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七罪龍と英雄の弟子  作者: しろ
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転生したってよ?

俺は弱いやつだ。

親友がいじめられていることに気づいていたのに、なにもする事が出来なかった。いや、しようとしなかった。

最低の人間だ。人を見殺しにしておいて、なにが親友だ。


俺の親友だった芳樹は、マンホールに落下した赤ちゃんを助けるために下水道の中を走り回り、時には泳いだ。

結果、その赤ちゃんは助かったが、下水に浸かったというだけで芳樹はいじめられることになったのだ。

気にするな、とは言ったがそれ以上のことはなにもしてやれなかった。

そんな毎日がきっと嫌になったのだろう。芳樹は、3日前に学校の屋上から飛び降りて自殺した。


そんなことを考えながら歩いていると、女性の悲鳴が聞こえた。


「どうしたんですか!?」

「私の子が、私の子が……」

「どうされたんですか?」


俺は女性を安心させるようになるべく柔らかい声でもう一度尋ねた。


「私の子が攫われて……男があっちに走って……」

「分かりました。任せてください。奥さんは警察に通報をお願いします。」


言い終わるとすぐに俺は女性の指した方へ走っていった。


……! みつけた。あいつだな。


「待て!」


男はこちらを一瞥すると路地裏へと逃げていった。


男に追いつくと、俺は男の正面へと回り込む。

すると、男は赤ちゃんを置き、ナイフを取り出しこっちに向かってきた。


男がナイフを振りかぶる。

俺はその手を下から捻じ上げ、同時に頸動脈も締める。


しばらくは男も抵抗しようと足掻いていたが、じきに体から力が抜ける。

気絶させただけだから問題はないはずだ。


それより、赤ちゃんは

うっ……

頭に鈍器で殴られたような衝撃が走る。


くそ……もう一人居たのか。

パトカーのサイレンを聞き、男は悪態をつく。

そして、俺は意識を手放した。



目がさめると、そこは見知らぬ家だった。


「おう、目が覚めたか。

お前が森の中で倒れてるのを見つけた時は何事かと思ったよ。」


「助けてくださり、ありがとうございます。

ちなみに、今の日時と場所を教えてくださいますか?」


「ははっ! こりゃたまげた。その歳で、ここまで流暢に話せるとは賢い子だな。

いいだろう。今は、ちょうど昼くらい、ここはピルの南の森にある俺の家だ。」


ピル? どこだそれは。しかもその歳で……ってどういうことだよ。


ん? 手が小さい……そういえば普段より視点が低い気がする。


まさか、俺は子供になったのか?

なにが一体どうなってるのか全く分からない。

そもそも、俺が倒れたのは裏路地で森ではないはずだ。


もしかして、転生か?

元の世界では小説やアニメの題材として、人気があった気がするが……


「ところで、お前はどうするつもりなんだ?

帰る場所は分かるのか? 分かるならそこまで連れていってやるが。」


俺は転生した。それも、知らない土地に。

そうなれば、俺に帰る場所はない。


俺の様子を見て、察した男が声をかける。


「分からないっていうなら、家に泊まってけよ。

そのうち思い出すかもしれないしよ。」


「本当ですか!?」


「あぁ、ただし条件がある。食料とか必要なものは自分で調達すること。森には魔物が沢山いるから、そいつらを狩れば食料には困らんだろう。食べられる草も生えてるしな。」


魔物!? この世界には魔物がいるのか。

でも戦い方とか知らないからな……

このオッチャンだいぶ無理言うな


「僕は、戦い方とかしりません。食べられる草の見分け方も分かりませんし……」


「当然、魔物との戦い方についてはレクチャーしてやる。つまり、俺がお前の師匠になる。草の見分け方についてだが、適当にそこらの図鑑でも読んでろ、識別が習得出来るだろうからな。」


「識別……?」


「識別だ。知らないか? 詳細を調べられるスキルだ。毒の有無なんかも分かるから、便利だぞ。レベルを上げれば、魔物のステータスやら所有スキルなんかも見れるようになったりする。」


スキルだって? そんなものもあるのか……


「まぁ、お前も疲れてるだろうし、今日はやすんどけ。明日からみっちりしごいてやるから覚悟しとけよ?」


「分かりました。これからよろしくお願いします。

ちなみにあなたのことはなんと呼べば?」


「おぉ、そうだった。俺はフリードだ。

お前のことはなんて呼ぼうか。」


「僕は名前を覚えてないので好きなように呼んでください」


「そうか、じゃあ坊主でいいな。

名前は、思い出すまで待つぜ。」


こうして、俺の新たな生活が始まった。

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