怪人百面相(笑)
この話に出てくる僕は、途中で俺に口調が変わってますが、わざとです。
内容見れば口調変わりも分かってくださるかと。
気分を害する恐れがあります。くれぐれもご注意ください。
昔読んだ本の中に、「怪人百面相」という本がある。なんにでも化けられる怪人百面相がいろんなことを引き起こす話だったはずだけど・・・。僕はこの百面相が大嫌いだった。
何故なら、百面相は自分を特別だとおもってるからだよ。百人の顔を持つ自分は圧倒的な天才だとか思ってるから。おいおい。何言ってるんだ?君は特別でもなんでもないよ。
これは僕がその持論を持つ話。
僕は学校通いだ。いつもどおりに席に向かって、いつも通り本を開きいつもどおりにすごす。そんないつもどおりの日常。
まわりではクラスの男女が姦しく話しいる。ああ、騒々しい。
「なぁ、この間のさー」
「あ!分かる分かる!」
「ね〜これ可愛くない?」
「きゃー!超かわいい!」
あー、煩いなぁ。仲良く雑談かよ。朝ぐらいは静かにしてくれないかな?
と思ったとき、先生が入ってくる。皆は渋々と着席する。これもいつもの流れ。
「ほーい、じゃあ課題、後ろから集めろよー。」
先生が指示すると課題を後ろの人から集めるという作業になる。
全て集め終わったか、というところで先生が言う。
「はい。じゃあ課題忘れたやつは起立。」
するとガタガタっと何人かが立つ。その中にはさっきまで揚々として話していた男子生徒がいた。顔を見ると申し訳なさそうにしている。
俺はそれを見て笑いかけた。おいおい。さっきとはまるで別人のようだな。顔が全然違うだろう。
さらに滑稽なのは、仲良くしてたクラスメイトには、皆裏の顔があるのさ。今までお互いヘラヘラ会話してたのに、どっちかがトイレに行ったりすると、顔つきを変えて面倒臭そうな、腹立たしいような、そんな微妙な表情をするのだ。
それを見ると、これまた笑いこけてしまうんだよなぁ。何が面白いって、騙されてる側は、本当の友達だと思って接してる所なんだよなぁ。
俺は声をかけたくなる。そいつはお前なんか友達とおもってねえよ。ってさ。
まぁね、こんな学校にいて、こんな現状の中で過ごしてるんだ。百面相なんて珍しくもなんともない。寧ろ昔だから珍しいのであって今のこの社会を百面相本人が見たら、裸足で逃げ出すだろう。自分のやってることがいかに対したことでは無いか。自分が百面相だと、意気揚々としてるのが恥ずかしくなるんじゃないかってさ。
…これが俺が百面相を嫌いな理由。さて、今日も楽しい楽しい偽善観察といこうかな。なーんてね。
あ、そうそう。みんなも周りには注意しなよ?自分が友達だと思っている人も、案外違うところでは、自分の事を嘲り笑ってるかもしれないぜ?
まぁそれでも友達を信じるってなら止めないけどね。
それじゃ、行ってきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
感想、批評など、言ってくだされば嬉しいです。よろしくお願いします。