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ぼっちな俺が美女になった!  作者: ミトン55
女になっての学校
16/21

第15話 不安

 どうもミトン55です。読んでいただけると嬉しいです。

では、よろしくお願いします。

 目覚ましの音で目を覚ます。

 時計は6時30分を指している。

 昨日、絵里さんに慰められそのまま寝たんだった。

 俺はベットから起き制服に着替える。

 

(昨日風呂入ってないから・・・)


 俺は制服を脱ぎパジャマを着直し部屋を出た。

 

 一階で降りると朝食の準備を終えたらしく絵里さんがこちらを見る。


「おはよう」

 

「お、おはようございます」


 ふと昨日のことを思い出し顔が赤くなる。

 赤くなったことはばれていないだろう。

 純也さんも新聞を見ながら席に着いている。 

 

「おはようございます」


「あっ、おはよう」


 純也さんはそう言うと新聞に視線を戻す。

 あいさつし終わったところでシャワーを浴びに風呂場へ向かう。

 

 脱衣所前に着くと俺はドアを開ける。

 すると


「おわっと!!」


 神田がそこにいた。丁度ズボンを脱ごうとしていたらしく急いでそれを戻していた。


「ご、ごめん!」


 俺はすぐにドアを閉めた。

 しばらくすると、ドアが開き神田が出てきた。

 神田の顔にいつもの笑顔がない。


「ノックくらいちゃんとしてよ・・・」


 神田はそう言うとリビングへ向かって言った。

 神田を怒らせてしまった。

 ただでさえ神田といまうまくいってないのに・・・。


「何やってんだろ俺・・・」


 俺は脱衣所で服を脱ぎ、急いでシャワーを済ませた。

 

 リビングへ向かうとみんな席に着き俺を待っていた。

 俺は急いで席に着く。


「すみません。待たせちゃって・・・」


「いいよいいよ。女性なんだから」


 純也さんが笑顔で言ってくる。

 横にいる神田は普段通り味噌汁をすすっていた。

 

「なに?」


 神田が俺の視線に気づいたらしく、こちらを見てくる。

 

「い、いや別に・・・」


「そう・・・」


 そう言ってまた朝食を再開した。

 神田はご飯を食べ終えると、学校の準備を一通り終わらせ家を出た。

 木下に昨日の勉強の分からなかった所を教えてほしいと言われたらしく、木下の家で数十分勉強するらしい。

 俺もご飯を食べ終え部屋へ向かおうとするが、絵里さんに止められる。

 

「太矢ちゃんの部屋で話しましょう」


 俺は頭の上に疑問符を浮かべながら絵里さんと部屋に向かった。

 部屋に入ると絵里さんの表情が厳しくなった。

 いつもの優しそうな顔とは違うので大事な話であることはすぐに分かった。


「太矢ちゃん、海斗と何かあったの?」


 絵里さんに真顔で聞かれたが、俺はまた誤魔化すように「特に何も・・・」と言うが、絵里さんは退かない。


「やっぱり、学校でも話さないなんておかしいでしょ?」


「・・・」


 何も言えない。

 いや、言えないと言うより言葉が出てこない。

 でも、絵里さんがここまで心配してくれているんだ・・・。

 俺は意を決して絵里さんに打ち明けた(木下とのことは言わない)。

 

 自分が神田を好きじゃないって言ってしまったこと。

 それ以来神田は俺を避けるようになったこと。

 

「という訳なんですが・・・」


 全部話し終えると絵里さんは無言だった。

 1、2分たっただろうか。

 絵里さんが口を開く。


「好きじゃないっていうのは本心?」


「分からないんです。自分でも・・・」


「そう・・・」


 絵里さんはそう言いながら立ち上がった。

 そして、何も言わず部屋を出て行った。

 

 俺は絵里さんが部屋を出たあとに、支度を済ませ学校へ向かった。


~校門前~

 校門前に着くと神田と木下も丁度学校に着いていたらしい。


「あれ?園奏さんじゃない?」


 わざとらしく声を上げながら木下が近づいてきた。

 神田も木下に引っ張られるように近づいてくる。

 俺は会釈をしすぐにその場から離れた。

 今はあの二人とはあまり一緒にいたくなかった。

 そして、駆け足で教室へ向かった。

 

~放課後~

 いつも通り授業が終わり、放課後になった。

 神田はいつも通り木下と下校するために教室を出て行った。

 他の生徒はほとんどが部活をするため、駆け足で教室を出て行く。

 俺も帰り支度を済ませ教室を出る。

 廊下ですれ違う女子達の話題は一ヶ月後の夏休みだ。


「はぁ・・・」


 夏休みにはいい思い出がない。

 まぁ、そこには触れないでおこう・・・。

 そんなことを思いながら帰路についた。


~帰宅~

 家に入ると神田と絵里さんの声が聞こえる。

 

「なんで、あんた最近太矢ちゃんと話さないの?」


「・・・」


 絵里さんが神田に問いかけている。

 しかし、神田は答えない。

 俺がリビングの戸を開けると、二人の視線が一気にこちらに向く。

 

「ただいま」


「お帰り」


「・・・」


 神田は何も言わずに自分の部屋に戻っていく。


「はぁ・・・」


 珍しく絵里さんがため息をついている。

 

「どうしなんですか?」


「いや、海斗がね・・・」


 絵里さんはそう言いながらまたため息をついた。

 

「太矢ちゃんは海斗とこのままでいいの?」


「いえ、嫌です」


「私もこんな二人を見るのは嫌ね・・・」


「でも、どうすることもできないんですよ・・・」


 俺と絵里さんはそのまましばらく無言のままだった。

 

「すみません、今日も夜ご飯・・・」


「分かったわ」


 俺はそう言い自室へ向かって行った。


(はぁ・・・。どうなるんだろう俺?)


 そういう不安を抱えながら俺は勉強に取りかかった。


 それから一ヶ月間あっという間だった。

 神田と木下は相変わらず登下校を仲良くしている。

 学校では付き合ってるんじゃないかという噂もたっている。

 俺は相変わらず一人で登下校、弁当はクラスの男子達と食べている。

 神田とは一ヶ月まともに口をきいていない。


「はぁ・・・」


 どうしよう?

 

 神田との関係は戻らず俺は女として初めての夏休みを迎えることとなる。



 

 楽しんで読んでいただけたでしょうか。ご愛読ありがとうございました。

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