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IRREGULAR  作者: 新羅なな
3/3

hospital 2

「お兄ちゃん!」


僕はお兄ちゃんのいる窓際に駆け寄り、抱きついた。温かい体温が僕を包む。


「みつ……」

お兄ちゃんの声。心が落ち着いて、

緊張の糸が切れたように、僕は泣き出してしまった。

「君たち、2ヶ月丸々眠っていたんだよ。」

丸眼鏡のひとにそう言われ、窓から見える景色が随分と変化している事に気づく。

確か、最後に見たのは雪だった。けれど今は、雪が溶けきり、草木が芽吹き始めている。


その時、病室のドアが開いた。


「例の二人はいるか」


白髪に白衣をまとい、銀縁の眼鏡をかけている、一目見て僕は『怖い』と思った。

でも、どこか美しい。

じーっと見ていると、切れ長で冷たい瞳と目があった。


「お前が蒼海月か」


「ひゃっ、ひゃい?」


いきなり声をかけられ、情けない返事をしてしまう。何か言われるのではないかと身構えるが、僕を見ていた視線は兄へ流された。


「では、そっちの奴は…」


「蒼海星です。」


兄はしっかりと、冷たい瞳を見据えて答えた。怖気づくそぶりなど全く見せない兄は、僕より一回り小さいものの、とても堂々としていた。


「着いて来い。片野もだ」

「はっ!」


どうやら丸眼鏡のひとは片野と言うらしい。


「行こう。みつき。」


僕はお兄ちゃんが差し伸べた手を取り歩き出した。










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