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ねずみくんのたなばた  作者: 秋本そら
ねずみくんの日記 7月7日のお話
10/17

スーパー五穀ととまらないとくちゃん

7月7日(日ようび)


おきたのは、ぼくがいちばんさいしょみたいだった。

ぼくはふとんをでると、3人分のあさごはんをつくった。パンをやいて、たまごを3つとベーコンを6まいよういする。それでベーコンエッグをつくったんだ。これをマーガリンをぬったパンにのせてたべるのがおいしいんだよね。

あさごはんができあがっても2人がおきてこないから、ぼくはきのうのぶんのにっきを書いた。

そのとき、思い出したんだ。

たなばたの日のたべもの——そうめんを買ってないことに!

「……あさごはんたべおわったら、スーパー五穀にいかないと」

そのうち2人ともおきてきて、みんなであさごはんをたべた。

「ねずみくんは本当にりょうりがうまいねえ」

「とってもおいしい!」

あさごはんまで2人にほめられて、とってもうれしかったけど、かおがほんのりあつくなったのはないしょにしよう。

あさごはんをたべおわって、お皿とかもちゃんとかたづけたあと、ぼくはそうめんを買いに行くことにした。かえるくんがそれをきいて「ぼくたちも行く?」ときいてきたけど、ぼくはくびをふった。

「さすがにそうめんを買うだけなら、ぼくだけで十分じゃない?」

「たしかにそうだねー」

「いってらっしゃい!」

「うん、行ってくるね」

ぼくはいつものチーズがらのかばんをもって、かいものにでかけた。

そのとちゅうのみちでのことだった。

うしろから、だだだっ、っておとがして、ききおぼえのあるこえがきこえた。

「おーい! ねずみくーん!」

まちがいない。ぼくはそうおもってふりかえった。

……のだけれども。

「うわあーっ! 走りすぎてとまらないよう!」

そういいながら、そのかげはとおりすぎていった。

あきれたぼくは、とりあえずそのうしろすがたに「スーパー五穀でまってるよー!」とだけいっておいた。

そのままあるいてスーパー五穀にいくと、あんのじょう、そこにはそのかげのしょうたい——とくちゃんがいた。

「ねずみくん! いっつもおもうんだけどさあ、ぼくがとおりすぎるとき、いっつもねずみくんって『まってるよ』っていうじゃん、それ、『まっててね』のまちがいだとおもうんだけど」

「しょうがないでしょ? どうしてもああいうときって『まってるよ』っていいたくなるの。あと、すぐとまるれんしゅうぐらいしときなよ。毎回あれなんだから……」

ぼくがあきれていうと、とくちゃんは「ごめんごめん。でも車はきゅうにはとまれないっていうじゃん、あれとおなじだよ」といった。とくちゃんは馬で、車じゃないんだし、毎回あきれるこっちのみにもなってほしいよ。

「ところでさあ、とつぜんぼくをよびとめたのって、なにか用があったりしたの?」

ちょっときになってきいてみた。

「いや? ねずみくんが今日なにか用があるなら、ねずみくんのいえにいくのをやめようかとおもってさ。いっしょにたなばたのおいわいをしたかったんだよ」

「なあんだ。ぼく、そうめんを買いに来ただけだから、いっしょにたなばたのおいわいしようか! あ、かえるくんとあの子もいっしょでよければ、だけど」

「やったあ!」

ことしのたなばたはさわがしくなりそうだとおもったのは、ないしょの話。

「とくちゃんって誰?」と思った皆様、次回で紹介しますので、少々お待ちください。

「待ちきれないよ!」という方は、第2部分の「登場人物」をご覧ください。

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