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終焉-3

「何だ!! 貴様一体何をした!!」

 声を荒らげながら、アダムが叫んだ。

「陽翔君のお父さんも、沙羅ちゃんのご両親も、ここのスタッフだったんだけどね」

 上條は、アダムとは正反対に落ち着いた声音で説明する。

「この二十年、いや、沙羅ちゃんが家族になってからだから十八年か。……最初からあんたの思惑に気付いて、阻止しようとしていたんだよ」

 薄暗い部屋の中、壁に面しているモニター画面の光だけが動いている。何が文字が流れていた。

「イヴは電波塔と一緒に休眠していたから気付かなかっただろうけど。実はここ、もうメインルームじゃないんだよ」

 その言葉にアダムが呆然とした。

「そんな……そんな報告は聞いていない」

「そりゃ、あんたに気付かれないように、内密に作業してたからな」

 菱川家の隠し通路はその副産物である。

「ただ、電波塔の再起動をさせようにも、メインコンピューター内のデータは一体化したイヴにもリンクしていたから、下手に弄るわけにはいかなかった。イヴが目覚めたらあんたにすぐ伝わるから。だから、他の研究員にも教えなかった。どこからあんたにバレるか分からないしな。……そのせいで、機械人間側に犠牲者が出たけど、止めるわけにはいかなかった」

 計画は動き出してしまったから。

「あんたの計画は最初から破綻していた。英田を殺した時から、あんたはもうアダムじゃなくなった。英田でもない。ただの狂った人形でしかなくなってたんだ」

「――黙れ」

「沙羅ちゃんと陽翔君が出会ったのは偶然だけど、これは逆に役立った、ということかな。結局、あんたは最後まで拒まれていたんだよ――全てに」

「黙れ!!」

 叫んで、アダムは無理矢理腕を動かし、目の前の機械を叩き壊した。

「言っただろ。それはもうただのガラクタなんだよ」

 上條は聞こえていないであろうアダムに呟いた。

「……終わるの?」

 イヴが誰にともなく口を開いた。

「全て、終わるの?」

「……ああ。やっと、二十年かけて、全てが終わる」

 言って、上條は手の中にあった拳銃をアダムに向けた。

 中身は既に補填済みだ。

 引き金に指をかけ――。


 ――光が、弾けた。

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