表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ねずみくんのたなばた  作者: 秋本そら
ねずみくんの日記 7月7日のお話
15/17

それぞれの「たいせつ」

そうめんをたべおわったころ、ふと福の神さんが、なにかのかみを、とり出した。

「そういえばねずみくん、いりぐちにこんなのがおちてたぞう」

「えっ……それはなんですか?」

「それが……てがみのようじゃが、さしだしにんが、わからんのじゃよ」

うけとってみてみると、それはたしかにてがみみたいだった。そのてがみの字は、あのふしぎなてがみのものに似ていた。


『ねずみくんへ


きみにとって大切なものや、大切なことは見つかったかな?』


「あのふしぎなてがみの、つづきみたいだ」

「あのふしぎなてがみって、なんじゃ?」

ぼくは、福の神さんにあのふしぎなてがみについてせつめいした。

「それはふしぎなてがみじゃのう。……そうじゃなぁ、わしにとってたいせつなことは……じぶんのしごとをまっとうすることかの」

「どうしてですか?」

「それが、みんなをしあわせにすることにつながっているからじゃよ」

ほっほっほ、とわらう福の神さんをみながら、ぼくはお礼をいった。

ぼくは、かんがえた。

——ぼくにとって、たいせつなものやことって、なんだろう。

花犬さんは、花。

かえるくんは、友だち。

とくちゃんは、じぶん。

おに吉さんは、せんにゅうかんをもたないこと。

福の神さんは、じぶんのしごとをまっとうすること。

なら、ぼくは?

みんながおしえてくれたことは、どれもたいせつなものやことだとおもう。でも、これはぼくのたいせつなものやことじゃない。みんなのたいせつなものやことなんだ。

じぶんのことは、ほかのひとにてつだってもらってもいいけど、じぶんでかんがえて、じぶんできめないといけない。じゃないと、それはじぶんのことじゃなくなっちゃうから。

「——あっ、わかった」

ふと、ぼくはおもいついた。……いや、気づいた。

「ぼくにとっていちばんたいせつなものは……思いやりだ。思いやりをもつことが、ぼくにとっていちばんたいせつなこと」

「どうして?」

かえるくんがたずねてきた。

「……ぼくね、きづいたんだ。ぼくっていつも、心のどこかに、だれかを思いやろうってきもちがあるってことに。あそびにきたひとが少しつかれてるみたいだったら、ミルクティーをいれて、少しでもいいから、きもちがらくになるといいなぁって思うし、だれかがこまっていたら、まよわずにたすけにいくと思うし。なやんでいるひとがいたら、そのひとによりそってあげたい。それも、もしかしたら心の中に『思いやり』があるからじゃないかなって」

はなしながらぼくは、これがいちばんだって思った。これだ、ってぴんときた。

ぼくはようやく、ぼくにとっていちばんたいせつなものを見つけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ