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ちち戦争

「『ぬりかべ』はツルペタかばいんばいんか。それが今日の議題よ!」


 白鷺高校文芸部部長、水崎紅葉は長机に座る文芸部員を前にしてそう高らかに宣言した。


「部長! 質問です!」


 真っ先に手を上げたのは、テニス部と文芸部を掛け持ちしている二年生の尾崎だった。


「はい尾崎君」


「どうして妖怪であるぬりかべが当たり前のように擬人化されているんでしょう? あ、僕はツルペタに一票で」


「まずツルペタに一票ね。擬人化なのは私の趣味よ!」


 他に何かない? と紅葉がそう呼びかけると、すっと手を上げる少年が一人。一年生の高崎茂だ。


「はい高崎君」


「そもそも『壁』という時点でツルペタ一択だと思うんですけれど、部長はそこのところどのように考えているのでしょうか?」


 暗にツルペタに一票と宣言する高崎。彼の質問に動じることなく、部長は言った。


「愚問ね。巨乳が目の前に立っていたら、間違いなく立ち止まって見るでしょう。つまりそういうことよ。その場にくぎ付けにされるの!」


「紅葉ちゃんそれはない!」


 部長の説明に異を唱えるのは、紅葉と同じクラスで仲の良い佐崎ひとみだ。


「何でよ。そこに巨乳が揺れていたら見ない? むしろわしづかみにしない?」


「もし貧乳のぬりかべがサイズの合わないだぼだぼの服を着てたら? 間違いなく覗こうとするでしょう。よれよれの服の隙間から見える、まな板さくらんぼ。それを見るために、ちょっと背伸びして除くでしょう?」


 仲がいいということはつまり、同じ穴の狢である。

 そんなひとみの言葉に、他の文芸部員たちうんうんと頷いている。


「何でよ! この部には貧乳派しか居ないの!?」


 涙目になりながら紅葉は叫ぶと、部室の扉を勢いよく開けて、走り出した。ご丁寧に、飛び出すときに一瞬だけちらりと振り返りながらである。

 当然紅葉を追う部員はいなかった。


 しばらくして、文芸部顧問の吉崎先生が部室に入ってくる。紅葉からことの成り行きを聞いたのか、苦虫をかみつぶしたような表情だ。

 吉崎先生はホワイトボードの前に立つと、今日の結論と書いた。


 『おっぱいは正義』


 教師も教師である。

 つまりは、全員変態だった。



よかった今日はちゃんと投稿できた……

上書き保存できないとかマジ勘弁です

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