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ぼっちな俺が美女になった!  作者: ミトン55
女になっての学校
14/21

第13話 離れていく2人

 どうもミトン55です。読んでいただけると嬉しいです。

では、お願いします。

 俺はしばらく屋上から動かなかった。


「「今の言葉忘れないでね」」


 さっきの木下の言葉が頭の中でリピート再生されている。

 

(なんで、あんなこと言っちゃったんだろう・・・)


 俺はため息が出そうになる。

 たぶん、さっき屋上から逃げるように走って行った足音は神田のものだろう。

 

「はぁ・・・」


 俺はため息をつきながら、屋内に戻って行った。

 玄関で靴を履きかえ、校庭に出ると神田と木下が並んで帰路についていた。

 俺は、そんな2人を見送ることしかできなかった。

 2人が見えなくなると俺も帰路につく。

 頭の中は木下に言われた言葉でいっぱいだった。

 

「「今の言葉忘れないでね」」


 何回も何回も頭の中に流れる。

 この言葉が指しているのは俺が神田のこと好きではないと言ったものに対してだ。

 

「はぁ・・・」


 もう何回目のため息だ?

 数が分からないくらいため息をついていた。

 神田に何て言って会えばいいのか? 

 俺には分からない。

 そんなことを思っていると家についた。


「ただいま」


 俺はそう言って家に入る。

 リビングへ行くと絵里さんがテレビを見ていたがこちらに気づくと、


「太矢ちゃんおかえり」


「あの、海斗君は?」


「ああ、推花ちゃんと部屋にいるわよ」

 

「分かりました」


 いつも、一緒に帰って家でもほとんどの時間を神田と過ごしていたので、不思議な感覚だ。

 とても、寂しい。

 神田が俺を見てくれていないのが・・・。


(って!何考えてるんだ俺は)


 そんなことを考えていると、絵里さんが


「海斗の部屋にお菓子でも持っていってやって」


「え?あ、あの・・・」


 言葉に詰まると


「ごめんごめん、冗談よ。私が持っていくから」


「すみません」


 俺は申し訳ない感情でいっぱいだ。

 絵里さんは「いいのよ」と言いながら二階へ上って行った。

 俺は手洗いうがいを済ますと二階の自分の部屋へ向かった。

 部屋に入ると鞄を置き着替えを始める。

 もう自分の下着姿を見るのには慣れた。

 部屋着に着替えると俺はベットに倒れるように横になった。


「はぁ・・・」

 また、ため息。

 ほんとに何回目だろう?

 そんなことは今はいい。

 ベットで横になっていると横の部屋(神田の部屋)から楽しそうな話し声が聞こえた。


「推花とこうして話すなんて久々だな」


「だよねだよね」


 など、昔話に華を咲かせている。

 俺は聞こえないように枕で耳を塞ぎ、寝ようと目を閉じる。

 しかし、隣の話し声が気になって寝れない。

 

 仕方なく、ベットから起きると勉強することにした。

 参考書とノートを開く。

 そして、勉強を始める。

 思った以上に勉強に集中することができて隣の部屋から今も話し声が聞こえるがあまり気にならなくなった。

 すると、部屋に絵里さんが来た。


「太矢ちゃん、お菓子持ってきたんだけど」


「ありがとうございます」

 

 俺はお礼をいいながら、テーブル(最近押し入れで見つけた)出した。

 お菓子を置き絵里さんと二人で食べ始める。


「太矢ちゃん、頑張るのよ。私、応援してるから」


「は、はぁ」


 俺はそう答えることしかできない。

 お菓子を食べ終えると絵里さんは「勉強の邪魔よね」と笑みを浮かべながら部屋を出て行った。

 絵里さんが出ていくのを確認し勉強を再開する。

 絵里さんが言ったことに対して強気で返事をできない自分が情けない。

 

~次の日~

「海斗君、おはよう」


「おはよう、じゃぁ行ってきます」


 神田はそう言うと、木下と共に学校へ向かって行った。


「海斗のやつ太矢ちゃんを置いて行きやがったな」


「ねぇ」


「あはは」


 純也さんが不思議に思い絵里さんに向かって言う。

 俺は笑うしかない。

 

「じゃぁ、行ってきます」


「いってらっしゃい」


「頑張ってきてね」


 絵里さんと純也さんに見送られ俺は学校へ向かった。

 早歩きで学校へ向かっていると神田と木下がいた。

 俺はとっさに物陰に隠れる。

 木下は俺に気付いたらしく、神田の腕に自分の腕を絡ませる。


「な、なんだよ」


「いいじゃん、別に」

 

 俺に見せつけるように神田とくっついて学校への道を歩いて行った。

 俺は2人が見えなくなってから、学校へ向かった。

 学校へついてからも、神田と話す機会はまったくない。

 お昼になっても、神田は早足で木下のもとへ向かっていった。

 

「園奏さん、俺らと昼食どうすか?」


 男子生徒たちからの昼食のお誘い、神田のほうへ視線をやると木下と楽しそうに食事をとっている。

 俺は断る理由もないので、男子生徒たちの誘いを受ける。


「「よっっしゃぁぁぁぁぁ!!!」


「遂に園奏さんと昼食を」


「勇気を出したかいがあった!!」


 男子生徒たちは嬉しそうに教室の外へ案内する。

 その時神田がこちらを向いているのに気付く。

 でも、俺と目が合うとすぐに視線を木下に戻す。


(・・・)

 

 俺は少し寂しさを感じたが、今は誘ってくれた男子生徒たちと昼食をとることにしよう。

 男子生徒たちとの食事はとても楽しいものだった。

 ぼっちだった頃の俺では考えられないほど楽しい食事だった。

 他愛もない話をしながらの食事だったが、全員が俺を気にかけてくれたり、経験したことのないような食事だった。


「また、誘ってくださいね?」


「「もちろん!!」」


 男子生徒たちと別れ教室に戻る。

 俺が教室に入ろうとした時、ちょうど神田と木下が教室を出るところだった。

 隣を神田が通った時俺は神田がどんどん遠くへ行ってしまうのではないのかという不安でいっぱいになった。

 そして、頬を涙が伝った。。

 楽しんでいただけたでしょうか。感想など書いていただけるとうれしいです。ご愛読ありがとうございました。

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