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電波塔-5

 上條が、拳銃を陽翔に向けていた。

「陽翔君じゃないのは分かってる。動いたら容赦なく撃つよ……英田(あいだ)(ひろむ)

 先刻とは違い、上條の声も視線も鋭い。

「……へえ、僕のことを知っているのか」

 少し驚いた様子で、陽翔――英田は言った。

「知ってるよ。……二十年前、あんたの自分勝手な願いに両親が巻き込まれて死んだんだ」

 上條の言葉に、英田は暫し考え込んだが。

「……悪いけど、あの時誰が死んで誰が生き残ったのか、僕は知らないんだ」

「そうだね、あんたはあの電波塔に『イヴ』と一緒にいたから知らないだろう。あの時、どれだけの人間が犠牲になったか。……だから、調べたんだ」

 怒りを堪えるように、上條は食いしばった歯から言葉を紡いだ。

「一度は破壊された機械人間が何故また生み出されるようになったのか。『イヴ』の覚醒に気付くように、なんて理由はこじつけ過ぎない。『イヴ』の意識とリンクさせるためにあんたは十八年前に機械人間を作らせた。この時に『イヴ』に適合しうる存在として作られた中に紗羅ちゃんがいた」

 そして、と上條は言葉を続ける。

「二年が経過した十六年前。今度はあんた自身に適合する機械人間を作った。それが陽翔君」

 言って、今は英田のものになっているその顔を睨み付けた。

「二十年前、あんたは『イヴ』を自分だけのものにしようとして失敗した。だけどその後の空白の期間、あんたは考えていた。十八年前は『イヴ』の復活を、そして十六年前は自身を機械人間にして『イヴ』と共にあることを。あんたは諦めきれなかった。だから、今回の事件は――これは、二十年前の再現なんだ。違うか?」

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