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終焉-1

「もう止めましょう? こんなことしても意味がないのよ」

 イヴは静かに言った。

「この体になっても私は私。あなたのものにはならない。たとえ、どんなに犠牲が出ようとも」

「……そうか」

 肩を落とし、アダムはイヴを――否、イヴが抱く英田の死体を見た。

「どうしても、相手が死んでも忘れられないというのなら、死ねば忘れられるのかな」

 その口調に、イヴは眉をひそめた。

「アダム?」

「消えればいい。全ての機械人間もそれを造り出した研究者たちもただ傍観していた町の住民も英田の死体もイヴも僕も」

 言いながら、アダムはメインコンピューターのコンソールへ向かった。

「音声認証」

 機械がアダムの声に反応した。

「No.A195367、英田拡」

 イヴはハッと気付いた。

 アダムは英田として今まで生きていた。

 ならば、電波塔内の設備やプログラムも把握しているだろう。

 だとしたら、先程のアダムの言動を踏まえて考えると――。

「――ダメッ!!」

 咄嗟にイヴはアダムに飛びかかった。

「……どうしたのさ、イヴ。どんなに犠牲が出ても構わないんだろう?」

 楽しそうに、アダムは言う。

 イヴに肩を爪が食い込むまで掴まれていてもなお、笑みを絶やさない。

「だったらいいじゃないか。全てを消そう。僕も君も全部ゼロからやり直せばいいんだよ」

 そして。

「認証Code:」

 ここまで言いかけ――。

 言葉が、止まった。

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