はじめよう、たなばたのじゅんびを!
7月6日(どようび)
その日、ぼくは遊びにきていたきみに「ねえねえ」って話しかけた。
「あしたは、たなばただよね! だから、たなばたのしたくをしようよ!」
きみは「もっちろん!」って言って、楽しそうににこにこしてた。
「なにがいるかなぁ」
「ささはあるの?」
「いや、これからとりにいくよ」
ぼくはメモをとりだして、きみといっしょにひつようなものを書き出した。
「たなばたかざりは、ぜったいにいるよね。あと、そうめんも」
ぼくがそういうと、きみは「そうめん?」とくびをかしげたっけ。
「なんで、そうめんなの?」
「知らない? たなばたのたべものって、そうめんらしいよ」
「へえー」
きみは意外そうにめをぱちくりさせてたから、思わずわらっちゃったよ。
そうしたらきみにかるくにらまれちゃった。ごめんごめん。
だってきみのかおがおもしろかったんだもん、なんていったら、怒られるかな?
「えーっと。とりあえず……ささと、たなばたかざりにつかうおりがみと、あとはそうめん、だね。じゃあ、出かけよっか!」
「うん!」
こうしてぼくたちは、たなばたのじゅんびをはじめた。
ぼくは、きみとそとに出た。そのとき、そとはいいお天気だった。
「これなら、おりひめとひこぼしも会えるよね」
「うん!」
ふたりでそう言って、わらった。
「まずは、ささをとりにいこうか」
ぼくがそういうと、きみは「そうだね」っていった。
「で……どこにとりにいくの?」
「きまってるよ! 花犬さんのおはなやさんにいくんだ!」
ぼくがそういうと。
「……えっ? え、なんかさあ……ささがはえてるところとかないの?」
きみはこまったようなかおをしていった。
「いや? 花犬さんのおはなやさんで予約したささがあるから、これからそれを取りに行くよ」
「あっ、とりにいくって、そういういみだったのか!」
きみにききなおしてみると、きみはてっきりささを"取りに"いくんじゃなくて、"採りに"いくのだとおもってたらしい。ごかいさせてごめんね。