魔法少女コニア
いつものように、小鳥の声で目覚めるはずの朝。
そんな朝に一人の珍客が現れた。
「目覚めたか! 魔法少女コニア!」
コニアが目覚めると、枕元で叫ぶ黒マントの男がいた。
寝ぼけ眼をこするコニアは、寝起きのまだぼーっとしたまま問いかけた。あなたはだれ?とか、どうして不審者がここにいるの? とかではない。
「魔法少女?」
魔法少女アニメが大好きなコニアの耳は、寝起きで覚醒していないことも相まって自分に都合の良い情報だけを拾っていたのだ。
「そう君は今日から魔法少女だ。世界征服をたくらむワルイー男爵を倒すのだ!」
黒マントの男の訳の分からない話を聞き流しながら、だんだんと覚醒してきた頭は状況を理解し始めた。
今日から私は魔法少女で。ワルイー男爵を倒すことになった。そして目の前には黒マントの男。
コニアは、はっきりとした頭で考えても状況は理解できなかった。
それでもただひとつわかることはある。
そう、目の前の黒マントは間違いなく不審者であるということだ。
「さぁ君の力で諸悪の根源を倒すのだ! 君の魔法を私に見せてくれ!」
今のコニアにとって、諸悪の根源は間違いなく目の前にいる不審者である。とりあえずコニアは、枕元に置いてあったスマホに手を伸ばすと、魔法(110)を押した。
ただの変態