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異変-1
異変が起こったのは、放課後だった。
菱川沙羅は学校帰りに友人と近くのコンビニで買い物をしていた。
いつもと同じ朝を迎え。
いつもと同じ学校に行き。
いつもと同じ授業を受け。
いつもと同じ放課後を友人と過ごしていた。
だから、おかしなことなど起こり得ないと、無意識に思っていた。
それが覆されたのは丁度、友人と彼女がコンビニの自動扉から外へ足を踏み出した直後。
先に出た友人が急に頭を抱えてしゃがみこんだ。
「どうしたの――」
大丈夫、と続けて言おうとした沙羅は、視界に入った周囲の光景に言葉を飲み込んだ。
友人の他にも、何人かが道路で頭を抱えてしゃがみこんでいる。
何が起きたのか理解できないうちに、
『緊急連絡、緊急連絡』
と、遠くから声が聞こえてきた。
沙羅がいる道路から一つ離れた道路を徐行するパトカーからその声は聞こえていた。
どうやら、スピーカーから流れているらしい。
『機械塔からの電波に異常が発生しました。市民の方は速やかに――』
『人形を破壊してください』
「……“ヒトガタ”?」
一体何の事だろうかと沙羅は戸惑っていたが、
「――痛っ」
急に頭に激痛が走った。
針を脳に突き刺されているような、頭の中をかき回されるような痛み。
自分も思わずしゃがみそうになったが。
悲鳴にかき消された。




