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ぼっちな俺が美女になった!  作者: ミトン55
女になっての学校
13/21

第12話 罠

 どうもミトン55です。読んでいただけると嬉しいです。

では、お願いします。

 「はぁはぁ」

 昨日と同じく4時限目の体育を終え更衣室で着替えを速攻で終わらすと逃げるように更衣室を後にした。

 息を切らしながら、教室に戻ると笑顔で神田が待っていた。


「あっ、やっと来た」


 神田は弁当を机の上にもう出している状態だ。

 俺は急いで鞄から弁当を取り出すと、自分の机に着く。

 今日はお昼のお誘いがまったくない。

 俺が疑問符を頭の上に浮かべていると神田がしれっと、


「どうしたの?」


「い、いえ。何でも」


 神田が笑顔でそう言ってきた。

 特に理由を知りたいとも思わなかったため、神田にそう言った。

 弁当を開きながら俺はふと朝の手紙のことを思い出した。

 

 神田と知り合いだったから神田に言っといた方がいいかな?

 でも、これ以上神田に迷惑をかけられない。

 そう思った俺は神田には言わず神田と昼食をとった。


「太矢ちゃん、今日ちょっと変じゃない?」


「え?別に普通だけど」


 俺は今日ずっと木下推花(手紙の内容)が気になって授業の内容も耳に入っていなかった。

 そんな、俺を見ていた神田が不思議に思っても何もおかしくはない。

 心配をかけないように笑顔で神田にそう言った。

 

「?そうならいいけど・・・」


 神田はそう言いながら絵里さんが作った卵焼きを口に運ぶ。

 午後の授業はちゃんとするか・・・。

 俺はそう思い昼食を再開した。


~30分後~

 弁当を食べ終え神田はクラスメイトと教室の外へ出て行った。

 俺は、弁当を鞄にしまうと小説を取り出し読み始める。

 やはり、今日は男子生徒達が来ない。

 気になったがゆっくりと読書を楽しめると思い俺はまた小説に目線を落とした。


~5時限目開始前~

 読書に集中していてあっという間に5時限目が始まる時間になっていた。

 神田は横の席に着いていて授業の準備をしている。

 気を遣って話しかけないでくれたのだろう。

 そんなことを思っていると5時限目のチャイムが鳴り授業が始まった。


 授業中神田が腹痛を理由に保健室へ向かった。 

 ついて行こうと言ったが「大丈夫」と言われ断られてしまった。

 俺は授業に集中しようと先生の話を真剣に聞き始めた。

 しばらくすると、神田が帰ってきた。

 席に着くとノートなどを広げ始めた。


「大丈夫だった?」


「ん?ああ大丈夫だったよ」


 と、言ってきた。


「よかった」


 俺は心底安心した。

 そんな俺を見て神田が嬉しそうに


「え?心配してくれたの?」


「うん」


「嬉しいよ、太矢ちゃん」


 などと、話していると先生が


「そこっ!!うるさいぞ!!」


 俺と神田は同時に前を向き授業に戻った。

 

~5時限目終了~

「ふぅ。まさかあんなに怒るとわ・・・」


 そう俺と神田は5時限目が終わったあと先生に呼ぶ出されこっぴどく怒られた。

 先生が怒ったのはさっきの授業態度について・・・。

 俺と神田が少し大きめの声で話していたからだ。


(だからってあんなに怒んなくても・・・)


 俺も思わず心の中で愚痴ってしまった。


「ごめんね太矢ちゃん・・・」


「こっちこそごめんね・・・」


 俺と神田はお互いに謝りあっていた。

 そうこうしていると、6時限目の始まる時間が近づいていた。

 

「今度はちゃんと受けるか・・・」


 神田はそう言うと準備を始めた。

 俺も準備をし丁度チャイムが鳴り先生が教室に入ってきた。


~放課後~

「ふぅ・・・」


 6時限目が普通に終わり、俺はため息をつく。

 今日も一日ハードだったなと思い返す。

 特に用事もないし神田と一緒に帰るか、と思ったところで思い出す。

 

(いや、まだ放課後の約束が・・・)


 俺は鞄から朝の手紙を取り出す。

 放課後にお話がありますか・・・。

 何の話だろう?

 

(今行ったら時間的に丁度かな?)


 俺はそう思い屋上へ行こうと足を動かす。

 教室を出るとそこには神田がいた。


「どうしたの?太矢ちゃん?」


「ちょっと用事があるから先に帰ってて」


 神田は首を縦に振りながら「分かった」と言いながら廊下を歩いて行った。


(あ!そろそろ行かなくちゃ)


 俺は早歩きで屋上へ向かった。


 屋上に着くとそこには今朝あったばかりの木下推花がいた。

 

「あら?ちゃんと来てくれたんだ」


 彼女はこちらに気づくと笑みを浮かべながらそう言ってきた。

 そして、一歩一歩俺に近づいてきた。

 俺は、用件を彼女に聞いた。すると、


「う~ん」

 

 少し悩むと


「あんたは海斗君のなんなの?」


 と質問に質問で返してきた。俺は少し戸惑ったが彼女の質問に答えることにした。


「私はただ帰る場所がなくて、神田君の家に居候させてもらっている者です」


「ふ~ん。居候ね」

 

 彼女は居候という言葉を繰り返す。

 そして、


「私は海斗君と幼なじみなの。そして彼のことが好きなの」


 と、言ってきた。


 ん?

 幼なじみ?

 好き?


 俺には馴染みのない言葉ばかりで最初は何を言われているか分からなかった。

 頭の整理をつけてもう一度確認する。


「神田君の幼なじみ?」


「そうよ」


 ようやく落ち着きを取り戻した、頭で考える。


(木下は神田が好きそれでなんで俺が出てくるんだ?)


 俺は疑問に感じ質問する。


「最近、海斗君と仲が良さそうだったから」


 なるほど・・・。

 そして、木下は俺に


「あんたは海斗君が好きなの?」


「え?いや、好きではないけど・・・」


 俺はとっさにそう答えてしまった。

 すると、屋上の入り口からガタッと逃げるような足音が聞こえた。

 俺はまた木下に視線を戻すと


「ふ~ん。好きではないねぇ」


 と笑みを浮かべながら言ってきた。

 俺はまさかと思い、


「さっきの足音って神田君の?」


「え?足音?」


 木下はわざとらしくそう言うと屋上から屋内へ戻っていった。

 ドアを閉める間際


「今の言葉忘れないでね」


 と言ってきた。

 俺は取り返しのつかないことをしたという気持ちでいっぱいになった。


 それから、俺と神田の関係は揺れ始める。 

 楽しんでいただけたでしょうか。ご愛読ありがとうございました。

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