引きこもりの死、そして転生
処女作です。
温かい目で見てやってください。
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僕 【斎藤 悠真】は、この世に意味を見出すことの出来ないクズである。
酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出し、地球温暖化を進めるだけ進め、働きも動きもしないのに、飯を食ってるただの社会のクズで、人間のクズだ。
まぁ、それも仕方のない事だと思うんだ。
だって、この世はあまりにも理不尽なのだから。
それで皆さんは、汚物を見るような眼差しで見られたことがありますか?
いや、ないだろうな。
でも、僕にはある。
たった一つの出来事で、僕の人生は変わってしまったのだ。
その出来事が起こったのは、今から3年前だ。
ある日、僕のクラスに転校生が来たのだ。
それは、もう今まで見た事のない美貌の持ち主だった。
彼女の名前も顔も覚えていない。
だって、覚えていたら、その出来事を思い出して心が痛むから。
それで、彼女は瞬く間にクラスの人気者になった。
それまでは別に構わないんだよ。
僕にとって、彼女は高嶺の花で関係がない人だったから。
でも、問題はここからだ。
その出来事が起きた日は、その彼女の体調が悪い日だった。
その日、ある授業の時に僕は見てしまったのだ。
彼女の椅子の下に、水たまりが出来ている所を。
もし、その光景を見ていなかったり、どうでもいいと見過ごす事が出来たのならこんなクズな人間にならなくて済んだのかもしれない。
でも、僕にはそんな事出来なかった。だから僕は教室から抜け出し、バケツに水を汲み、教室に戻り、その彼女にかけてやった。
彼女の尊厳を守るために。
その一つの行動だけで勿論僕は嫌われた。
椅子には押しピンを、机には落書きされたり、たまに僕は殴られたり、蹴られたり。
そんな事が多々あったのだ。
だから、僕は学校には行かなくなった。
行っても辛い事しかないのだから。
そしてずるずると時間が流れ、今現在、僕は死にに行っています。
何故かと言うと、僕は今、ある女性を助けようとしているからです。
僕は唯、お菓子やカップラーメンなどを買うためにコンビニに行っただけなのに、その帰りにナイフを持った男が僕が歩いている方向に走って来たのだ。
何と運が悪い事なのでしょう。
それで、その男の標的になったのが、今僕が助けようとしている女性だ。
僕は最後に、いい事をしてこのつまらない人生を終わりにしようと思って、その女性に突っ込んだ。
「危ない!」て言って、僕はその女性の体を押した。
そしたら、その男は「どけ!」と言って、僕にナイフを刺し、またどこかへ走り去ってしまった。
僕の周りにいる人たちは、悲鳴をあげる人や、写真を撮る人など、様々な人がいた。
それで、僕が助けようとしたその女性は助かったのだが、僕からは命が溢れている。
背中にナイフを刺されたのだが、もう痛いを通り越して、熱かった。
刺された場所から血がだらだら出てくる。
「また、助けてくれましたね!」と、女性は言ってきたけど、こんな元気に言うもんなの?
俺、死にそうなんだよ? 誰も救急車とか呼ばないの?
そう心から思った。
で、またって言ってたけど、どこかで会った事があるのかな?
そう思いその女性の顔を確認しようと、重い瞼を開けたのだが、視界が霞んでよく見えなかった。
だから、僕は、「誰だか、分かりませんが、助けられてよかったです」と。
……なんか寒くなってきたし、そろそろ死にそうかな。
人間って、血を流しすぎたら死ぬんだっけ?
なんも分からん。
考える事が出来ない。
あぁ、どんどん五感が失われていく。
それが、僕には分かる。
視覚が、聴覚が、嗅覚が、触覚が、味覚が。
もう、この世界では何もする事はない。
だから、未練はない。
また、新たな人生を歩む事が出来るのなら、強くて、みんなに頼られるようなそんな凄い人になりたいな。
僕はそう思いながら、──────────────────────────────────────────────────────────死んだ。
こうして、【斎藤 悠真】は人生に終わりを遂げた。
たった、16歳の若さで。
だが、偶然か必然かはわからないが、悠真が死んだ瞬間、この世界とは別の世界、いわゆる異世界で赤ちゃんが産まれた。
その赤ちゃんは、悠真の魂の新たなる器に選ばれた。
だから、悠真の魂は小さな次元の亀裂を潜り抜け、その赤ちゃんの中へと流れ込み、悠真の魂はその赤ちゃんとリンクした。
そして悠真の新たな人生が始まったのだった。
斎藤 悠真 16歳 男 9月4日生まれ O型
いじめに遭って、引きこもりとなった。
容姿も、体型も、学力も、全て平均的。
得意な事が何もない。
趣味は、アニメ鑑賞
好きな色 黒
好きな食べ物 カレー