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第三十二話 四天王

四天王の三人を石から戻してあげた。


 第三十二話 四天王




「この石です」

 慶臥が一つの石を指差す。


 翔鬼は優しくその石に手を触れた。


「今からお前を石から元に戻す。 アブラカダブラサッカーバドミントン! 元の姿に戻れ!!」


 堂刹と慶臥が(まばた)きもせずに見つめる中、石がザワザワと動き始め、本来の姿を取り戻した。


 顔を上げた鬼神は周りを見回していたが、堂刹の顔を見て飛び上がるように驚き、飛び起きたと思うと堂刹の前に駆け寄った。


「お頭!!」


 バッシ~~ン!! 


 感動の再会が行われるのかと思っていたのに、いきなり堂刹の平手が飛んできて、鬼神は10m以上もふっ飛ばされた。



··· おいおい ···



 起き上がった鬼神は再び堂刹の前に駆け寄り、ひれ伏した。


「お頭!! 申し訳ありません!!」

「話しは戻ってからだ。 それより、助けてくれたのはこちらの翔鬼殿だ」


 鬼神は翔鬼の前に来て、90度に腰を曲げて「ありがとうございました!」と、礼をする。


 翔鬼は口の端を少し上げて笑って見せ、手を軽く上げた。



··· よし! 今度は決まった! ···



 できるだけ落ち着いた雰囲気で「次は?」と慶臥を(うなが)す。




 石になっている残る二人も元に戻して、()()()()()()た三人が翔鬼の前に整列させられた。



「先ほども紹介したがこちらが翔鬼殿。 こちらが白鈴さ···コホン···こちらが白鈴殿。 そして彼が白狼殿だ」



··· 今、白鈴()()って言おうとした?···



「で···手前から楓儀(ふうぎ)柊斗(しゅうと)阮奏(げんそう)


 鬼神と言うのはみんな人間と同じ肌色なのかと思っていたのだが、普通の鬼ほどではないが良く見ると微妙に肌の色が違う。

 楓儀(ふうぎ)は赤鬼、柊斗(しゅうと)は白鬼、阮奏(げんそう)が青鬼。 それで慶臥が黄鬼(肌色)だと知識の本が教えてくれた。 


『もしかして俺も黄鬼?』

『はい』

『へぇ~~~』

 


 堂刹は神妙な面持ちの四天王達とは裏腹に、嬉しそうに話しを続ける。


「それと、()は翔鬼殿の仲間になった」

「「「えぇ~っ?!!」」」


 三人は驚いて堂刹と翔鬼の顔を交互に見比べる。 堂刹は三人が驚く事を楽しんでいるように悪戯っ子のような笑いを見せている。


「だから···翔鬼殿と彼の仲間は()の仲間だという事を忘れるな。 ついでに言うと、ぬらりひょん殿と大天狗の清宗坊(せいしゅうぼう)殿。 それと江の坂洞窟の町の脇にいる土蜘蛛も仲間だから忘れなきように」


「「「は···はい!」」」


 三人は戸惑いながら返事をし、今まで無表情で見ていた慶臥も一緒に返事をする。


 堂刹は満足そうに四天王を見ているが、外見と違って本当にガキ大将みたいな人だ。 はしゃぐし、殴るし、悪戯っ子のような顔で自慢げに話すし···



『なぁ、仲間になる事が、そんなに特別な事なのか?』


 思わず白鈴に聞いた。


『酒呑童子って強すぎて、手下を率いる事はあっても同列の者と組んで仲間になることって聞いた事がなかったわね。 って言うか、同列の者ってほとんどいないし、彼も同列と認める事をしなかったせいね』



··· そういう事 ···




 という事で、帰途につく。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 途中、幽鬼が一体現れた。


「余が行く」


 堂刹が行こうとするのを三人が慌てて止める。


「頭領!! 危険です! あの冷気に触れるだけで体が動かなくなるのです!」

「弱そうに見えても簡単に倒せる奴ではありません!」

「早く隠れましょう!」


 堂刹は嬉しそうにニッコリと笑い、()()()()()()()と三人の前で胸を張る。


「ハハハハハ!! 心配はいらん。 大人しくここで見ておれ」



 堂刹はまた悪戯っ子のように笑うと幽鬼の方に飛んでいき、スパンと切り刻んで戻ってきた。



「お頭ぁ!! どうなっているんですか?!」

「だ···大丈夫なのですか?」

「さっきのは幽鬼ですよね···」


「ハハハハハ! 余は翔鬼殿に石にならない体にしてもらったのだ」


「えっ?! そんなことが出来るのですか? 俺もお願いします」

「俺も石にならない体にしてください!」

「俺も!」


 三人は翔鬼の前に詰め寄る。 


「いや···残念ながらそれはムリ···」 


 残念だが勾玉を持つ者にしか【配気】は出来ないのだ。



 そんなことを知らない三人は翔鬼の前を後ろ向きに飛びながらお願いする。


「もったいぶらないでくださいよ」

「お頭のような偉い人にしかできないって事ないですよね」

「同じ鬼神じゃないですか」


 ゴン!!ゴン!!ゴン!!


 三人は堂刹に頭頂を殴られ、ズドン!ズドン!ズドン!と地面に叩きつけられた。



··· おいおい ··· また ···



 急いで飛び上がってきた三人は堂刹の前の空中で直立不動になっている。


「翔鬼殿がムリと言ったのが聞こえなかったのか? 本当にお前らには出来ないんだ。 二度と翔鬼殿にその事を言うな。 分かったか?」

「「「···はい」」」


 三人はガックリとうなだれてしまった。



 多分、慶臥と同じくらい強いのだろうが、堂刹の前では不良の下っ端みたいな扱いをされているのが気の毒に思ったがちょっと面白かった。







今回は少し短くてすみません(^人^)



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