かみなり
しばらくして、きみがおふろからあがってきた。
「ねえ、ドライヤーつかっていい?」
「いいよー」
「ありがとう!」
きみはかみのけをかわかすと、リビングにきた。
「そういえばしょうかいしてなかったね。こっちにいるのは、かえるくん。ぼくのともだちだよ」
「あまのかえるっていうんだー。よろしくね」
「よろしくね、かえるくん!」
きみにかえるくんのことをしょうかいしてから、ミルクティーをすすめた。
「このミルクティー、きみのだよ」
「やった! ねずみくんのミルクティーだいすきなんだ」
ぼくはきみにもそういわれて、かおがあつかった。それをごまかすように、ぼくはかえるくんにきいた。
「そういえばかえるくん、スーパー五穀でなにを買ったの?」
「おりがみだよー。たなばたかざりをつくるためのね。みんなでいっしょにつくろうよ!」
もちろんこのていあんに、ぼくもきみもだいさんせい。みんなでたなばたかざりをつくりはじめた。
「みてみて! きれいなあみでしょ?」
きみがそういってじまんしてきたから、ちょっとくやしくていいかえす。
「ぼくのたんざくだって!」
「ぼくのわかざりもすごいよー」
かえるくんのこえがきこえてみてみると、そこには長いわかざりがあった。
「すごい!」
「とっても長いね!」
と、そのとき。
ごろごろごろっ!
って、おっきなかみなりのおとがした。
ぼくときみで、かおをみあわせる。
「……こんなんで、おりひめとひこぼし、会えるのかなあ」
「さあ……。……あれ?」
なぜかふしぎそうなかおをしたきみ。
「どうしたの?」
「……かえるくんは?」
きかれてみてみると、とつぜん、かえるくんが見当たらなくなっていた。
「あれ? かえるくん?」
さがしてみると、かえるくんはテーブルの下でぶるぶるふるえていた。
「ど、どうしたの、かえるくん?」
「こ、こわいの。かみなり。……かみなり、きらい」
……意外だった。
かえるくんが、かみなりがきらいだなんて。
かみなりがすきとはいわないだろうけど、かみなりなんてへっちゃらだろうと思ってたから。
でも……こんなに、かみなりをこわがるんだなあ。