時に、白狼が後ろから訊いてきた。


「なあ白鈴、俺も【気】が漏れていたりしないか?」


 白鈴はえっ? と振り返る。


「大丈夫なはずだけど······」


 蔵から出てから、白鈴は腕を組んでジッと白狼を視る。 そしてニッコリ笑って大丈夫よと答えた。


「良かった。 俺も光が出ているみたいだから、もしかしたら【気】が漏れているのかと思って」

貴方(あなた)のは光というより、蝶や蛾の鱗粉のような物なの。 これは翼狼の特徴よ。 だから黒くなった時には黒い鱗粉をまき散らしていたのに気が付かなかった?」


「まき散らしていたかどうかは知らんが、そういえば黒い時には光っていなかったな」

「光じゃないからね」


 白狼はホッとした顔で白鈴を見上げた。


「ありがとう」

「どういたしまして」




 二人の会話を聞いていた翔鬼が見直した的な顔で白鈴を覗き込む。


「白鈴って顔に似合わず実は凄いんだな」


 ゴン!!


「いってぇ~~っ!!」

「顔は関係ないでしょ!」


 久しぶりに木刀で殴られて翔鬼は頭を抑え込んだ。



···これがなければ、可愛いのに···暴力女!···



「なにか言った?」

「なっ···何も」




 実は白鈴って、視心術もできるのではないかと思った翔鬼だった。







翔鬼がレベルアップ(進化)したぁ~~!!

\(^-^)/

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― 新着の感想 ―
[良い点] ただし、不正解ではありません。 書き分けた方がいいのではないか?という個人的感想です。 それ以外はパーフェクト。
2020/06/12 19:30 退会済み
管理
[一言] 他人に尋ねる際の『訊く』は、音が聞こえるなどの際の『聞く』とは違うので注意しましょう。
2020/06/12 19:26 退会済み
管理
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